ヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.HC)のクイーンステージとなる第2ステージ。フォーイア山頂のフィニッシュ地点へ真っ先に飛び込んできたのはダニエル・マーティン。第1ステージに続く勝利をチームにもたらした。



天候にも恵まれたヴォルタ・アン・アルガルヴェ第2ステージ天候にも恵まれたヴォルタ・アン・アルガルヴェ第2ステージ (c)voltaaoalgarve.com


出走サインを行うフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)出走サインを行うフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) (c)voltaaoalgarve.comエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)ら8名の逃げが決まったエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)ら8名の逃げが決まった (c)CorVosメイン集団のコントロールは総合リーダーを擁するクイックステップフロアーズが担ったメイン集団のコントロールは総合リーダーを擁するクイックステップフロアーズが担った (c)CorVos最後の1級山岳で激しく争うプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)とダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)最後の1級山岳で激しく争うプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)とダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) (c)CorVos熾烈なスプリントで幕を上げたヴォルタ・アン・アルガルヴェ。第2ステージではモンシケ山脈のフォーイア山へとフィニッシュする山頂ゴールが設定された。距離約10km、平均勾配約5.5%と多くの選手にチャンスがあるコースだ。

快晴の下、美しい砂浜を持つラゴアの街をスタートしたプロトンからは、山岳リーダージャージを着るアダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)やエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)を筆頭に7名のライダーがアタック。早速逃げ集団を形成する。15km地点でそこにジョナス・マティアス(ポルトガル、ラ・アルミニオス・マタルーサ)がジョイン。8名となったエスケープは序盤の平坦区間を快調に進んでいく。

しかし、クイックステップフロアーズがコントロールするメイン集団は、後半の山岳区間に備えてリードが広がりすぎることを良しとせず。リーダージャージを着るフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が集団を牽引し、逃げとのタイム差は常に4分以内に抑えられた。

山岳賞を狙うアダム・デヴォスが最初の3級山岳をトップで通過するころには、タイムギャップは1分まで縮められる。逃げ集団からはエドワード・トゥーンスがさらにアタックを仕掛け、20kmほど独走するも残り38km地点で集団は一つとなった。

残る2つの山岳もクイックステップフロアーズが集団コントロールを継続。2級山岳のアルト・ダ・ポンバをエンリク・マス(スペイン)のペースメイクで通過。そして勝負所となる1級山岳では、ゼネク・スティバル(チェコ)とダニエル・マーティンが加わり、一気にペースアップ。

この振るい落としに食らいついたのは、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)とミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)の2人。一旦、先頭は5名に絞られたものの、ハイペースを維持できず後続集団に追いつかれる。そこから再び、マーティンがアタック。ここに食らいついたログリッチェ、クウィアトコウスキーの3名がが抜け出しに成功した。

残り5km地点でアマロ・アンタネス(ポルトガル、W52-FC ポルトポルトカナル)が追いつくが、直後にマーティンとログリッチェが残る2人を突き放す。激しいアタックの応酬となったが、2人の勝負はフィニッシュまで持ち込まれた。ラスト300mから、先に仕掛けたマーティンが一車身先行。すぐさまログリッチェも応戦するも、差し切ることはできず。マーティンが山頂フィニッシュを制するとともに、総合リーダーの座を手に入れた。



プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)とのマッチスプリントを制したダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)とのマッチスプリントを制したダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) (c)CorVos


リーダージャージをガビリアから受け継いだダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)リーダージャージをガビリアから受け継いだダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) (c)voltaaoalgarve.com「最高のチームワークを発揮できたから、完璧なレース運びができたよ。昨日のガビリアの勝利のおかげで、プレッシャーは無かったし、ベストを尽くすことが出来た。これで既にチームは通算12勝しているんだ。シーズンのスタートとしてはこれ以上ないね」とマーティン。

明日は総合成績を決める上で重要な存在となるTTステージ。有力なライバルとなるクウィアトコウスキーに26秒差を付けることに成功したマーティンは「タイムトライアルについても、できる限りのことをしてきた。自分よりもタイムトライアルが強いライバルたちがいるけれど、あっさりと負けるつもりはないよ」と高いモチベーションを見せた。



ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2017第2ステージ結果
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)       4h46’35”
2位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)
3位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)             +20”
4位 アマロ・アンタネス(ポルトガル、W52-FC ポルトポルトカナル)           +33”
5位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、スポーティングキューブ・ド・ポルトガル)
6位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)                  +35”
7位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
8位 トニー・ガロパン(フランス、ロット・スーダル)
9位 エドガー・ピント(ポルトガル、ラ・アルミニオス・マタルーサ)
10位 ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・スーダル)                +46”

個人総合成績
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)       9h14’56”
2位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)              +4”
3位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)               +26”
4位 アマロ・アンタネス(ポルトガル、W52-FC ポルトポルトカナル)           +43”
5位 トニー・ガロパン(フランス、ロット・スーダル)
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、スポーティングキューブ・ド・ポルトガル)
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)                  +45”
8位 エドガー・ピント(ポルトガル、ラ・アルミニオス・マタルーサ))
9位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
10位 ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・スーダル)          +56”

山岳賞
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)         10pts
2位 アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)                   8pts
3位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)              8pts

ポイント賞
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)         25pts
2位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)         25pts
3位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)                 23pts

新人賞
1位 ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・スーダル)          9h15’52”
2位 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)                +30"
3位 タルギス・アンソニー(フランス、コフィディス)                    +49"

text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos、voltaaoalgarve.com