長く囁かれていた噂が現実のものに。ツールとジロを2回、ブエルタを3回制しているアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)がトレック・セガフレードへと移籍することが正式に発表された。契約は1年間だ。



ブエルタ・ア・エスパーニャを総合4位でフィニッシュしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)ブエルタ・ア・エスパーニャを総合4位でフィニッシュしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) photo:TDWsport/Kei Tsujiコンタドールの頼れる山岳アシスト、ヘスス・エルナンデス(スペイン)もティンコフから移籍するコンタドールの頼れる山岳アシスト、ヘスス・エルナンデス(スペイン)もティンコフから移籍する (c)CorVos「これからのチャンスにワクワクしている。トレック・セガフレードは魅力的で、僕のやる気を高めてくれるチームだ。チームとはマネジメント上における良い話し合いができ、多くの目標を共有することができた。最大の目標はカレンダー上で最も重要なレース、つまりツール・ド・フランスで総合優勝することだ」とチームから発表されたリリースの中でコンタドールは語っている。

現在33歳のコンタドール。全てのグランツアーで優勝経験を持つ現在最強のオールラウンダーの一人であり、今年はツール・ド・フランスではDNFに終わり、ブエルタ・ア・エスパーニャでは総合4位。マイヨロホの獲得はならなかったものの、積極的かつ戦略的に動き総合順位を上げたことは記憶に新しい。

コンタドールはリリースの中で、「トレック・セガフレードのチーム戦力も移籍に至った大きなポイント。山岳だけでなく、どんな状況にも対応できる経験豊富で強力な選手が多数在籍している。オープンで、インターナショナルな雰囲気も好き。このチームが僕にチャンスと好調の波をもたらしてくれると確信しているよ。僕は勝利のために走り、チームに報いることができるよう全力を尽くす」と移籍の理由と目標をコメントしている。

そしてコンタドールの重要な山岳アシストであるヘスス・エルナンデス(スペイン)と、2013年から監督として”ピストレロ”を指導してきたステフェン・デヨンフ氏も同じくティンコフから移籍。2000年〜2005年、2009年〜2016年とコンタドールと寄り添ってきたヘルナンデスは「新しいチームで来シーズンのスタートを切るのが楽しみ。アルベルトはもちろん、様々なレースでチームのエースを支えていく」と言う。

以下はチームGMのルーカ・グエルチエレーナ氏のコメント。

「アルベルトは強力で、正真正銘のファイターであり、王者。彼のような選手は今のプロトンには他にいない。彼をあたたかく迎え、彼を加入させることでチームは新たな成長段階に入ると信じている。来シーズンのトレック・セガフレードはかつてないほど強力な布陣となるだろう」。

引退していくベテラン選手に代わって若手やジョン・デゲンコルブ(ドイツ)を加入させるなど、従来体制からの脱却を行っている最中のトレック・セガフレード。先日にはツール・ド・スイスとツール・ド・フランスでステージ優勝を挙げているヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、現IAMサイクリング)の加入も発表されている。

text:So.Isobe