僅差の総合成績で迎えた最終ステージ。中間スプリントのボーナスタイムで詰め寄られたものの、首位セプ・ファンマルクがゴールスプリントで3位フィニッシュ。総合優勝を決めてみせた。



フィニッシュを制したウィム・ストロティンガ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)。セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)が3位に入るフィニッシュを制したウィム・ストロティンガ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)。セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)が3位に入る photo:CorVos落車で足止めされたショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)は総合逆転ならず落車で足止めされたショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)は総合逆転ならず photo:CorVos現役最後のレースを走り終えたマーティン・チャリンギ(オランダ、ロットNLユンボ)現役最後のレースを走り終えたマーティン・チャリンギ(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVos総合順位にシャッフルが掛かったベルギーでの第4ステージを終え、ステルZLMツアー(UCI2.1)は再びオランダへと戻ってきた。ソメレンからボクステルを目指す最終ステージは186kmで、これまでの2日間とは違ってオランダらしい完全なフラットコースだ。

途中にはボーナスタイム(1位通過:3秒)が与えられる中間スプリントが2か所用意され、フィニッシュでは1位に10秒が与えられる。5秒差で総合2位につけるショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)が、首位セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)に挑むことは明白だった。

果たしてロット・ソウダルはスタート直後にマキシム・モンフォール(ベルギー)をエスケープさせ、ロットNLユンボの脚を削ることに成功する。モンフォールが吸収された後の第1中間スプリントでもデビーが先頭通過を果たし、総合で2秒差まで迫りプレッシャーを掛けていく。

落ち着かないメイン集団ではまず6名が逃げ、これが吸収されると第2ステージの勝者であるウェズリー・クレダー(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)を含む4名がそれぞれ1分差を持って逃げる。これによって第2中間スプリントのボーナスタイムは消え、総合優勝はフィニッシュラインで争われることになる。

順当に4名の逃げを飲み込んだ集団はスプリント体制を築き上げ、ゴール前ではロットNLユンボトレインが絶好の位置に陣取った。一方でポジションを落としたデビーは、ゴール直前の落車に巻き込まれてしまう。ウィム・ストロティンガ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)が先着するその後ろ、ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)の後ろをキープしたファンマルクは3位でフィニッシュ。ボーナスタイムを追加したことで総合優勝が決まった。



総合表彰台 セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)が中央に立つ総合表彰台 セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)が中央に立つ photo:CorVos


「ものすごくエキサイティングなレースだった。最初の中間スプリントはラインの位置がよく分からず先着されてしまい不安だったが、優勝することができた。ディランのステージ2位は残念だが、もっと大きな総合優勝を手にできチームとしても嬉しく思う」とファンマルクは振り返った。

そしてファンマルクのアシストを務め、総合89位で完走したマーティン・チャリンギ(オランダ)にとっては、この日がキャリア最終レースに。スキルシマノからロットを経由し、9年間現チームに在籍した38歳は「まだこの感情をうまく言い表せないけれど、とても幸せなキャリアをこのチームと過ごすことができた」と語り、総合優勝とチーム成績首位をもって有終の美を飾った。



ステルZLMツアー2016第5ステージ結果
1位 ウィム・ストロティンガ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)
2位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
3位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)
4位 ティモシー・デュポン(ベルギー、ヴェランダス・ヴィレムス)
5位 ケニー・デハース(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
6位 ジス・ファンホッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
7位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
8位 コーエン・フェルメルトフォールト,(オランダ、サイクリングチーム・ジョインズ)
9位 マックス・ヴァルシャイト(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
10位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデールプロサイクリング)

個人総合成績
1位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)
2位 ショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)
3位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)
4位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン)
5位 ダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
6位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング)
7位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデールプロサイクリング)
8位 ジス・ファンホッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
9位 ステファン・キュング(スイス、BMCレーシング)
10位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
17h51’37”
+06”
+16”
+20”
+27”
+30”
+31”
+32”
+34”


ポイント賞
1位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)

山岳賞
1位 ジミー・ヤンセン(ベルギー、チーム3M)

チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ

text:So.Isobe
photo:CorVos

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