2016/09/23(金) - 11:40
石畳を含む今大会最長202kmコースで行われたエネコ・ツアー第4ステージはアタックに次ぐアタックの末に集団スプリントに持ち込まれ、前日の優勝者ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が写真判定の接戦を制した。
ベルギー・フランドル地方のアールテルからサンピエール・ルウまでの202kmで行われた第4ステージ。終盤にかけてブラバンツペイルでも使用される道を含んだ32km周回コースを2周。サンピエール・ルウの周回には石畳区間が2カ所、長さ1km前後の登りが3カ所設定されている。
前日に逃げ、この日が誕生日の新城幸也(ランプレ・メリダ)にはスタート前に主催者側からバースデープレゼントが渡されるサプライズも。スタートが切られると地元ベルギーとオランダのUCIプロコンチネンタルチームが積極的にアタック。マーク・マクナリー(イギリス、ワンティ・グループグベルト)ら4名が逃げを形成したものの、タイム差は4分を上限に縮小傾向に。
序盤から逃げていた4名はサンピエール・ルウの周回コース突入にメイン集団に捉えられる。するとそこからは石畳と登りを利用したアタックの応酬がスタート。トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)らがアタックを仕掛けたがメイン集団から決定的なリードは奪えない。
混沌としたアタック合戦から登りで抜け出したネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)やニコ・デンス(ドイツ、AG2Rラモンディアール)らも捉えられ、リーダージャージのローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)のアタックも決まらない。するとアンドレー・グリブコ(ウクライナ)とデミトリ・グルージェフ(カザフスタン)のアスタナコンビが揃ってアタック。30秒のリードを築いたグリブコとグルージェフが先行した状態で最終周回に入った。
後方からはトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)やドゥムランといった強力なルーラーがカウンターアタックを仕掛けたものの先頭のアスタナコンビには届かない。代わってヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレック・セガフレード)が単独で先頭へのブリッジに成功させたが、残り10kmの時点でタイム差はわずか10秒。
結局グリブコとグルージェフ、ストゥイフェンはロット・ソウダルやディメンションデータ率いるメイン集団に残り2km地点で吸収され、100名を超える大集団によるスプリントバトルが始まった。
残り1.5km地点で発生した落車で新城が足止めを食らう中、先頭ではFDJトレインが隊列を組んでスプリントへ。ロングスプリントに持ち込んだアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が先頭で加速を続けたが、アルノー・デマール(フランス、FDJ)との肘打ちポジション争いで前に出たサガンが追撃し、抜き去る。
さらにその後ろから追い上げたグライペルがクリストフをパスし、サガンと並んでハンドルを投げる。フィニッシュライン通過スピードはグライペルが上だったが、写真判定の結果、タイミングの良いハンドル投げでサガンの先着が決まった。
「アンドレとの接戦だったので、勝ったのか負けたのか写真判定の結果が出るまで分からなかった。向かい風のスプリントでタイミングよく抜け出して手にした勝利なので嬉しい。デマールとポジションを競り合いながらのナーバスな展開だったけど、それがスプリントだ」と、ステージ2連勝を飾ったサガンは語る。
サガンは今シーズン13勝目。「今シーズンの1位の数(13回)が2位の数(12回)を上回った」とTwitterに書き込んだサガンはボーナスタイム10秒によってデニスを抜いて総合首位に。「ボーナスタイムを得てライバルたちからリードを奪い、総合首位に立ったことも好材料。明日はチーム一丸となってチームタイムトライアルを走りたい」とコメントしている。
落車の影響で遅れてフィニッシュした新城は「今日は昨日の疲れがあるから、逃げにいかず集団待機。しかし、集団のペースもそんなにゆっくりではなく、 石畳もありさらに昨日より起伏もあってきついレースになった。これまでのレースで通った所を使っていたので、ある程度の土地勘があり、要所では前に上がる事ができたので細いや石畳でも最後まであまり足を使わずに走れていたが、ゴール手前残り1kmの落車に巻き込まれストップした」とコメントする。「怪我はないし、昨日追い込んだおかげで調子は上々!後3日、この調子なら結果残せる気がするので頑張りたい」と意気込んだ。
選手コメントは各チーム公式サイトならびにTeamユキヤ通信より。
エネコ・ツアー2016第4ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 4h42’12”
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
3位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
4位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
5位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
6位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
7位 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
8位 アモリー・カピオ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
9位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
10位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
個人総合成績
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 13h17’29”
2位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) +07”
3位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +12”
4位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +20”
5位 ヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター) +21”
6位 マルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)
7位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +22”
8位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
9位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ) +23”
10位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
スプリント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 94pts
3位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 66pts
2位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 49pts
チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ 39h53’24”
2位 BMCレーシング
