毎年恒例となった日本最大級のスポーツバイクフェス「サイクルモードインターナショナル」が開幕した。12年目を迎えた2016年は324ブランドから、展示車983台(うち試乗は366台)が集結した。これから開催される注目イベントと合わせて紹介する。



来賓らのテープカットで幕を上げたサイクルモード2016来賓らのテープカットで幕を上げたサイクルモード2016 開場前にかかわらず多くの参加者が列をなしていた開場前にかかわらず多くの参加者が列をなしていた


「スポーツ自転車の”ミライ”を提案」サイクルモード2016「スポーツ自転車の”ミライ”を提案」サイクルモード2016
経済産業省製造産業局車両室長である塩手能景氏や自転車協会理事長である渡辺恵次氏らが集った開会式で幕を開けたサイクルモード。9時には販売店向けの優先入場が、11時には一般開場が行われ、今なお衰えないスポーツバイク人気を象徴するように、金曜日のデイタイムにも関わらず多くの来場者が集った。

昨年と同じ11月第1週の3日間で開催されているサイクルモードインターナショナル2016。12年目を迎えた今年は、167社・団体から324ブランドが出展し、983台の展示車と366台の試乗車が幕張メッセにずらり揃っている。

今年も最先端のテクノロジーが詰め込まれたレーシングバイク&パーツに加え、ツーリングやアーバンライドなどに対応した、豊かなバイクライフを提案してくれるアイテムも豊富に展示されている。大手ブランドでは多くのプロチームが使うことで人気のスペシャライズドが7年ぶりに出展を復活させたことが話題だ。

R9100シリーズが発表されたシマノブースR9100シリーズが発表されたシマノブース
昨年に引き続きクリスティアーノ・デローザ氏が来日している昨年に引き続きクリスティアーノ・デローザ氏が来日している MOOTSのセールスディレクターであるマット・アルフォード氏と、グラベルツーリング用のご自慢の愛車MOOTSのセールスディレクターであるマット・アルフォード氏と、グラベルツーリング用のご自慢の愛車


会場を見て回った印象としては、やはり国内でもディスクブレーキ搭載ロードバイクの波が着実に押し寄せているということ。長く議論が続けられてきた足回りの規格も12mmスルーアクスル+フラットマウントへの統一が加速しており、各ブースでもそれに対応したバイクを多く見ることができた。シマノブースに展示されている最新のR9100系デュラエースは押さえておくべきマストポイントと言えるだろう。

欧米より出足が遅いものの、キャリアを用いずに荷物を積んで旅するバイクパッキングや、それらにベストマッチするグラベル系バイクもコアなユーザーから注目を受けている。ダイアテックブースのMOOTSや各種ハンドメイド系ブランドにその趣向が特に強い。

そしてパイオニア、ステージス、ローター、エリートのローラートレーナーなど、パワーメーターや、パワーメーターを導入した製品を実際に試すことのできるブースには黒山の人だかりができている。もはやパワーメーターはアスリートのみならず、平均パワーを抑えて走りたいロングライド派にも浸透しているような印象を受ける。

リドレーブースではサイクルモードのために特別発注したというアンドレ・グライペルカラーのNOAHを展示リドレーブースではサイクルモードのために特別発注したというアンドレ・グライペルカラーのNOAHを展示 7年ぶりにサイクルモードへ出展するスペシャライズド7年ぶりにサイクルモードへ出展するスペシャライズド

タックス×Zwiftブースではバーチャルでの実走体験タックス×Zwiftブースではバーチャルでの実走体験 カブトは全く新しいエアロヘルメット「AERO R1」を初公開。サイクルモードでの声を反映させ、製品化に繋げる予定だというカブトは全く新しいエアロヘルメット「AERO R1」を初公開。サイクルモードでの声を反映させ、製品化に繋げる予定だという


