開幕迫るドーハ世界選手権　暑さと風がレースを左右する平坦コース

10月9日から16日までの7日間にわたって、中東カタールのドーハでUCIロード世界選手権が開催される。人工島「ザ・パール」を舞台に行われる世界一決定戦のコースを開幕前にチェックしておこう。

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「ザ・パール」の周回コースに入る photo:Tim de Waele

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「ザ・パール」の周回コース image: www.dohacycling2016.com大会のメイン会場として使用されるのはドーハの北10kmに位置する人工島「ザ・パール」だ。5つ星ホテル＆高級住宅地（その大半は未だ建設中）がひしめくリゾートアイランドに作られた1周15.2kmの周回コースを主に使用する。

エリート男子 ロードレース image: www.dohacycling2016.comルサイルスポーツコンプレックスをスタートするUCI男女チームTTとエリート男子個人TT、カタールファンデーションをスタートするエリート女子ロード、そしてアスパイアゾーンをスタートするエリート男子ロードを除いて、スタートからフィニッシュまで「ザ・パール」内に集約されている。フィニッシュラインはすべてのカテゴリー共通だ。

強風が吹けば早い段階で集団が分裂する可能性も photo:Tim de Waele主催者がコースの起伏を表すコースプロフィールを用意していないほど、ドーハ湾に作られた人工島には起伏が存在しない。真っ平らな15.2kmコースの大半は道幅のある幹線道路で、絶えず緩やかにカーブしており、数百メートル毎にラウンドアバウトがやってくるのが特徴だ。

残り150m地点からフィニッシュラインまでは僅かに登っているが、勝負に関係するような上りや下りは登場しない。レンガのような石畳が敷かれたセクションもあるが、新しく作られた人工島だけに概ね路面状況は良好であり、走行抵抗は軽い印象。

獲得標高差が例年とは比べものにならないほど少ない16年のカタール大会。しかし平坦であることが簡単なコースを意味するわけではない。カタール特有の暑さと風がレースに大きな影響を及ぼすだろう。気温は連日35度を超え、雲ひとつない青空から直射日光が降り注ぐ。気温が40度に達するような厳しい暑さに見舞われた場合はUCIの「エクストリームウェザープロトコル（悪天候時実施要綱）」によりコース短縮も考えられる。

強風が吹けばレースは序盤から厳しい展開に持ち込まれるだろう。エリート男子ロードレースはカタール半島東部の砂漠地帯を一旦北上してから「ザ・パール」まで南下。幹線道路を走るこの前半が強風に晒されれば、エシュロンが形成されて集団は分裂するはず。周回コースも海風の影響を大きく受けるため、スタートからフィニッシュまで風との戦いになる可能性もある。

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ラウンドアバウトが連続して登場する周回コース photo:Tim de Waeleリゾートホテルが立ち並ぶ「ザ・パール」の周回コース photo:Tim de Waele

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ロード世界選手権2016スケジュール（日本は+6時間）
10月09日（日）14:10〜　UCI女子チームタイムトライアル　40km
　　　　　　　 15:20〜　UCI男子チームタイムトライアル　40km
10月10日（月）09:30〜　ジュニア女子タイムトライアル　13.7km（細谷、下山）
　　　　　　　 11:30〜　U23男子タイムトライアル　28.9km
10月11日（火）09:00〜　ジュニア男子タイムトライアル　28.9km（沢田、渡邉）
　　　　　　　 13:15〜　エリート女子タイムトライアル　28.9km（與那嶺）
10月12日（水）13:45〜　エリート男子タイムトライアル　40km
10月13日（木）12:00〜　U23男子ロードレース　165.7km
10月14日（金）13:30〜　ジュニア女子ロードレース　74.5km（細谷、下山）
　　　　　　　 13:15〜　ジュニア男子ロードレース　135.5km（沢田、渡邉、蠣崎、重満）
10月15日（土）12:45〜　エリート女子ロードレース　134.1km（與那嶺、吉川、梶原）
10月16日（日）10:30〜　エリート男子ロードレース　257.3km（別府、新城）

text:Kei Tsuji in Doha, Qatar