2月5日に京都市桂川緑地久我橋東詰公園で開催された関西シクロクロス第10戦には900名オーバーがエントリー。泥に覆われた難コースで竹之内悠(Toyo Frame)が勝利した。



泥沼化した桂川のコース泥沼化した桂川のコース photo:Hideaki Takagi
C1 泥しぶきをあげてスタートC1 泥しぶきをあげてスタート photo:Kei TsujiC1 先頭でステップをクリアする中原義貴(ringoroad)と竹之内悠(Toyo Frame)C1 先頭でステップをクリアする中原義貴(ringoroad)と竹之内悠(Toyo Frame) photo:Kei Tsuji


C1 オープン参加の梶鉄輝(SonicRacing)が全体の7番手を走るC1 オープン参加の梶鉄輝(SonicRacing)が全体の7番手を走る photo:Kei Tsuji2016-2017年シーズンの関西シクロクロス第10戦が京都市桂川緑地久我橋東詰公園で開催された。翌週の2月12日には和歌山県和歌山市のマリーナシティで同シリーズ第11戦が開催されるものの、シリーズのポイント集計はこの第10戦まで。つまりこの桂川でシリーズチャンピオンが決定する。

C1 水溜りを抜けて階段を駆け上がる竹之内悠(Toyo Frame)C1 水溜りを抜けて階段を駆け上がる竹之内悠(Toyo Frame) photo:Kei Tsuji名神高速京都南インターのすぐ近くというアクセスの良さから毎年多くの参加者を集める。22年目を迎える今シーズンも参加者は増加傾向にあり、この第10戦のエントリー合計は史上最多の909名。近年はC4やCM3、CL3といったエントリーカテゴリーの参加者増加が顕著で、その影響は上級カテゴリーにも波及している。

C1 3位争いを繰り広げる大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)と坂本章(Sonic Racing)C1 3位争いを繰り広げる大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)と坂本章(Sonic Racing) photo:Kei Tsuji河川敷の草地を利用したコースはほぼ平坦。ドライなコンディションであればハイスピードレースが繰り広げられるが、レース当日は朝から雨が降ったため路面は完全な泥々マディコンディション。一部舗装路を除いて全面泥に覆われた。膝まで水に浸かってしまうような池も登場し、中にはその池でバイクの泥を洗浄しながら走る選手も。

C1 泥に覆われたコースを走るC1 泥に覆われたコースを走る photo:Kei Tsuji午前中に降り続いた雨が上がり、小康状態の中スタートしたのはトップカテゴリーのC1。シリーズランキングの影響で二列目スタートとなった竹之内悠(Toyo Frame)が1周目の前半に早くも先頭に立つと、食らいつく中原義貴(ringoroad)を引き離して独走を開始した。

C1 テンポよく泥コースを走る竹之内悠(Toyo Frame)C1 テンポよく泥コースを走る竹之内悠(Toyo Frame) photo:Kei Tsuji滞在日数の問題でシクロクロス全日本選手権以降のヨーロッパ遠征をキャンセルし、国内で活動を続けていた竹之内がレースをリードする。オープン参加(40分限定)のジュニア選手の梶鉄輝(SonicRacing)は全体の7番手でレースを終えている。

泥に翻弄される選手が続出する中、8分20秒前後のラップタイムを刻んだ竹之内が後続の中原や大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)、坂本章(SonicRacing)を寄せ付けずに1時間のレースを走りきった。

時間とともに泥が粘質を変えていく「シクロクロスらしい」難コースで安定した走りを見せた竹之内。大きな抵抗を生む粘土質の泥の出現や周回遅れの追い抜く作業によって後半はラップタイムを落としたが、最終的に2位の中原に対して2分54秒差をつけた。

「タイヤのテストも兼ねていたので、レース中に空気圧の調整やバイクの交換を頻繁にした。レース後半は泥が乾き出してバイクに泥がまとわりつきだしたので、ギヤの変速のトラブルを避けたかったので早めにバイク交換をさせてもらった」と竹之内は言う。

第10戦を終えて、全日本チャンピオン沢田時(ブリヂストンアンカー)が関西シクロクロスのシリーズチャンピオンに。竹之内と沢田はとも翌週のシクロクロス東京でシーズンを締めくくる予定だ。



