「ドワイエンヌ」と類似したアップダウンコースで総合順位が変動。上りフィニッシュで抜け出し、ワウト・ファンアールトを下したセプ・ファンマルクがステージ優勝と総合首位浮上を同時に成し遂げた。



リーダージャージを失ったショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)リーダージャージを失ったショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:CorVos独走で逃げ切りを目指すスターク・ラエンゲン(ノルウェー、IAMサイクリング)独走で逃げ切りを目指すスターク・ラエンゲン(ノルウェー、IAMサイクリング) photo:CorVosワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフードサービス)を下したセプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフードサービス)を下したセプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ) photo:CorVosワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフードサービス)を労うセプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフードサービス)を労うセプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ) photo:CorVosステルZLMツアーは総合を決する最難関ステージへと直面。これまでオランダ南部を駆け抜けてきたプロトンは国境を越え、第4ステージは隣国ベルギー・ワロン地方を舞台に開催された。

ヴェルヴィエからジャレを目指す186kmには、当地方を代表する登坂、コート・ド・ラ・ルドゥット(長さ2.0km・平均勾配8.8%)やコル・ドゥ・ロジエ(長さ4.4km・平均勾配5.9%)が詰め込まれ、ゴールは2kmほどの坂を駆け上がった先にある。総合順位逆転に大きく可能性を残したまま141名がスタートを切った。

スタート直後に飛び出しを図ったのは、スターク・ラエンゲン(ノルウェー、IAMサイクリング)やフィル・ガイモン(アメリカ、キャノンデールプロサイクリング)、ジェイ・ロスコフ(アメリカ、BMCレーシング)ら10名。しかし総合順位が僅差であることから、メイン集団が許したリードは3分ほど。この日も雨と晴れが目まぐるしく入れ替わる中、レースは残り距離を減らしていった。

すると逃げグループではタイム差が2分まで切った残り36km地点から、ラエンゲンが抜け出しを狙ってアタック。195cmの長躯を活かしたスピードを武器に、逃げ切りを目指して独走を開始した。

「かなりの確実で逃げ切れると信じていた。でも単独走の時間が長かったこともあって終盤はペースを維持できなくなってしまった」というラインゲンの直後には、ゴール勝負に向けて準備を整える集団が迫ってくる。

結局残り1kmでラインゲンはスピードの上りきった集団に飲み込まれ、カウンターでセプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)が発進。総合首位のショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)らが追ったものの、追撃できたのはシクロクロス世界王者のワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフードサービス)ただ一人。最後はファンマルクがファンアールトを下し、メイン集団を3秒引き離してフィニッシュ。ボーナスタイムを加えたことで総合首位の座をも獲得してみせた。

フランドルクラシックで上位入賞を繰り返しているファンマルクだが、以前の勝利は2014年9月のツアー・オブ・アルバータ以来。「チームメイトに守られて急勾配区間で一気に仕掛けた。完璧なシナリオだったよ。久しぶりの勝利は格別だ」と振り返る。

5秒のリードを持って最終日を迎えるファンマルクは総合優勝を狙う構えだが、「明日のボーナスタイムは合計で16秒。まだ全く安堵はできない。チーム全力で優勝を狙っていきたい」と語った。



総合首位に浮上したセプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)総合首位に浮上したセプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ) photo:CorVos


ステルZLMツアー2016第4ステージ結果
1位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)               4h32’18”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフードサービス)
3位 ピーター・ヴァンスピイブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)    +03”
4位 ショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)
5位 アントニー・トゥルジ(フランス、コフィディス)
6位 マルコ・マルカート(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
7位 ダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
8位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン)
9位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)          +07”
10位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデールプロサイクリング)    +09”

個人総合成績
1位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)
2位 ショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)
3位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)
4位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン)
5位 ダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
6位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデールプロサイクリング)
7位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング)
8位 ステファン・キュング(スイス、BMCレーシング)
9位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
10位 ジス・ファンホッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
13h56’05”
+05”
+12”
+16”
+23”
+27”
+30”

+31”


ポイント賞
1位 ショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)

山岳賞
1位 ジミー・ヤンセン(ベルギー、チーム3M)

チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ

text:So.Isobe
photo:CorVos