2016/10/27(木) - 12:00
10月25日(火)、川崎市にある秀光(しゅうこう)の工場で、ランプレ・メリダのファンミーティングが開催された。メディア向けのトークセッションと、新城幸也へのインタビューも合わせてレポート。
各チームのアフターパーティーがジャパンカップ終了直後から開催されてきたが、そのトリを務めたのはランプレ・メリダのファンミーティング。ランプレ・メリダが日本のレースに参戦する際のスポンサーを務める「株式会社秀光」が企画・開催したもので、同社は鋼板メーカーであるランプレ社の日本総代理店だ。
会場は、川崎駅から車で15分ほどの所にある秀光の塩浜工場。ファンミーティングに先立ち、メディア向けのトークセッションと工場見学が行われた。
自転車チームのスポンサーで知名度を上げたランプレ
「ヨーロッパの自転車レースと企業スポンサーのかかわり」と題したトークセッションでは、自転車チームのスポンサーになる上の効果が、司会のマルコ・ファヴァロ氏、ランプレ・メリダ広報のアンドレア・アッピアーニ氏、チャンピオンシステム・ジャパン代表の棈木亮二氏、秀光取締役の佐久間悠太氏から語られた。
イタリアのランプレ社は、カラーコーティングされた鋼板のメーカー。秀光はランプレ社製鋼板を使ってオフィス用家具を製造するメーカーであり、両社とも一般には馴染みが薄かったものの、自転車チームのスポンサーを行ってから名が知られるようになったと言う。スポンサーシップは今年で5年目になるそうだが、佐久間氏は「今後も自転車との良い関係を続けていきたい」と語った。
また、ランプレ・メリダの第3スポンサーであるチャンピオンシステムは、それまでアジア圏でしか知られていなかったが、ランプレ・メリダに供給するようになって欧米での認知度が高まったという。
トークセッションの後は、ランプレ・メリダのメンバーも揃って工場見学。鋼板を加工する機械の前では、意外にも選手達が一番真剣に見入っていた。特にジャパンカップで4位に入ったマヌエーレ・モーリ(イタリア)は、折り曲げ加工の様子に興味津々な様子。
バーベキューと抽選会で盛り上がったファンミーティング
さて、真面目なお話の後は、一般参加者を迎えてのファンミーティング。工場の一角にパーティースペースが設けられ、バーベキューが振る舞われた。参加者はお目当ての選手からサインをもらったり、一緒に写真を撮ったり。中には、これまで撮った写真をアルバムにしてプレゼントする方や、「日本の味」を持ち込んで選手に振る舞う方も。
パーティーの最中、おめでたいお知らせが2つあった。まずは、ジャパンカップ4位のマヌエーレ・モーリが、2年の契約更新をしたこと。そしてこの日10月25日が、マッティーア・カッタネオ(イタリア)の26歳の誕生日だったこと。参加者全員でハッピー・バースデーを歌って乾杯し、カッタネオの誕生日を祝った。
ハイライトはチームグッズなどがが当たる抽選会だ。賞品は、ルイ・コスタのポルトガルチャンピオンジャージや、フェン・チュンカイの台湾チャンピオンジャージなどレアなチームグッズや、新城幸也がツール・ド・フランスで使用したゼッケン、さらには選手とハグする権利まで(笑)。参加者に配られた抽選券は宝くじを模したもので、抽選も宝くじのように組と番号をひとつずつ引いていくという演出。選手が引き当てた数字が出るたび、参加者は一喜一憂して盛り上がった。
最後はランプレメンバーと全員で記念撮影して、楽しいひとときはお開きとなった。
新城幸也インタビュー:「来年1月からレースを走れるように備える」
ファンミーティング前に、限られた時間ながら新城幸也がインタビューに答えてくれた。ジャパンカップのこと、今年のこと、来年のことを語ってもらった。
—改めて、今年のジャパンカップはいかがでしたか?
結果としては失敗したレースでしたね。僕とモーリが最後まで温存させてもらうという作戦は狙い通りだったんですが、最後はキャノンデールのダヴィデ・ヴィッレッラに行かれてしまった。あのきついロンバルディアで5位に入るくらいだから、シーズン終盤でも相当調子が良かったってことだと思います。
—今年も多くの観客が集まりました。昨年と比べていかがでしたか?
もっと古賀志の登りに集まると思っていたのですが、それ以外のところで観客が増えたように感じました。特にコンビニのある交差点あたり(田野の交差点)からは多かったですね。
—昨年からコースが変わりましたが、以前と今とどちらが好みですか?
