9月5日(月)、東京・新宿にてアンカーの2017年モデル発表会が行われた。最注目はプロフォーマットを使い開発されたロングライドモデル「RL9」。リオ五輪に出場した内間康平と使用バイクにもフォーカスしつつ、会場の様子を紹介しよう。



発表会に出席した内間康平と初山翔(ブリヂストンアンカー)の2人発表会に出席した内間康平と初山翔(ブリヂストンアンカー)の2人 RL9同様にプロフォーマットを使用し開発したアルミ製ロングライドモデル「RL6」RL9同様にプロフォーマットを使用し開発したアルミ製ロングライドモデル「RL6」


9月5日(月)、東京都新宿区のベルサール西新宿にてアンカーの2017年モデル発表会が開催され、フルラインアップが、メディア関係者にお披露目された。数十台用意されたバイクの中で最も注目を集めていたバイクは、新ロングライドモデル「RL9」とそのアルミフレーム版「RL6」という2つ。展示に加えてプレゼンテーションも行われ、来場者の注目を集めていた。

会場には6月に全日本選手権ロードレースを制した初山翔と、リオ五輪に出場した内間康平が来場し、内間がリオ五輪で使用したスペシャルバイクも展示されており、参加者の注目を集めていた(詳細は以下に紹介でする)。

プロフォーマットを用いて開発されたロングライドモデル「RL9」

アンカーRL9アンカーRL9
アンカー2017年モデルの注目バイク「RL9」は、ホビーサイクリストから高い人気を得ているロングライドモデル「RL8」の後継モデルで、さらに快適性と走行性能を向上させたロングライドバイクだ。またRL8は2017年も継続して販売され、RL9に次ぐセカンドモデルとしての位置づけとなる。

RL9の開発コンセプトは「ラグジュアリー」。「長い時間、快適に乗り続けることができる」「より速く、より遠くへ」というテーマを実現するべく、ブリヂストン中央研究所と共同で作り上げた解析システム「プロフォーマット」を用いてフレーム開発を行った。

RS9の高性能化に大きく貢献したプロフォーマットは、素材や形状といったフレーム側の要素と、ペダリングパワーやハンドルへの荷重などライダー側の要素から、バイクの推進力を数値として算出できる解析技術だ。独自のハイテクシステムを使用することで、快適性を確保しつつもRL9はより「進む」バイクを作り出すことが可能となったという。

トップチューブからそのまま繋がるシートステートップチューブからそのまま繋がるシートステー 扁平形状のトップチューブによって振動吸収性を向上させている扁平形状のトップチューブによって振動吸収性を向上させている

シートチューブの端部を拡大することで、BB周りのねじれ剛性を高めたシートチューブの端部を拡大することで、BB周りのねじれ剛性を高めた ワイヤーはダウンチューブ上部から内装されるワイヤーはダウンチューブ上部から内装される


ペダリングパワーを推進力に変換するの役目を持つのはフレーム下部だ。ワイドとなったダウンチューブ、BBハンガー付近でボリュームが増すテーパード形状のシートチューブ、ループエンドのリア三角、左右非対称のチェーンステーを採用。その結果RL9は、RL8と比較してBBハンガーの横剛性が20%、リア三角の横剛性が14%向上しており、レーシングモデルに迫る反応性を獲得している。

一方で、レーシングモデルRS9に対してはBBハンガーの横剛性を60%、リア三角の横剛性を48%落とすことで、ロングライドでも疲労が溜まりにくいようコントロールしている。

最大28Cタイヤまで対応するクリアランスが設けられている最大28Cタイヤまで対応するクリアランスが設けられている 薄い扁平形状とすることで快適性の向上を図っている薄い扁平形状とすることで快適性の向上を図っている 緩やかなベンドが描かれたフォークは路面からの突き上げを緩和する緩やかなベンドが描かれたフォークは路面からの突き上げを緩和する


快適性に貢献するフレーム上部は扁平形状のチューブが多用され、路面からの衝撃を和らげる設計が採用されている。特にシートステーはRL8よりも扁平したチューブデザインに加え、シートチューブの左右を覆うほど幅広の接合部が採用されており、高い振動吸収性を期待できる。ベンド形状のフロントフォークも快適性を向上させる上で欠かせない部分だ。

加えて、リアセンターとBBハンガー下がりが延長された新ジオメトリーによって、バイクの安定感を向上させている。タイヤは転がり抵抗と振動吸収性に優れる25Cでの使用が想定されているが、28Cタイヤまで使用可能だ。RL9は新しいフレーム形状とカーボンの積層設計によって、RL8から100gの軽量化を果たし、1,390g(フレームセット、480mmサイズ)とした。480mのフレーム単体重量は940gだ。

リアはループエンドとすることで、高い剛性と軽量化を実現しているリアはループエンドとすることで、高い剛性と軽量化を実現している ワイドなダウンチューブは高い剛性に貢献しているワイドなダウンチューブは高い剛性に貢献している


プロフォーマット採用によるRL8比での剛性強化によって、サイクリングだけではなくホビーレースにも向くようになったRL9。新型DURA-ACE完成車、ULTEGRA完成車、105完成車、フレームセットという4種類の販売パッケージが用意される。

フレームサイズは390、420、450、480、510、540という6種類。カラーオーダーシステムにも対応しており、エッジスタイル33色、シンプルスタイル33色×3タイプのロゴ×3タイプの仕上げ=300通り以上の選択が可能となっている。発売は2017年の1月予定だ。

アンカー RL9(DURA-ACE完成車)アンカー RL9(DURA-ACE完成車) (c)アンカー


リオ五輪から凱旋した内間康平とアンカー RS9

RL9とあわせて、内間康平がリオ五輪で使用したブリヂストンロゴ仕様のアンカーRS9も注目を集めた。日の丸をイメージさせる特別グラフィックのフレームには、リオ五輪のための工夫が凝らされていた。荒れた石畳に対応するために、タイヤは28CのヴィットリアCorsaを選択。「普段は25Cのタイヤで間に合うのですが、荒れた石畳には28Cが必要でした」と内間。レースでは最大32Tのスプロケットを使用していたという。

展示会場入り口にはリオ五輪で内間康平が使用したアンカーRS9が展示されていた展示会場入り口にはリオ五輪で内間康平が使用したアンカーRS9が展示されていた
記念にと持ち帰ってきたリオ五輪特別ペイントのボトル記念にと持ち帰ってきたリオ五輪特別ペイントのボトル シーサーの顔が描かれたバーエンドは特別品だというシーサーの顔が描かれたバーエンドは特別品だという


ケージに差し込まれていたボトルはリオ五輪公式デザイン。「1本しか持ち帰ることができなかったので、記念品として手元に残しておきたいですね」と内間。シーサーの顔が描かれたバーエンドも、沖縄出身の内間らしい特製品だという。「(地元の)那覇空港ではグランドスタッフの方たちが特製のバナーを出して見送ってくれたんです。この時は感動しましたね」と内間。その時、自身のtwitterでこうつぶやいている。

昨年、RS9の登場と共に発表された解析技術プロフォーマットだが、RS9はデビューイヤーに全日本選手権制覇、オリンピック出場という成績を残した。今回の発表会では試乗車の用意が無かったものの、その乗り味や性能には十分期待できそうだ。



アンカー RL9 スペック
サイズ:390、420、450、480、510、540
カラー:エッジスタイル33色
    シンプルスタイル33色×3タイプのロゴ×3タイプの仕上げ
税抜価格:620,000円(DURA-ACEモデル)
     385,000円(ULTEGRAモデル)
     310,000円(105モデル)
     220,000円(フレームセット)

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