トリノ近郊で行われた100回記念のジロ・デル・ピエモンテ。ロンバルディアと世界選手権の前哨戦となるこのレースで、伊チームのエースを担うジャコモ・ニッツォロが勝利。大一番に向けての弾みを付けた。



第100回ジロ・デル・ピエモンテを制したジャコモ・ニッツォロ(イタリア、イタリアナショナルチーム)第100回ジロ・デル・ピエモンテを制したジャコモ・ニッツォロ(イタリア、イタリアナショナルチーム) (c)Bettini


フェルナンド・ガビリア(コロンビア、エティックス・クイックステップ)を抑えてゴールに向かうジャコモ・ニッツォロ(イタリア、イタリアナショナルチーム)フェルナンド・ガビリア(コロンビア、エティックス・クイックステップ)を抑えてゴールに向かうジャコモ・ニッツォロ(イタリア、イタリアナショナルチーム) (c)Bettiniジャコモ・ニッツォロとファビオ・フェリーネが勝利を喜ぶ(イタリア、イタリアナショナルチーム)ジャコモ・ニッツォロとファビオ・フェリーネが勝利を喜ぶ(イタリア、イタリアナショナルチーム) (c)Bettiniジャコモ・ニッツォロ(イタリア、イタリアナショナルチーム)が表彰台の中央に上がるジャコモ・ニッツォロ(イタリア、イタリアナショナルチーム)が表彰台の中央に上がる (c)Bettiniジロ・デ・ロンバルディア(UCIワールドツアー)を前にしたイタリアでは、伝統的なワンデーレースが数多く開催中。中でも9月29日に開催されたジロ・デル・ピエモンテ(UCI1.HC)は今年で記念すべき100回大会を迎えた歴史深いワンデーレースであり、そのステータスは高い。

コースは北イタリア、ピエモンテ州はトリノ周辺に設定された207kmで、最後はアリエの市街地を駆け上がる緩い登り勾配を経て決着するレイアウト。スタート直後にフェルナンド・ガビリア(コロンビア、エティックス・クイックステップ)らが巻き込まれる落車が起きる中、1時間の平均速度が49km/hにものぼるハイペースでレースは動き出す。

およそ40名という大人数が先行したが、逃げ切りの危険性をはらむメンバーだったためNIPPOヴィーニファンティーニの山本元喜らが追走。ハイペースの追走劇の末に引き戻され、次いでステファン・ロゼット(フランス、コフィディス)が単独アタック。集団はようやくペースを落とし、ロゼットは6分のマージンを得て終盤まで逃げ続けることになる。

エティックス・クイックステップが主導するメイン集団はラスト3kmでロゼットの一人旅に終止符を打つと、ここから激しいアタックの応酬に。コーナーが連続するトリッキーなコースを経て勝負は集団スプリントに持ち込まれ、残り200mからイタリアナショナルチームとして出場したジャコモ・ニッツォロが加速。石畳の最終コーナーを立ち上がりながら、追いすがるガビリアやダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ)を抑えイタリアチャンピオンのガッツポーズが決まった。

「今朝は病みかけに思うくらい体調が悪かったけれど、レース中にはコンディションが上がってきた。特に登りは楽にこなせたよ」と語るニッツォロ。エリア・ヴィヴィアーニ(チームスカイ)と共に世界選イタリアチームのエースを担う27歳が大きく弾みをつけた。

また追走に力を使った山本は途中でレースを降りDNF。「レースの間ずっとローテーションに入っていたような感覚だった。コーナーの立ち上がりで大殿筋にミシミシ来るくらい踏んでいたので相当踏んだと思う。補給所通過後に前に追いついたようだったので頑張ってローテーションに加わった意味があったと思う。しっかり休んで2日後のロンバルディアに備えたい」と語っている。

山本のコメントは自身のブログより抜粋。



ジロ・デル・ピエモンテ2016
1位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、イタリアナショナルチーム)         4h25’21"
2位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ)
4位 ファンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
5位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
7位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
8位 ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)
9位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)
10位 アルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
DNF 山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)

text:So.Isobe

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