1月4日から8日にかけてオーストラリアで開催されたロードレース選手権。最後を締めくくるエリート男子ロードレースを制したのは、残り1.6kmから独走に持ち込んだ22歳のマイルス・スコットソン(BMCレーシング)だった。



エリート男子ロード バララットの周回コースを走るメイン集団エリート男子ロード バララットの周回コースを走るメイン集団 photo:Cycling Australia


エリート男子ロード 集団を振り切るマイルス・スコットソン(BMCレーシング)エリート男子ロード 集団を振り切るマイルス・スコットソン(BMCレーシング) photo:Cycling Australia例年同様ヴィクトリア州のバララットで開催されたオーストラリア選手権。ロードレースの舞台となるのはマウントブニンヨンの登りを含む10.2kmの周回コースで、エリート男子ロードレースはここを18周、全長183.6kmで行われた。

エリート男子ロード 金メダルをチャンピオンジャージを手にしたマイルス・スコットソン(BMCレーシング)エリート男子ロード 金メダルをチャンピオンジャージを手にしたマイルス・スコットソン(BMCレーシング) photo:Cycling Australiaレース序盤にルーク・ダーブリッジ(オリカ・スコット)やラクラン・モートン(ディメンションデータ)を含む7名の逃げが形成されたものの、メイン集団は常に近い位置に待機。逃げと集団ではカウンターアタックと脱落、合流が繰り返され、逃げメンバーが安定しないままレースは進む。

エリート女子ロード チームメイトのスプラットとワンツーフィニッシュするカトリン・ガーフット(オリカ・スコット)エリート女子ロード チームメイトのスプラットとワンツーフィニッシュするカトリン・ガーフット(オリカ・スコット) photo:Cycling Australia残り18km地点で逃げが吸収されると再びアタックの応酬がスタート。周回数を勘違いしたブレンダン・カンティ(キャノンデール・ドラパック)が独走で最終周回に入ったが結局は吸収される。最後のマウントブニンヨンでのサイモン・ゲランス(オリカ・スコット)やネイサン・アール(チーム右京)らのアタックは決まらず、14名がまとまった状態でフィニッシュへの下りに差し掛かった。

小集団スプリントで勝負が決すると思われた矢先、フィニッシュまで1.6kmを残してBMCレーシングジャージがアタックした。サドルから腰を上げることなく加速したマイルス・スコットソン(BMCレーシング)が一気にリードを広げる。後方の集団は牽制により追走は機能しない。ゲランスらのスプリントを振り切ったスコットソンが独走勝利した。

スコットソンは今シーズンBMCレーシングでプロデビューしたばかりの22歳(1994年生まれ)。2014年と2016年のトラック世界選手権団体追い抜きの優勝メンバーであり、2015年のオーストラリア選手権ではU23のロード&個人TTのダブルタイトルを獲得している。2016年ロード世界選手権U23個人TTで3位。3日前に行われたエリート男子個人TTでは5位だった。

「最終周回ではライバルたちの後ろで様子を見て、下りを利用してアタックした。独走に持ち込んで振り返った時、集団と距離を開いていたので信じられない気持ちだった。ただただ信じられない気持ちだった。去年はリオ五輪トラックレース(団体追い抜き銀メダル)を走ったので、そのスピードが生きたと思う」と新チャンピオンは語っている。スコットソンは金色と緑色のストライプが入ったチャンピオンジャージを着てツアー・ダウンアンダーに出場する予定だ。

個人タイムトライアルではチームメイトのローハン・デニス(BMCレーシング)が連覇を達成。地元オーストラリアのオリカ・スコットを退けて、BMCレーシングがロードと個人TTのダブルタイトルを獲得した。エリート女子のロードレースと個人TTではオリカ・スコットのチーム力が光り、2016年ロード世界選手権個人TT銅メダリストのカトリン・ガーフット(オリカ・スコット)がダブルタイトルを達成している。



エリート男子個人TT 連覇を果たしたローハン・デニス(BMCレーシング)エリート男子個人TT 連覇を果たしたローハン・デニス(BMCレーシング) photo:Cycling Australiaエリート男子クリテリウム 先頭でフィニッシュに向かうカレイブ・ユアン(オリカ・スコット)エリート男子クリテリウム 先頭でフィニッシュに向かうカレイブ・ユアン(オリカ・スコット) photo:Cycling Australia


・ロードレース
エリート男子
1位 マイルス・スコットソン(BMCレーシング)            4h37’55”
2位 サイモン・ゲランス(オリカ・スコット)
3位 ネイサン・ハース(ディメンションデータ)
4位 キャメロン・ベイリー(アイソウェイスポーツ)
5位 ネイサン・アール(チーム右京)

エリート女子
1位 カトリン・ガーフット(オリカ・スコット)            2h57’50”
2位 アマンダ・スプラット(オリカ・スコット)
3位 ルーシー・ケネディー(QAS)                   +1’27”



・個人タイムトライアル
エリート男子
1位 ローハン・デニス(BMCレーシング)               50’59”
2位 ルーク・ダーブリッジ(オリカ・スコット)             +58”
3位 ベン・ダイボール                        +1’39”

エリート女子
1位 カトリン・ガーフット(オリカ・スコット)            43’05”
2位 シャラ・ギロー(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)+1’55”
3位 ケイト・ペリー(スペシャライズド・ウィメンズ)         +3’14”



・クリテリウム
エリート男子
1位 カレイブ・ユアン(オリカ・スコット)             1h00’58”
2位 スコット・サンダーランド(アイソウェイスポーツ)
3位 ブレントン・ジョーンズ(JLTコンドール)

エリート女子
1位 ジェシカ・アレン(オリカ・スコット)              49’29”
2位 ケンデル・ホッジス(コラヴィータ・ビアンキ)           +41”
3位 シャノン・マルシード(ホルデン・ウィメンズ)

text:Kei Tsuji
photo:Cycling Australia
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