シクロクロスの全日本王者である坂口聖香(パナソニックレディース)と、全日本ロードで4位に入った牧瀬翼(ASAHI MUUR ZERO)が共にオランダ籍の女子UCIチームへと移籍する。チームへの橋渡しを行った武井亨介氏が発表した。



坂口聖香(パナソニックレディース)と牧瀬翼(ASAHI MUUR ZERO)坂口聖香(パナソニックレディース)と牧瀬翼(ASAHI MUUR ZERO) シクロクロス全日本王者の坂口聖香(パナソニックレディース)。隣は父・雅彦さんシクロクロス全日本王者の坂口聖香(パナソニックレディース)。隣は父・雅彦さん photo:Hideaki TAKAGI2016年の全日本選手権ロードレースで4位に入った牧瀬翼(ASAHI MUUR ZERO)2016年の全日本選手権ロードレースで4位に入った牧瀬翼(ASAHI MUUR ZERO) photo:Hideaki TAKAGIこれまで国内を拠点に、主にナショナルチームのメンバーとしてアジアやヨーロッパのレースに参戦してきた坂口と牧瀬。移籍先はオランダ籍の女子UCIチームである「マースランドスター・ニッチリビングCCNサイクリングチーム」で、メインスポンサーはオーストラリアの不動産開発会社であるニッチリビング社が務める。これまではクラブチームの域を出なかったが、2017年からはUCIチームとして活動予定であり、現在オーストラリア人選手の加入などで戦力強化を行っている状態だ。

日本から加入する2人はこれからプロツアーサーキットに挑むこととなり、これでヨーロッパを舞台に活躍する日本人女子選手は與那嶺恵理(POITOU-CHARENTES.FUTUROSCOPE.86)、萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)、坂口、牧瀬と4名となった。

シクロクロス全日本王者である坂口は現在20歳。全日本女子ジュニアロードと個人TTでダブルタイトルを獲得した実績を持ち、特にここ最近でめきめきと力をつけてきた印象だ。牧瀬はASAHI MUUR ZEROに所属している31歳で、陸上競技というバックボーンを持つ。6月の全日本選手権ではロードレースで4位、個人TTで6位に入るなど結果を付けてきた。

今回の移籍では與那嶺のパーソナルコーチを務める武井亨介氏が橋渡しを行っており、「この度、日本のトップ選手である坂口さん、牧瀬さんのヨーロッパ挑戦への契約をまとめる事ができ、サポートできることをとても嬉しく感じます。今まで、日本の女子エリートの歴史、経験値は一切が断絶され続けてきました。その結果、現在ヨーロッパ、北米へのチャンネルは固く閉ざされた状態です。しかし、與那嶺さんの笑顔のレース活動、結果により、徐々に幅が広がり、ヨーロッパ、北米での評価も高まり、私自身もコネクションをフル動員し、このような大きな契約に至る事ができました。坂口さん、牧瀬さんにとっては、ともて大きな挑戦です。ワールドツアー含め、チーム内のレギュラー枠確保に向けて、僕も最大限のサポートをします」とコメントしている。以下はヨーロッパの舞台に挑戦する2人のコメント。

坂口聖香(パナソニックレディース)のコメント

この度、武井エージェントとのご縁が実り、CCNサイクリングチームに参加することができてとても嬉しく思います。 ヨーロッパは日本と文化が大きく異なります。今まで私は、大きな組織・チームに所属することなく、厳しい状況でも父親と共に歩み、レースを行なってきました。自分自身の考えで、トレーニングからレース活動まで全てのことを父親とともにやってきました。それでもやり続けるのはとてもたいへんでした。日本における自転車競技の様々な環境は、決して良くありません。それでも、私たちは諦めずに競技活動を継続してきました。そして今、このような大きなチャンスを掴むことが出来、とても嬉しいです。私にとって、とてもいいシーズンになりそうです。そして、自分のベストを尽くしいい仕事をしたいと思います。

牧瀬翼(ASAHI MUUR ZERO)のコメント

いつも応援頂きありがとうございます。今年も全日本選手権を通じ、私は成長する事ができました。今回、ご縁があり武井さんからチャンスをいただく事ができました。ヨーロッパサーキットへ挑戦いたします。いつも、想像妄想をしていた世界にチャレンジできることにソワソワそして、ワクワクしております。まずは来年1月のオーストラリアからシーズンがスタートです。精一杯、やり抜いてきます。今後とも、応援頂けましたら嬉しいです。よろしくお願いします!

text:So.Isobe