C1 泥だらけの姿でフィニッシュする竹之内悠(Toyo Frame)C1 泥だらけの姿でフィニッシュする竹之内悠(Toyo Frame) photo:Kei Tsuji
C1 泥だらけの身体を高圧洗浄C1 泥だらけの身体を高圧洗浄 photo:Kei TsujiCM1 後方スタートの三船雅彦(RCC OSAKA)CM1 後方スタートの三船雅彦(RCC OSAKA) photo:Kei Tsuji
CL1 豊岡英子(パナソニックレディース)が1年ぶりに参戦CL1 豊岡英子(パナソニックレディース)が1年ぶりに参戦 photo:Hideaki Takagi


CL1 優勝の宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)CL1 優勝の宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team) photo:Hideaki TakagiCL1レースで序盤から独走したのは宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)。時間差スタートのCM1の選手たちを追い抜きながら2位の上田順子(ダム部)に2分34秒差をつけた宮内が優勝し、同時にシリーズチャンピオンの座を射止めた。

CL1 2位の上田順子(ダム部)CL1 2位の上田順子(ダム部) photo:Hideaki Takagi3位には先日競輪学校(女子第7回生)に合格した豊岡英子(パナソニックレディース)が入った。過去にシクロクロス全日本選手権で7連覇を含む8回の優勝を果たしている豊岡は「みんなの応援が嬉しかった。今日は1年ぶりに走って、泥の走り方を忘れていました。でも自分には泥のイメージがあると思うので今日は楽しく観戦してもらえたと思います」とコメントする。

また豊岡は「今の自分があるのもこの関西シクロクロスがあったから」と、地元関西の老舗シリーズに感謝する。「シクロクロスを始めたのは14年くらい前、トライアスロンのオフトレでNOKOに入ってからでした。それから三船(雅彦)さんにもお世話になって続けてきました。自転車を続けて競輪選手になろうと考えたのも関西シクロクロスのおかげですね。感謝しています。競輪選手になったらまずは目の前のこと、競輪を頑張ります。そこで成績を出すことが第一です。そのうえで自分を育ててくれたシクロクロスやロードに関わることができればと思っています」。



CL1 3位の豊岡英子(パナソニックレディース)CL1 3位の豊岡英子(パナソニックレディース) photo:Hideaki TakagiCM1 優勝の羽鳥和重(cycleclub3UP)CM1 優勝の羽鳥和重(cycleclub3UP) photo:Hideaki Takagi
C2 優勝の渡辺佑樹(team SONIC)C2 優勝の渡辺佑樹(team SONIC) photo:Hideaki TakagiCJ 優勝の妻木祥太郎(Team Ringo Road / のぼこん)CJ 優勝の妻木祥太郎(Team Ringo Road / のぼこん) photo:Hideaki Takagi
CL1 5月から競輪学校へ入る豊岡英子(パナソニックレディース)CL1 5月から競輪学校へ入る豊岡英子(パナソニックレディース) photo:Hideaki TakagiCL1年間シリーズランキング 1位は宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)CL1年間シリーズランキング 1位は宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team) photo:Kei Tsuji
CM1年間シリーズランキング 1位は藤井修(きゅうべえsports)CM1年間シリーズランキング 1位は藤井修(きゅうべえsports) photo:Kei TsujiC1年間シリーズランキング 1位は沢田時(ブリヂストンアンカー)C1年間シリーズランキング 1位は沢田時(ブリヂストンアンカー) photo:Kei Tsuji


関西シクロクロス2016-2017第10戦桂川結果
C1
1位 竹之内悠(Toyo Frame)       59:21
2位 中原義貴(ringoroad)        +2:54
3位 大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)    +3:48
4位 坂本章(Sonic Racing)       +3:54
5位 吉水統威(岩井商会RACING)      +6:08
6位 鳥居新也(竹芝サイクルクロスレーシング)+6:55
7位 川村誠(スクミズマシンワークス)    +6:56
8位 藤田耕志(IT技術者CX/村上建具)    +7:08
9位 松岡亮(ボナペティ)          +7:20
10位 戸谷亮司(岩井商会RACING)      +7:31

C2
1位 渡辺佑樹(team SONIC)       31:58
2位 田淵昂(京都岩井商会レーシング)    +0:18
3位 三上勇輝(ELITE TEST TEAM)    +0:47

C3
1位 溝畑悟(有 村上建具)         27:10
2位 川上賢一(GENEBIKES)        +0:04
3位 中前元久(バルバクラブカナザワ)   +0:14

