1995年創業のカナディアンバイクブランド、サーヴェロ。エアロロード「S」シリーズのセカンドグレード「S3」にディスクブレーキ仕様が登場した。ブレーキ変更と共に設計を見直すことで、リムブレーキ仕様に対して9%の剛性向上、2ワットのパワーセーブ、40gの軽量化を実現している。



サーヴェロ S3 DISC(シマノULTEGRA Di2仕様、WHT/BLK/LIME)サーヴェロ S3 DISC(シマノULTEGRA Di2仕様、WHT/BLK/LIME)
サーヴェロ S3 DISC(シマノULTEGRA Di2仕様、WHT/BLK/LIME)サーヴェロ S3 DISC(シマノULTEGRA Di2仕様、WHT/BLK/LIME) サーヴェロ S3 DISC(シマノULTEGRA仕様、RED/NAVY)サーヴェロ S3 DISC(シマノULTEGRA仕様、RED/NAVY) (c)東商会


今回ディスクブレーキ仕様が登場した「S3」は、サーヴェロの名声を築き上げた名車とも言うべきエアロロード。トル・フースホフト(ノルウェー)の2010年世界選手権優勝をはじめ、多くのビッグレースで勝利に貢献してきた1台だ。

現在はハイエンドの座を「S5」に譲ったものの、スイス籍の女子UCIチームであるチームビグラがメインバイクとして「S3」を採用。ディメンションデータでは多くのライダーが「S5」を駆る中で、タイラー・ファラー(アメリカ)は好んで「S3」をチョイスしている。

快適性を高めた新型エアロシートポスト快適性を高めた新型エアロシートポスト R3 DISCを参考に再設計されたリア三角R3 DISCを参考に再設計されたリア三角 空力性能の向上に大きく貢献したフロントフォーク空力性能の向上に大きく貢献したフロントフォーク


そんな「S3」のディスクブレーキ仕様に与えられたキャッチコピーは「A WORKHORSE UNLEASHED(解き放たれた馬車馬)」。ただ単にブレーキを変更しただけではなく、各部の設計を見直すことで、重量増や前方投影面積の増大といったディスクブレーキ化に伴う性能面のデメリットをゼロにするどころか、それらを高めることに成功したのである。

「S3」の根幹を担うエアロ性能は、各部の翼断面チューブや、ボトルを取り付けた状態で空力性能を最大化するダウンチューブ形状など、基本設計をリムブレーキ仕様から踏襲。同時にフォークの設計変更によって更なる改善を図っている。

ヘッドチューブにはブランドのフィロソフィーである「SIMPLEY FASTER」のレターが記されるヘッドチューブにはブランドのフィロソフィーである「SIMPLEY FASTER」のレターが記される フォーククラウン周りを再設計し、股の位置を高くすることで、空力性能を高めたフォーククラウン周りを再設計し、股の位置を高くすることで、空力性能を高めた

ボトルを取り付けた状態で最も空気抵抗が低くなるよう、ダウンチューブ上面を平滑としたボトルを取り付けた状態で最も空気抵抗が低くなるよう、ダウンチューブ上面を平滑とした 翼断面形状のダウンチューブ翼断面形状のダウンチューブ

もちろんボトムブラケットには、サーヴェロ独自のBBrightを採用するもちろんボトムブラケットには、サーヴェロ独自のBBrightを採用する フラットマウントと12mmスルーアクスルの最新規格に対応。ローター径は160mmを標準としたフラットマウントと12mmスルーアクスルの最新規格に対応。ローター径は160mmを標準とした


強度や寸法との兼ね合いから、リムブレーキ仕様では設計の自由度が低くボトルネックとなっていたクラウン周りを再設計し、股の位置を高くすることで空気抵抗の原因となっていたフォーク後方の低圧域を軽減。ディスクブレーキ周りの気流を整えるためにブレード間の幅を拡げたことや、フロントホイールとの相互作用とあわせて、リムブレーキ仕様に対して2%のパワーセーブを実現した。