僕は今の方が好きですね。鶴カントリー前の登りが無くなっても周回数が増えるから、僕にとってはどちらでも良いのですが、鶴の登りが必要という選手もいますよね。
—今年は大怪我をしてそこから復活してと大変な一年でした
そうですね。大腿骨骨折の時は幸いにも良い手術を受けられて、その後の経過も良く、リカバリーがうまくいって良かったです。今も金属が入っているのですが、この状態でも走ることが出来るし、拒否反応も出ていないので、このまま行こうと思っています。仮にこれから金属を取りだそうとすると、入院したりリハビリしたりして1ヶ月とか2ヶ月とか必要になってしまう。そうすると2月のアジア選手権に間に合わなくなってしまうので。
—来年はバーレーン・メリダに移籍する事が決まっていますが、今後の予定について教えて下さい
実は今日(10月25日)から4日間、クロアチアで新チームの合宿があるんです。さいたまクリテリウムも控えているので参加は出来ないのですが、その後12月に再び合宿があるかもしれないと聞いています。11月にチームがワールドツアーのライセンスを取れるか否かが決まるので、詳細な予定が決まるのはその後になります。いずれにせよ、1月のツアー・ダウンアンダーから走れるように、12月はタイ合宿で走り込みをして備えます。
text&photo:Satoru.Kato
各チームのアフターパーティーがジャパンカップ終了直後から開催されてきたが、そのトリを務めたのはランプレ・メリダのファンミーティング。ランプレ・メリダが日本のレースに参戦する際のスポンサーを務める「株式会社秀光」が企画・開催したもので、同社は鋼板メーカーであるランプレ社の日本総代理店だ。
会場は、川崎駅から車で15分ほどの所にある秀光の塩浜工場。ファンミーティングに先立ち、メディア向けのトークセッションと工場見学が行われた。
自転車チームのスポンサーで知名度を上げたランプレ
「ヨーロッパの自転車レースと企業スポンサーのかかわり」と題したトークセッションでは、自転車チームのスポンサーになる上の効果が、司会のマルコ・ファヴァロ氏、ランプレ・メリダ広報のアンドレア・アッピアーニ氏、チャンピオンシステム・ジャパン代表の棈木亮二氏、秀光取締役の佐久間悠太氏から語られた。
イタリアのランプレ社は、カラーコーティングされた鋼板のメーカー。秀光はランプレ社製鋼板を使ってオフィス用家具を製造するメーカーであり、両社とも一般には馴染みが薄かったものの、自転車チームのスポンサーを行ってから名が知られるようになったと言う。スポンサーシップは今年で5年目になるそうだが、佐久間氏は「今後も自転車との良い関係を続けていきたい」と語った。
また、ランプレ・メリダの第3スポンサーであるチャンピオンシステムは、それまでアジア圏でしか知られていなかったが、ランプレ・メリダに供給するようになって欧米での認知度が高まったという。
トークセッションの後は、ランプレ・メリダのメンバーも揃って工場見学。鋼板を加工する機械の前では、意外にも選手達が一番真剣に見入っていた。特にジャパンカップで4位に入ったマヌエーレ・モーリ(イタリア)は、折り曲げ加工の様子に興味津々な様子。
バーベキューと抽選会で盛り上がったファンミーティング
さて、真面目なお話の後は、一般参加者を迎えてのファンミーティング。工場の一角にパーティースペースが設けられ、バーベキューが振る舞われた。参加者はお目当ての選手からサインをもらったり、一緒に写真を撮ったり。中には、これまで撮った写真をアルバムにしてプレゼントする方や、「日本の味」を持ち込んで選手に振る舞う方も。
パーティーの最中、おめでたいお知らせが2つあった。まずは、ジャパンカップ4位のマヌエーレ・モーリが、2年の契約更新をしたこと。そしてこの日10月25日が、マッティーア・カッタネオ(イタリア)の26歳の誕生日だったこと。参加者全員でハッピー・バースデーを歌って乾杯し、カッタネオの誕生日を祝った。
ハイライトはチームグッズなどがが当たる抽選会だ。賞品は、ルイ・コスタのポルトガルチャンピオンジャージや、フェン・チュンカイの台湾チャンピオンジャージなどレアなチームグッズや、新城幸也がツール・ド・フランスで使用したゼッケン、さらには選手とハグする権利まで(笑)。参加者に配られた抽選券は宝くじを模したもので、抽選も宝くじのように組と番号をひとつずつ引いていくという演出。選手が引き当てた数字が出るたび、参加者は一喜一憂して盛り上がった。
最後はランプレメンバーと全員で記念撮影して、楽しいひとときはお開きとなった。
新城幸也インタビュー:「来年1月からレースを走れるように備える」
ファンミーティング前に、限られた時間ながら新城幸也がインタビューに答えてくれた。ジャパンカップのこと、今年のこと、来年のことを語ってもらった。
—改めて、今年のジャパンカップはいかがでしたか?
結果としては失敗したレースでしたね。僕とモーリが最後まで温存させてもらうという作戦は狙い通りだったんですが、最後はキャノンデールのダヴィデ・ヴィッレッラに行かれてしまった。あのきついロンバルディアで5位に入るくらいだから、シーズン終盤でも相当調子が良かったってことだと思います。
—今年も多くの観客が集まりました。昨年と比べていかがでしたか?
もっと古賀志の登りに集まると思っていたのですが、それ以外のところで観客が増えたように感じました。特にコンビニのある交差点あたり(田野の交差点)からは多かったですね。
—昨年からコースが変わりましたが、以前と今とどちらが好みですか?
僕は今の方が好きですね。鶴カントリー前の登りが無くなっても周回数が増えるから、僕にとってはどちらでも良いのですが、鶴の登りが必要という選手もいますよね。
—今年は大怪我をしてそこから復活してと大変な一年でした
そうですね。大腿骨骨折の時は幸いにも良い手術を受けられて、その後の経過も良く、リカバリーがうまくいって良かったです。今も金属が入っているのですが、この状態でも走ることが出来るし、拒否反応も出ていないので、このまま行こうと思っています。仮にこれから金属を取りだそうとすると、入院したりリハビリしたりして1ヶ月とか2ヶ月とか必要になってしまう。そうすると2月のアジア選手権に間に合わなくなってしまうので。
—来年はバーレーン・メリダに移籍する事が決まっていますが、今後の予定について教えて下さい
実は今日(10月25日)から4日間、クロアチアで新チームの合宿があるんです。さいたまクリテリウムも控えているので参加は出来ないのですが、その後12月に再び合宿があるかもしれないと聞いています。11月にチームがワールドツアーのライセンスを取れるか否かが決まるので、詳細な予定が決まるのはその後になります。いずれにせよ、1月のツアー・ダウンアンダーから走れるように、12月はタイ合宿で走り込みをして備えます。
text&photo:Satoru.Kato
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