ヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.HC)第3ステージは総合成績を大きく動かすタイムトライアル。平坦なショートTTステージでプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)が躍進。総合ジャージを手に入れた。



伝統ある港町、サグレシュで行われたヴォルタ・アン・アルガルヴェ第3ステージ伝統ある港町、サグレシュで行われたヴォルタ・アン・アルガルヴェ第3ステージ (c)voltaaoalgarve.com
グランツールに比べると慎ましやかなスタート台から走り出すグランツールに比べると慎ましやかなスタート台から走り出す (c)voltaaoalgarve.comトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)のバイクにはTT世界王者であることを示すレターがトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)のバイクにはTT世界王者であることを示すレターが (c)voltaaoalgarve.com




ヨーロッパTTチャンピオンのホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)ヨーロッパTTチャンピオンのホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター) (c)CorVosTT世界王者、トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)TT世界王者、トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) (c)CorVos3位に入る好走を見せたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)3位に入る好走を見せたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) (c)CorVos1分40秒遅れとなったダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)1分40秒遅れとなったダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) (c)CorVos折り返しを迎えたヴォルタ・アン・アルガルヴェ。第3ステージは個人タイムトライアルとなり、総合争いを決定づける一日だ。舞台となったのはユーラシア大陸の最も南西に位置するサグレシュ。ジブラルタル海峡にも近く、大航海時代を支えた船乗りたちが多く育った、歴史ある町だ。

コースは全長18km、高低差もほとんどないショートコース。最初に22分を切る好タイムをマークしたのはライアン・ミューレン(アイルランド、キャノンデール・ドラパック)。しばらくの間暫定トップをキープしていたが、ネオプロのマッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)が6秒上回り、ホットシートに。

その後、アルノー・デマール(フランス、エフデジ)や、ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)らが次々にタイムを更新していく中、トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)が21分28秒と、ボームを7秒上回るを叩き出す。タイムトライアル世界チャンピオンの面目躍如というべき、圧巻の走りを披露したマルティンがステージ優勝を果たすかと思われた。

しかし、そこに待ったをかけたのがホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)。ヨーロッパ個人タイムトライアルチャンピオンが世界王者より4秒先んじ、ホットシートを奪い取った。

注目が集まる総合争いは、総合3位のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、2位につけるプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)らがトップタイムからそれぞれ5秒差という好走を見せた。

一方、リーダージャージを着るダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)は1分40秒遅れと、明暗が分かれることに。

総合リーダーとなったログリッチェは「今日はとてもいい結果を出せた。リーダージャージを手にすることが出来て嬉しい。」と語る。「できるだけ、リラックスしてコースインした。今日のコースは多くのコーナーがあったから、慎重に走ったよ。今日のリードを保って、最終日まで走りたい。幸いチームは強力で、それを可能にするには十分なサポートが受けられれることを確信しているよ」と結んだ。


総合リーダーのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)	 、ステージ優勝のホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)、ポイント&山岳賞のダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)総合リーダーのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)  、ステージ優勝のホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)、ポイント&山岳賞のダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) (c)voltaaoalgarve.com


ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2017第3ステージ結果
1位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)               21’24”
2位 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)              +4”
3位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)              +5”
4位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
5位 ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)                  +11”
6位 アルノー・デマール(フランス、エフデジ)                     +12”
7位 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)                +16”
8位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)       +20”
9位 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)
10位 トニー・ガロパン(フランス、ロット・スーダル)                +21”

個人総合成績
1位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)            9h36’29”
2位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)            +22”
3位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)                 +36”
4位 トニー・ガロパン(フランス、ロット・スーダル)                 +55”
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)                 +59”
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)        +1’31”
7位 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)              +1’40”
8位 ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・スーダル)          +1’49”
9位 アマロ・アンタネス(ポルトガル、W52-FC ポルトポルトカナル)           +1’54”
10位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、スポーティングキューブ・ド・ポルトガル) +1’56”

ポイント賞
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)        25pts
2位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)        25pts
3位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)                 23pts

山岳賞
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)        10pts
2位 アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)                  8pts
3位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)                8pts

新人賞
1位 ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・スーダル)               9h38’18”
2位 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)                 +48"
3位 タルギス・アンソニー(フランス、コフィディス)                   +1’05”

text:Naoki Yasuoka
photo:CorVos、voltaaoalgarve.com

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