今年のサイクルモードのテーマは「スポーツ自転車の”ミライ”を提案」。最新バイクの試乗・展示はもちろんのこと、多様化する自転車生活のあり方を紹介する「NEWトレンドゾーン」が昨年以上にパワーアップしたことが特徴だ。ヨーロッパを中心に人気が爆発しているEバイクを紹介する「e-BIKE EXPO」や、クルマとの掛け合わせで普段の「その先」を提案する毎年人気の「シックスホイールスタイル」などに加え、めざましく進化するデジタルガジェットを紹介する「デジタルギアゾーン」と、愛車を自分色に染め上げる楽しみを紹介する「MY BIKE ベストカスタムゾーン」が新登場。開幕初日から多くの注目を集めている。

フィジークではスパインコンセプトを投入したビブショーツを展示フィジークではスパインコンセプトを投入したビブショーツを展示 北海道北広島市のブースでは流行の兆しを見せるVRで実際に現地でのサイクリングを楽しめる。臨場感を高めるために、うちわで風を送るスタッフさん。北海道北広島市のブースでは流行の兆しを見せるVRで実際に現地でのサイクリングを楽しめる。臨場感を高めるために、うちわで風を送るスタッフさん。


日本国内のマーケットを視察するため、海外ブランドの首脳陣や豪華ゲストが来場していることも話題だ。ピナレロブースでは昨年に引き続きファイスト・ピナレロ社長が来日しており、ミズタニ自転車のグエルチョッティブースでは創業者であるパオロ氏と、現社長のアレッサンドロ氏が、デローザブースにはクリスティアーノ・デローザ氏がそれぞれ顔を揃えている。他にも各社スタッフが来日しており、製品の開発裏話を直接聞くことができるかも。

他にも3大グランツールへの連続完走記録を更新し続けている「鉄人」アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)や、来季バーレーン・メリダへと移籍する新城幸也(ランプレ・メリダ)らも来場し、スペシャルゲストステージにおいてトークショーを行う予定。金曜日は平野由香里さんによるインドアバイクレッスンが行われ、会場の盛り上がりに買っていた。来場者が増える明日、あさってはより賑わうこと間違い無しだろう。

晴天の下伸び伸びと試乗を楽しめる晴天の下伸び伸びと試乗を楽しめる
さまざまな体験型のイベントが各ブースで催される こちらはトライスポーツのブースで行われていた速乾性塗料のデモを行うさまざまな体験型のイベントが各ブースで催される こちらはトライスポーツのブースで行われていた速乾性塗料のデモを行う 絹代さんがプロデュースするガールズバイクキャビンブースも絹代さんがプロデュースするガールズバイクキャビンブースも

ウィーラースクールも開催中ウィーラースクールも開催中 メインステージでも様々なイベントが行われる。こちらは平野由香里さんによるインドアバイクトレーニング。メインステージでも様々なイベントが行われる。こちらは平野由香里さんによるインドアバイクトレーニング。


2日目の土曜日からは屋外イベントが開催される。今年は開催3回目を迎える「弱虫ペダル STARLIGHT CROSS in CYCLE MODE」に加え、GREAT EARTHとのコラボライドイベント、そして幕張メッセ北側では「JBCF幕張新都心クリテリウム in サイクルモード」が行われ、今年は初めて公道を使った特設コースが舞台となる。

特に夜間にかけて行われるスターライトクロスはサイクルモードを見終わってから訪れるのにベスト。今年も弱虫ペダルとのコラボレーションが行われており、歓声に沸くコースを全日本王者の坂口聖香(パナソニックレディース)や、小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)ら全日本トップクラスのレーサーが駆け抜ける。2日目の日曜日には各メーカーが試乗車をずらりと並べ、コースでの試走を楽しめるアウトドアバイクデモが開催される。シクロクロスに挑戦してみたい方にとっては、各社のバイクを試すことのできる絶好の機会となるはずだ。

シクロワイアードでは、本日よりサイクルモードの各ブースで発見した新製品や気になるアイテムを、担当者に聞いた開発のエピソードなど共に大ボリュームで紹介する予定だ。ご期待下さい。

text:So.Isobe
photo:CW編集部