いよいよブエルタ・ア・エスパーニャが開幕。先頭でゴールし、マイヨロホを獲得したピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)は「怪我から時間をかけて復帰した今、月にも昇る思いだ」と喜びをコメントしています。



マイヨロホを獲得したピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)

マイヨロホを受け取ったピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)マイヨロホを受け取ったピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
自分が先頭でフィニッシュしてジャージを獲得することは予定していなかった。怪我から時間をかけて復帰した今、月にも昇る思いだ。昨日まで僕はブエルタの「その他多数」の選手に過ぎなかったけれど、今やマイヨロホを手に入れてしまった。信じられない気分さ。

チームTTに挑む前には、上位でフィニッシュできれば良いなと思っていたんだ。チームのメンバーは皆違うレースを走ってきて、最終的な目標も違っている。リオから帰ってきた選手もいれば、僕は怪我から復帰したばかりとバラバラだったんだ。

派手にシャンパンファイトを繰り広げるチームスカイ派手にシャンパンファイトを繰り広げるチームスカイ photo:Kei Tsuji
チームスカイはいつもスロースタートなんだけれど、今日は序盤から突っ込んで入ったことが功を奏したように思う。序盤の5kmで10秒を失ってしまうと、後半にいくらペースを上げても取り戻すことはできない。失敗や苦しむことを怖がってはいけないんだ。

僕は4月のクラシックで良い走りができず、5月にかけて復調させていった中での骨折だったので負傷の時にはとてもがっかりした。でも悪いこともあれば、良いこともある。怪我以降の2か月間は、厳しいトレーニングに打ち込んできた。前哨戦のブルゴスで調子の良さを感じていたし、わざと自分にプレッシャーを与え続け、自信を持ってレースに挑んだ。明日、リーダージャージを着てスタートするのが楽しみだ。

モビスターのナイロ・キンタナ(コロンビア)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)

ステージ2位・0秒差 モビスターステージ2位・0秒差 モビスター photo:Kei Tsujiキンタナ:調子は絶好調だった。ステージ優勝を逃したけど、チームの結束力を確認できたし、結果には満足だ。もちろんチームスカイとの同タイム2位だったことは残念だけれども、メンバーがTTスペシャリストばかりではないことを考えれば十分だと思うし、今後に向けての良いステップになったと思う。個人的にも脚の回り方は多いに満足できるものだった。

バルベルデ:今日の僕らはとても強く、非常に上手くレースを運ぶことができた。ものすごくキツく苦しんだけれど、そもそもチームTTとはそういうもの。特に今日のようなコースならば尚更だ。あんなわずかなタイム差でリーダージャージ獲得を逃したなんて残念だが、今日僕らに責められる部分はなかった。今日の走りには満足だ。

ステージ3位、オリカ・バイクエスクチェンジのダミアン・ホーソン(オーストラリア)

ステージ3位、オリカ・バイクエスクチェンジステージ3位、オリカ・バイクエスクチェンジ (c)A.S.O.惜しかった!ゴールのラインを切った時にはまだ数チームが走行中だったので、最終的な順位がどうなるか分からなかった。強いレース運びができたと思うし、それで結果がついてきたので嬉しく思っているよ。ブエルタの開幕TTTでチームを率いて先頭でフィニッシュし、さらに好結果を出せたのだから素晴らしい名誉。スタート前にバスの中でマイヨロホの可能性があるから僕を先頭でゴールさせるという話にしてくれたんだ。それがこんなにも大きな意味を持つことだとは、その時は分からなかった。仲間に感謝の気持ちが尽きないよ。

ステージ4位、BMCレーシングのティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)

ステージ4位、BMCレーシングステージ4位、BMCレーシング (c)A.S.O.52秒遅れたアルベルト・コンタドール(ティンコフ、スペイン)52秒遅れたアルベルト・コンタドール(ティンコフ、スペイン) (c)A.S.O.チームとして素晴らしかったと思う。戦略的にも完璧に走ることができたし、力強い走りができたと思う。チームの誰もがゴールの時には力を絞り尽くしていたし、良いチームTTはそういう状態のことを指すものさ。

今日重要だったのだ登りでのペーシング。テクニカルな区間では全員が完璧なバイクコントロールができていたように思う。最終区間はバンプやコーナー、そしてパワーを求められる直線が入り混じる難しいコースだっが、ロス無く落ち着いてクリアできたと思う。上手く走ることができたので、数秒を失ったが後悔は無い。

フルームやキンタナから52秒遅れたアルベルト・コンタドール(ティンコフ、スペイン)

この1週間はトレーニングの強度を落としていたので、高強度のチームTTは苦しかった。チームは100%の力で走ったし、もう一度走っても結果は変わらないだろう。確かにライバルたちから50秒失ったけど、走りには満足しているし、長いブエルタで挽回のチャンスは多く残されている。

3分遅れたアスタナのエース、ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア)

チェーントラブルでタイムを失ったのはとても残念だ。でも同時に僕のコンディションが全く悪く無いことに気づいた。スピードの求められるコースだったけれど、チームの力はとても強力だ。

リラックスしてチームTTを終えた新城幸也(ランプレ・メリダ)

スタート前にウォーミングアップする新城幸也(ランプレ・メリダ)スタート前にウォーミングアップする新城幸也(ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji
残り15kmから残り4km手前の緩やかな登りまで長めに牽くことが自分の仕事でした。試走は直前に1周のみ、。 合宿していたチームもあるくらいなので、チームによって力の入れ方に差が出ましたね。 ランプレはこのステージを重要視していないということですから、リラックスしてスタートできました。思っていたより、平坦といよりは常に緩く登ったり下ったりの連続。オーダー通りに残り4kmの登りまで引き、その後はゆっくりゴール。このスペインの暑さが良いのか、 調子は悪くなさそうです。自分にとって10回目のグランツールが開幕しました!! 3週間応援よろしくお願いします!

※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、新城幸也のコメントはTeamユキヤ通信より。

text:So.Isobe