3位 モビスター +16”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ベルギー・フランドル地方のアールテルからサンピエール・ルウまでの202kmで行われた第4ステージ。終盤にかけてブラバンツペイルでも使用される道を含んだ32km周回コースを2周。サンピエール・ルウの周回には石畳区間が2カ所、長さ1km前後の登りが3カ所設定されている。
前日に逃げ、この日が誕生日の新城幸也(ランプレ・メリダ)にはスタート前に主催者側からバースデープレゼントが渡されるサプライズも。スタートが切られると地元ベルギーとオランダのUCIプロコンチネンタルチームが積極的にアタック。マーク・マクナリー(イギリス、ワンティ・グループグベルト)ら4名が逃げを形成したものの、タイム差は4分を上限に縮小傾向に。
序盤から逃げていた4名はサンピエール・ルウの周回コース突入にメイン集団に捉えられる。するとそこからは石畳と登りを利用したアタックの応酬がスタート。トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)らがアタックを仕掛けたがメイン集団から決定的なリードは奪えない。
混沌としたアタック合戦から登りで抜け出したネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)やニコ・デンス(ドイツ、AG2Rラモンディアール)らも捉えられ、リーダージャージのローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)のアタックも決まらない。するとアンドレー・グリブコ(ウクライナ)とデミトリ・グルージェフ(カザフスタン)のアスタナコンビが揃ってアタック。30秒のリードを築いたグリブコとグルージェフが先行した状態で最終周回に入った。
後方からはトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)やドゥムランといった強力なルーラーがカウンターアタックを仕掛けたものの先頭のアスタナコンビには届かない。代わってヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレック・セガフレード)が単独で先頭へのブリッジに成功させたが、残り10kmの時点でタイム差はわずか10秒。
結局グリブコとグルージェフ、ストゥイフェンはロット・ソウダルやディメンションデータ率いるメイン集団に残り2km地点で吸収され、100名を超える大集団によるスプリントバトルが始まった。
残り1.5km地点で発生した落車で新城が足止めを食らう中、先頭ではFDJトレインが隊列を組んでスプリントへ。ロングスプリントに持ち込んだアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が先頭で加速を続けたが、アルノー・デマール(フランス、FDJ)との肘打ちポジション争いで前に出たサガンが追撃し、抜き去る。
さらにその後ろから追い上げたグライペルがクリストフをパスし、サガンと並んでハンドルを投げる。フィニッシュライン通過スピードはグライペルが上だったが、写真判定の結果、タイミングの良いハンドル投げでサガンの先着が決まった。
「アンドレとの接戦だったので、勝ったのか負けたのか写真判定の結果が出るまで分からなかった。向かい風のスプリントでタイミングよく抜け出して手にした勝利なので嬉しい。デマールとポジションを競り合いながらのナーバスな展開だったけど、それがスプリントだ」と、ステージ2連勝を飾ったサガンは語る。
サガンは今シーズン13勝目。「今シーズンの1位の数(13回)が2位の数(12回)を上回った」とTwitterに書き込んだサガンはボーナスタイム10秒によってデニスを抜いて総合首位に。「ボーナスタイムを得てライバルたちからリードを奪い、総合首位に立ったことも好材料。明日はチーム一丸となってチームタイムトライアルを走りたい」とコメントしている。
落車の影響で遅れてフィニッシュした新城は「今日は昨日の疲れがあるから、逃げにいかず集団待機。しかし、集団のペースもそんなにゆっくりではなく、 石畳もありさらに昨日より起伏もあってきついレースになった。これまでのレースで通った所を使っていたので、ある程度の土地勘があり、要所では前に上がる事ができたので細いや石畳でも最後まであまり足を使わずに走れていたが、ゴール手前残り1kmの落車に巻き込まれストップした」とコメントする。「怪我はないし、昨日追い込んだおかげで調子は上々!後3日、この調子なら結果残せる気がするので頑張りたい」と意気込んだ。
選手コメントは各チーム公式サイトならびにTeamユキヤ通信より。
エネコ・ツアー2016第4ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 4h42’12”
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
3位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
4位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
5位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
6位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
7位 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
8位 アモリー・カピオ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
9位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
10位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
個人総合成績
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 13h17’29”
2位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) +07”
3位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +12”
4位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +20”
5位 ヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター) +21”
6位 マルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)
7位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +22”
8位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
9位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ) +23”
10位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
スプリント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 94pts
3位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 66pts
2位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 49pts
チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ 39h53’24”
2位 BMCレーシング
3位 モビスター +16”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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