マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)の4勝目で幕を閉じたツール・ド・フランス第14ステージ。勝負に加わったスプリンターや平穏な1日を過ごしたマイヨジョーヌらのコメントを紹介します。



4勝目をマークしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)

ステージ4勝目を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)ステージ4勝目を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) photo:TDWsport/Kei Tsuji
4勝目をアピールするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)4勝目をアピールするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) photo:TDWsport/Kei Tsujiトラックレースに復帰したけど、身体的な能力は変わっていない。でもトラックレースに戻ったことでリフレッシュし、昨年と比べて忍耐強くなったと思う。今日も忍耐強さが勝利につながった。

今日はマルセル・キッテルをマークしたものの、残り2kmの時点で彼にはリードアウト要員が4人しか残っておらず、必ず最後は失速すると読んでいた。先頭でスプリントに持ち込んだキッテルが徐々にスピードを落とすのを見計らって加速したんだ。

リオ五輪トラックレースに照準を合わせているので、体調を崩したり疲労困憊になればリタイアすることもあるかもしれない。でもよほどのことがない限りパリまで走りきるつもり。調子は良いし、チームの雰囲気も最高だ。スプリンターに残されたチャンスはベルンとパリの2回。でも(フィニッシュ手前の石畳の登りが設定された)ベルンはスプリンター向きじゃないかもしれない。

惜しくも届かず2位に終わったアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)

勝利まであと少しだった。最後はアンヘル・ビシオソとマルコ・ハラー、ジャコポ・グアルニエーリの働きのおかげで集団先頭をキープ。全ては作戦通りだったものの、自分とカヴェンディッシュの間にデゲンコルブが割り込んでしまい、加速を始めるタイミングが遅れてしまった。残り150mから追い上げたけど届かなかった。タイミングさえあっていればカヴを負かすこともできたと思う。

2日後のベルンで再びスプリントを狙いたい。少し登りがあるような難易度のステージが自分向き。今日のステージは自分にはイージーすぎた。

マイヨヴェールを守ったペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)マイヨヴェールを守ったペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) photo:Makoto.AYANOカヴの進路妨害を訴えたマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)カヴの進路妨害を訴えたマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) photo:Makoto.AYANOステージ3位でマイヨヴェールを守ったペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)

今日はリスキーなスプリントだった。向かい風が強かったので、誰もが前に上がりつつも先頭に上がりきらない位置取り。後方からの追い上げになってしまい、3位に入るのがやっとだった。(カヴェンディッシュに)ポイントを奪われてしまったものの、これから始まる山岳ステージではポイント賞のリードを広げることができるはず。ポイント賞争いの観点から言えば、今日はポイントを失うのを最小限にとどめる日だった。

カヴの進路妨害を訴えたマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)

トレインは完璧で、トップスピードに乗った状態で残り220mからスプリントを開始した。ポジションは良かったものの、カヴェンディッシュに追い抜かれ、フェンス側に押しやられた。進路を塞がれたので、ブレーキを握らなければ落車していた。でもカヴェンディッシュが違反を犯したかどうかを決めるのはコミッセールであって自分ではない。

平穏なステージを終えたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

クレイジーな2日間を終えた後の静かなステージは大歓迎だ。スイッチを切って集団内で大人しく走ることで気持ちも落ち着いた。

明日はトリッキーなステージになるだろう。コースはよく知っている。山頂フィニッシュではないので注目度は低いけど、獲得標高差が4000mを超える難コースであり、終盤には難しい下りが待っている。ツール中盤戦の目玉になるだろう。

マイヨジョーヌを着てジュラ山脈に向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌを着てジュラ山脈に向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
平穏なステージを過ごしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)平穏なステージを過ごしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO集団内で落ち着いて走っていた新城幸也(ランプレ・メリダ)集団内で落ち着いて走っていた新城幸也(ランプレ・メリダ) photo:Makoto.AYANO敢闘賞を獲得したジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)

大きな逃げグループに乗り遅れないように気をつけていたけど、序盤は静かな進行だった。一日中ずっとゆっくり走っているわけにもいかないのでアタックしたんだ。集団内で退屈に過ごすよりも逃げたほうが良い。3人が追いついてきてくれて助かった。

逃げグループは協調が取れていた。逃げ切る可能性は極めて低いと思ったものの、終盤にかけてマルティン・エルミガーが力を残していたので一緒にエスケープを続行。しばらく40秒前後のリードをキープしたものの、向かい風が強かったので逃げ切りは叶わなかった。

体の回復にあてた新城幸也(ランプレ・メリダ)

今日は風は強かったものの、そのおかげでペースも落ち着いていたし、昨日のタイムトライアルと今日のステージと良い休養になった。ツールらしいヒマワリを横目に見ながらね。だから、とても体は元気。明日の第15ステージはかなりきついだろうけど、何かできたらいいね。

選手コメントはチーム公式サイトならびにTeamユキヤ通信より。

text:Kei Tsuji