2月15日に開幕したヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.HC)。並み居るトップスプリンターによる争いでフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が勝利した。



温暖な気候のアルガルヴェ地方を行くプロトン温暖な気候のアルガルヴェ地方を行くプロトン (c)voltaaoalgarve.com


アルブフェイラの街を抜けるプロトンアルブフェイラの街を抜けるプロトン (c)voltaaoalgarve.comスタートから残り25kmまで続いた逃げ集団スタートから残り25kmまで続いた逃げ集団 (c)voltaaoalgarve.com山岳賞を獲得したアダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)山岳賞を獲得したアダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング) (c)CorVos温暖な気候のアルガルヴェ地方を行くプロトン温暖な気候のアルガルヴェ地方を行くプロトン (c)voltaaoalgarve.comロット・ソウダルやエフデジ、クイックステップフロアーズらスプリンターを擁するチームが集団の速度を引き上げるロット・ソウダルやエフデジ、クイックステップフロアーズらスプリンターを擁するチームが集団の速度を引き上げる (c)voltaaoalgarve.com2月もクラシックレースやグランツールを狙うビッグネームたちが次々とヨーロッパでのシーズンインを迎えている最中。2月15日より開幕したヴォルタ・アン・アルガルヴェは、同19日まで続く5日間のステージレース。舞台となるポルトガル本土最南端に位置するアルガルヴェ地方は、降雨が少なく、温暖な気候の地域と知られている。

今年のアルガルヴェのステージ構成は、平坦レースと山頂ゴールのレースが2つずつ、3日目には平坦の個人タイムトライアルが用意されたバランスの取れたもの。ツアー・オブ・オマーンやブエルタ・ア・アンダルシアが同時開催されているものの、12という多数のUCIワールドチームが集結した。

出場するメンバーも錚々たる顔ぶれであり、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ・トレック・セガフレード)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)といったトップスプリンターたちを筆頭に、個人TT世界王者のトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)、アワーレコードを一時保持していたアレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)などのTTスペシャリスト、第2ステージや第4ステージの山頂ゴールを狙うルイス・レオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)らが顔を並べた。

第1ステージはアルブフェイラ~ラゴスまでの182.8kmを進む平坦コース。スプリント勝負が見込まれたこのステージは、定石通りに5名の逃げによって動き出す。途中、山岳ポイントやスプリントポイントを通過するたびに先頭集団内で争いが発生するが、終始落ち着いた雰囲気でレースは進行する。山岳ポイントはアダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)が、スプリントポイントはクリストフ・フィングステン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がそれぞれ先頭通過している。

人数を減らしながらもスタートから逃げ続けた小集団は、残り25km地点でスプリンターを擁するUCIワールドチームが牽くプロトンに吸収される。ロットソウダル、コフィディス、クイックステップフロアーズ、ディメンションデータが隊列を組み速度を上げるが、どこのチームも主導権を握るに至らない。

混沌とした集団のまま迎えた残り150m、誰よりも早くスプリントをしかけたガビリアがそのままフィニッシュラインを先頭で通過。グライペルやブアニらの追撃から逃れたガビリアが今季3勝目を挙げ、総合、ポイント賞、ヤングライダー賞の首位を手にした。

ガビリアは「グライペルやブアニ、デゲンコルブたちと対峙したスプリントは非常に長く感じたよ。チームに勝利を届けることができたし、総合のイエロージャージを着ることができて満足している。このあとは第4ステージとコロンビアのナショナル選手権を狙う」とコメントしている。



集団スプリントをフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が制す集団スプリントをフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が制す (c)CorVos


ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2017第1ステージ結果
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 4h28’31”
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
3位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
4位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
5位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)
6位 バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)
7位 マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)             
8位 アンドレア・パスカロン(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
9位 ルーカス・ヴィスニオフスキー(ポーランド、チームスカイ)
10位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)

個人総合成績
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 4h28’21”
2位 クリストフ・フィングステン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)       +1”
3位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)              +4”
4位 ジャスティン・オイエン(アメリカ、カハルーラル・セグロスRGA)
5位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)                 +6”
6位 ホアオ・ベンタ(ポルトガル、レディオ・ポピュラーボアビスタ)       +8”
7位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)        +10”
8位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)
9位 バプティスト・プランカート(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)
10位 マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)            

山岳賞
1位 アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)          4pts
2位 クリストフ・フィングステン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)   3pts
3位 ホアオ・ベンタ(ポルトガル、レディオ・ポピュラーボアビスタ)   2pts

ポイント賞
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 25pts
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)           20pts
3位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)              16pts

新人賞
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 4h28’21”
2位 ジャスティン・オイエン(アメリカ、カハルーラル・セグロスRGA)      +4”
3位 ユアン・セバスチャン・モラーノ(コロンビア、マンザナ・ポストボン)    +10”

text:Gakuto.Fujiwara
photo:CorVos、voltaaoalgarve.com