逃げを残り400mで飲み込み、アブダビの市街地で繰り広げられたスプリント勝負。エリア・ヴィヴィアーニをパスしたマーク・カヴェンディッシュが先着し、総合リーダーに浮上した。



シェイク・ザイード・グランド・モスクなど、アブダビの観光名所をめぐるショートステージシェイク・ザイード・グランド・モスクなど、アブダビの観光名所をめぐるショートステージ (c)Bettini
タワーの上に登って記念撮影に収まるジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)タワーの上に登って記念撮影に収まるジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)www.abudhabitour.comセルフィーに応じるグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)セルフィーに応じるグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) (c)www.abudhabitour.com




取材お断りなフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)とフレンドリーなジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)取材お断りなフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)とフレンドリーなジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)BettiniUAEのお偉方の肖像画付き橋を渡るUAEのお偉方の肖像画付き橋を渡る (c)www.abudhabitour.comエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が並びかけるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が並びかける (c)www.abudhabitour.comマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が第2ステージを制すマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が第2ステージを制す (c)www.abudhabitour.comリーダージャージを手に入れたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) リーダージャージを手に入れたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)  (c)www.abudhabitour.com高級リゾートホテルが立ち並ぶアブダビ沿岸部のダウンタウンを大きく1周する115kmコースは、清々しいまでにド平坦。贅を尽くした絢爛豪華なモスク「シェイク・ザイード・グランド・モスク」、世界初のフェラーリブランドのテーマパークを擁するヤスモールなど、観光名所を繋いで回るサーキットだ。

前日に続きこの日も序盤からオリカ・バイクエクスチェンジとワンプロサイクリングが積極的に動き、それぞれイエンス・ケウケレール(ベルギー)とディオン・スミス(ニュージーランド)を2日連続の逃げに送り込むことに成功する。エルゲルト・ズパ(アルバニア、ウィリエール・サウスイースト)やヤン・ポランク(スロベニア、ランプレ・メリダ)らも合流し、計6名がスプリンターチーム率いる集団から逃げた。

トレック・セガフレード率いる集団がエスケープに与えたリードは最大でも3分以下。その中で中間スプリント争いが勃発し、57.8km地点の第1地点では昨日の焼き直しかのような展開でケウケレールがスミスを抑えて先着。続く第2スプリントポイントも膠着状態のままケウケレールが先頭通過し、ボーナスタイムによってケウケレールはこの日終了時点での総合成績を3位に上げている。

6名が逃げた状態のまま終盤を迎えたが、メイン集団には積極的に牽くチームが現れない。残り15kmでもタイム差は1分。逃げ切りのチャンスを感じた6名はギアを入れ替えて一気に30秒ほどのリードを得てみせる。

これを受けて静観に徹していたメイン集団もアシストを駆使してスピードを上げ、6対115の追走劇が幕を開けた。一人を失っても先頭グループの協調は崩れず、残り5kmに差しかかっても逃げ切りへの青信号は灯ったまま。

しかし最終的にスプリント要員を削りながら追い上げる集団に天秤が傾き、残りわずか400mで5名は吸収。続けざまにアンドリュー・フェン(イギリス、チームスカイ)に発射されたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)がスプリント合戦の火蓋を切って落とした。

ハイスピードを維持したヴィヴィアーニだったが、番手から加速したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が並びかける。アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)やヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)の追い上げを抑え、ヴィヴィアーニをパスしたカヴがガッツポーズ。7月のツール・ド・フランス第14ステージに続く3か月ぶり、今季9回目の勝利を飾った。

「惜しくも2位になった昨日の借りを返せてよかった。タッチの差で逃げを捕まえることができたが、集団前方でチームがハードワークをこなしてくれたおかげ。レンショーが良い位置からリードアウトをしてくれたが、ディメンションデータは最終盤に人数を欠いてしまったのが失敗。彼がスカイトレインの後ろに僕を運んでくれて、後はヴィヴィアーニの番手に付けるだけだった」と語るカヴェンディッシュはボーナスタイムを加算し、ステージ6位に沈んだジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)を逆転して総合リーダーに浮上している。



アブダビツアー2016第2ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)     2h32’21”
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
3位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
4位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)
5位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
6位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
7位 クリストファー・ラーサム(イギリス、チームウィギンズ)
8位 ミカエル・コラー(スロベニア、ティンコフ)
9位 スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ワンプロサイクリング)
10位 マグナスコート・ニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)

個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
3位 イエンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・バイクエクスチェンジ)
4位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
5位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
6位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
7位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンプロサイクリング)
8位 クリストファー・ラーサム(イギリス、チームウィギンズ)
9位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
10位 ミカエル・コラー(スロベニア、ティンコフ)
5h48’06”
+04”
+05”
+08”

+10”

+14”




ポイント賞
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)

ヤングライダー賞
1位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンプロサイクリング)

チーム総合成績
1位 ティンコフ

text:So.Isobe
photo:CorVos