C4A
1位 片岡勇貴(シマノドリンキング)     25:51
2位 福井英太(Rough Roadies)      +0:07
3位 木下颯(bikeworks 回転木馬)     +1:21

C4B
1位 澤木冬彦(RCCOSK)          27:42
2位 野口翔太(シルクロード)        +0:05
3位 秋山佳輝(岩井商会)          +0:26

CJ
1位 妻木祥太郎(Team Ringo Road)   33:16
2位 高木英行(PRT KOSEKI)       +0:46
3位 堀川滉太(オカヤマシクロクロス)   +2:53

CL1
1位 宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)32:57
2位 上田順子(ダム部)           +2:34
3位 豊岡英子(パナソニックレディース)   +3:33
4位 加納尚子(ストラーダレーシング)    +5:29
5位 平田千枝(まほろばRC)         +5:36
6位 藤田桃花(有 村上建具)         +5:48
7位 鵜飼知春(八ヶ岳CYCLOCROSSCLUB)   +6:17
8位 寺田早希(KINAN AACA)        +7:44
9位 藤江恭子(TeamZepher)        +8:02
10位 藤野直美(Teamまんま)        +13:24

CL2
1位 秋山華奈(ちゃりん娘)         32:17
2位 松田珠弥(xterra-tube/ベッキー)   +1:21
3位 山野葉子(Toyo Frame)        +1:41

CL3
1位 竹中希春                14:37
2位 寺本麻衣                +0:23
3位 鎌谷麻里(有 村上建具)        +0:50

CM1
1位 羽鳥和重(cycleclub3UP)      41:22
2位 藤井修(きゅうべえsports)      +0:05
3位 中野政彦(TeamSpeed)        +0:11
4位 村山司(チームきゃうちゃん)      +1:32
5位 細川公志(BeeClub)          +1:49
6位 猪岡章人(RISING BOAR)       +2:01
7位 元井和彦(シャカリキ自転車部)     +2:08
8位 小田健司(DUVE)           +2:29
9位 馬野大嗣(ユーロードレーシング)    +2:37
10位 榊原延征(きゅうべえsports)     +2:51

CM2
1位 堀口忠男(モリサイクリングクラブ)   27:17
2位 楠健司(CLOUD 9ers)        +0:31
3位 久馬逸志(今日も押しまs)      +0:37

CM3A
1位 篠原勇理(SYHHP)          28:39
2位 神本博勝(SYHHP)          +0:34
3位 三谷長生(Daranneike/白山CX)   +0:54

CM3B
1位 飯塚健二(Salata Bianca Kobe)  30:31
2位 佐藤敦(Brown Suger PWM)      +0:12
3位 山口秀朗                +0:20

CM4
1位 川野功司郎(来栖川中央研究所)     14:15
2位 渋谷晃也(チームアクオード)      +1:22
3位 山本健一                +1:44

U15
1位 副島達海(Limited846/OK牧場)    11:36
2位 沖本拓己(2020Limited846)     +0:37
3位 上田柊大郎(662CCC)         +0:57

U17
1位 山本大督(2020Limited 846)     29:30
2位 辻凜太郎(Coraggio Kawanishi)   8:04



シリーズランキング C1
1位 沢田時(ブリヂストンアンカー)
2位 伊澤優大(岩井商会RACING)
3位 川村誠(スクミズマシンワークス)
4位 村田憲治(tacurino.net)
5位 大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)
6位 久保伸次(岩井商会RACING)
7位 伊澤広大(岩井商会RACING)
7位 竹之内悠(Toyo Frame)
9位 松木健治(有 村上建具工房ハイランダー)
10位 中原義貴(ringoroad)

シリーズランキング CL1
1位 宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)
2位 平田千枝(まほろばRC)
3位 藤田桃花((有)村上建具)
4位 加納尚子(ストラーダレーシング)
5位 上田順子(ダム部)
6位 坂口聖香(パナソニックレディース)

シリーズランキング CM1
1位 藤井修(きゅうべえsports)
2位 國分圭二(Mt.HASE321)
3位 羽鳥和重(cycleclub3UP)
4位 倉橋孝太郎(ベッキーシクロクロス)
5位 中野政彦(TeamSpeed)
6位 大河内二郎(シルクロード)

text:Kei Tsuji
photo:Hideaki Takagi, Kei Tsuji