ディスクブレーキの制動力に対応するべく「S3 DISC」は剛性も強化されている。リア三角はオールラウンドモデルの「R3 DISC」を参考に再設計することでディスクブレーキに最適化し、コントロール性を向上。12mmスルーアクスル(前後とも)の採用は、フレームとホイールの一体感向上や、ブレーキのアライメント保持に貢献している。

スラムRED eTap仕様とシマノULTEGRA Di2仕様には、エンヴィSESホイールがアッセンブルされるスラムRED eTap仕様とシマノULTEGRA Di2仕様には、エンヴィSESホイールがアッセンブルされる サーヴェロ製エアロハンドルがアッセンブルされた完成車も(スラムRED eTap仕様とシマノULTEGRA Di2仕様)サーヴェロ製エアロハンドルがアッセンブルされた完成車も(スラムRED eTap仕様とシマノULTEGRA Di2仕様)


そして、ペダリング剛性を担うボトムブラケットには、サーヴェロ独自のBBright規格を採用し、フレーム全体の剛性を9%向上することに成功。同時に無駄を徹底的に削ぎ落とすことで、ディスクブレーキ化=重量増という定説を覆し、40gの軽量化を実現した。また快適性にも配慮しており、フロントフォークはベンドを強め、専用エアロポストはヤグラ付近の断面積を小さくすることで振動吸収を促している。

ケーブルは全て内装で、フレームへの挿入口はヘッドチューブ左側に集約し、組立時の美観性を高めた。シマノDi2のケーブルは、シートポストではなく、BB下から挿入しダウンチューブの中に配置することで重心を下げ、より軽快なダンシングが可能に。ブレーキキャリパー取付部は前後共にフラットマウントで、ローター径は160mmを標準としている。

ディスクブレーキを手に入れ、全方位に進化したS3ディスクブレーキを手に入れ、全方位に進化したS3 (c)東商会
「S3 DISC」には、スラムRED eTap仕様、シマノULTEGRA Di2仕様、シマノULTEGRA仕様、フレームセットという4種類の販売パッケージが用意される。上位グレードの完成車は、エンヴィのホイールやサーヴェロ製オリジナルハンドルなど、即レース仕様なアッセンブルとなっている。サイズは48、51、54、56、58、61の6種類、カラーはWHT/BLK/LIMEとRED/NAVYの2種類から選択可能。取り扱いは東商会が行う。



サーヴェロ S3 DISC(完成車/フレームセット)
フォーク:Cervélo All-Carbon, Tapered S3 Fork for Disc
ヘッドセット:FSA IS2 1-1/8 x 1-3/8”
メインコンポーネント:スラムRED eTAP、シマノULTEGRA Di2、シマノULTEGRA
クランク:スラムRED(RED eTAP仕様)、FSA SL-K(ULTEGRA Di2仕様、ULTEGRA仕様)
ギアレシオ:フロント52x36T/リア11-28T
ブレーキ/ローター:スラムRED HRD/スラム CenterLine X 160mm(RED eTAP仕様)
          シマノBR-RS805/シマノRT81(ULTEGRA Di2仕様、ULTEGRA仕様)
ローター径:160mm(前後共に)
ホイール:エンヴィSES5.6(RED eTAP仕様)、エンヴィSES3.4(ULTEGRA Di2仕様)、HED Ardennes Plus GP(ULTEGRA仕様)
タイヤ:コンチネンタル Grand Sport Race 700x23c
ハンドル:Cervélo Aero AB04(RED eTAP仕様、ULTEGRA Di2仕様)、FSA Energy Compact(ULTEGRA仕様)
ステム:FSA SL-K
シートポスト:Cervélo Aero SP17
サイズ:48、51、54、56、58、61
カラー:WHT/BLK/LIME、RED/NAVY
価 格:スラム RED eTap 完成車 1,200,000円(税抜)
    シマノ ULTEGRA Di2 完成車 1,000,000円(税抜)
    シマノ ULTEGRA 完成車 600,000円(税抜)
    フレームセット 340,000円(税抜)

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