アンバー・ネーベン(アメリカ)が8年ぶりの金メダル獲得。41歳のベテランが接戦を制した。與那嶺恵理も出場したエリート女子タイムトライアルの模様をお届けします。



アルカンシェルを着てアメリカ国歌を聞くアンバー・ネーベン(アメリカ)アルカンシェルを着てアメリカ国歌を聞くアンバー・ネーベン(アメリカ) photo:Kei Tsuji


36分37秒のトップタイムで優勝したアンバー・ネーベン(アメリカ)36分37秒のトップタイムで優勝したアンバー・ネーベン(アメリカ) photo:Kei Tsuji午後にかけて気温は幾分下がったものの、依然として汗が吹き出る暑さに見舞われたカタール・ドーハの人工島「ザ・パール」。28.9kmコースの前半から積極的に飛ばしたネーベンが中間計測でトップタイムを連発し、直前にアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)がマークしたトップタイムを25秒更新する36分37秒でフィニッシュした。

2位:5秒差 エレン・ファンダイク(オランダ)2位:5秒差 エレン・ファンダイク(オランダ) photo:Kei Tsujiアンバーに肉薄するペースで走ったのは、11秒差でリオ五輪タイムトライアルのメダル獲得を逃したオランダのエレン・ファンダイクだった。チームタイムトライアルでボエルスドルマンスの金メダル獲得に貢献した大柄なTTスペシャリストが第2計測(13.7km地点)でネーベンのタイムを4秒更新。しかし2周目にかけてペースを落としてしまい、フィニッシュの時点でネーベンから5.99秒遅れの2位に。

3位:8秒差 カトリン・ガーフット(オーストラリア)3位:8秒差 カトリン・ガーフット(オーストラリア) photo:Kei Tsuji「U23のレースをチームカーから観察して、残り6kmに差し掛かってから苦しむ選手が続出するのを確認していた。だから前半はペースを抑え、後半に追い込む走りに徹した」というカトリン・ガーフット(オーストラリア)も好走したがネーベンには8秒届かず。リオ五輪ロードレース金メダリスト(TT銅メダル)の最終走者アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)がフィニッシュしたところで、41歳のネーベンの優勝が決まった。

36分37秒のトップタイムで優勝したアンバー・ネーベン(アメリカ)36分37秒のトップタイムで優勝したアンバー・ネーベン(アメリカ) photo:Kei Tsuji「レースよりもホットシートで待つことに疲れた。映像を見ていられなかった」と、後続の選手たちのフィニッシュを待ち続けたネーベンは語る。その勝利の秘訣は「スタートからフィニッシュまで淡々と走り続けたこと」だと語る。「自分はずば抜けたスピードがない代わりに、崩れず安定した走りが得意」

21位:3分01秒差 與那嶺恵理(POITOU-CHARENTES.FUTUROSCOPE.86)21位:3分01秒差 與那嶺恵理(POITOU-CHARENTES.FUTUROSCOPE.86) photo:Kei Tsujiイタリアのヴァレーゼで開催された2008年大会に続く2度目のアルカンシェル獲得を果たしたネーベン。41歳のエリート女子TT優勝は2001年の42歳ジャニー・ロンゴに次ぐ記録。なお、リオ五輪TTで金メダルを獲得したクリスティン・アームストロング(アメリカ)は43歳。

2位エレン・ファンダイク(オランダ)、1位アンバー・ネーベン(アメリカ)、3位カトリン・ガーフット(オーストラリア)2位エレン・ファンダイク(オランダ)、1位アンバー・ネーベン(アメリカ)、3位カトリン・ガーフット(オーストラリア) photo:Kei Tsuji5秒差の銀メダルに甘んじたファンダイクは「もちろん結果には喜べない。でも満足感はある。自分の力がそのままタイムに反映され、最も強い選手が勝つタイムトライアル。今日はアンバーが最も強かった」とコメントしている。終わってみればメダル獲得者3名のタイム差が10秒以内という接戦だった。

2位エレン・ファンダイク(オランダ)、1位アンバー・ネーベン(アメリカ)、3位カトリン・ガーフット(オーストラリア)2位エレン・ファンダイク(オランダ)、1位アンバー・ネーベン(アメリカ)、3位カトリン・ガーフット(オーストラリア) photo:Kei Tsujiタイムトライアルで2014年に14位、2015年に18位の成績を残している全日本チャンピオン與那嶺は第1計測(7.4km地点)で11位のタイムを残したが、第2計測(13.7km地点)で15位、第3計測(22.6km地点)で20位と徐々にポジションを落としてしまう。

最終的にネーベンから3分01秒遅れの21位でフィニッシュした與那嶺。以下はレースを終えた與那嶺のコメントだ。

「今回はTTのトレーニングもコーチと納得いくものができ、直前の調整もしっかりさせて頂くことができ、最高の準備で臨むことができました。武井コーチ、現地でサポートして下さっているナショナルチームの皆様にこの場を借りて感謝いたします。だからこそ、そして今年の集大成として自分の挑戦の結果を出したかったです。

コンディションはとても良かったんですが、ただ、身体が動かなかった。1周目に出ていたパワーが2周目に入って全然出ない。暑さの影響もあるだろうけど、それにしても力が出ない。この距離のTTに慣れていないわけではないので、ペース配分を間違えたわけではない。私の後にスタートした選手にも抜かれ、走り終えてタイムを見て、今まで走ったレースの中で最悪のレースだと感じました。ホテルに戻ってウェアを脱ぐと、生理が来てしまっていました。あ、この力の出なさ具合はその影響だったのか・・・と。

今年走ったたくさんのレースの中で、最低のパフォーマンスを世界選手権で出してしまった私のプロフェッショナルとしての能力の低さに自分自身とても残念でした。悪くても良くても、結果を出し続けなければいけない。そう思っています。3日後のロードレースに向けて立て直し、ワクワクさせる走りができるようにまた調整し直します!!」



36分37秒のトップタイムで優勝したアンバー・ネーベン(アメリカ)36分37秒のトップタイムで優勝したアンバー・ネーベン(アメリカ) photo:Kei Tsuji2位:5秒差 エレン・ファンダイク(オランダ)2位:5秒差 エレン・ファンダイク(オランダ) photo:Kei Tsuji21位:3分01秒差 與那嶺恵理(POITOU-CHARENTES.FUTUROSCOPE.86)21位:3分01秒差 與那嶺恵理(POITOU-CHARENTES.FUTUROSCOPE.86) photo:Kei Tsuji


ロード世界選手権2016エリート女子個人タイムトライアル結果
1位 アンバー・ネーベン(アメリカ)             36’37”(Ave 47.355km/h)
2位 エレン・ファンダイク(オランダ)             +05”
3位 カトリン・ガーフット(オーストラリア)          +08”
4位 オルガ・ザベリンスカヤ(ロシア)             +11”
5位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ)         +25”
6位 リサ・ブレナウアー(ドイツ)               +57”
7位 トリキシ・ヴォラック(ドイツ)             +1’11”
8位 アンソフィー・ダイク(ベルギー)            +1’27”
9位 カタジナ・パウロウスカ(ポーランド)          +1’36”
10位 アレーナ・アミアリウシク(ベラルーシ)        +1’41”
21位 與那嶺恵理(POITOU-CHARENTES.FUTUROSCOPE.86)+3’01”

text&photo:Kei Tsuji in Doha, Qatar
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