リンブルフ州名物のアップダウンを駆け抜けた先のスプリント勝負。オランダ期待のディラン・フルーネヴェーヘンが今季6勝目を掴み、3位に食い込んだショーン・デビーが総合首位に浮上した。



ロットNLユンボがコントロールするメイン集団ロットNLユンボがコントロールするメイン集団 photo:CorVos前日に逃げ切り勝利を挙げたウェズリー・クレダー(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)は2日連続の逃げ前日に逃げ切り勝利を挙げたウェズリー・クレダー(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)は2日連続の逃げ photo:CorVosカウンターで飛び出したシクロクロス世界王者のワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフードサービス)カウンターで飛び出したシクロクロス世界王者のワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフードサービス) photo:CorVos余裕の勝利を収めたディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)余裕の勝利を収めたディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVosオランダで開催中の5日間のステージレース、ステルZLMツアーは折り返しの3日目。リンブルフ州、ブフテンの街を発着する今大会最長の210kmコースがその舞台に選ばれた。

2012年にロード世界選手権を迎え、毎年アムステルゴールドレースが開催されている南部リンブルフ州の丘陵地帯。当地方を代表するかのようにレース序盤から後半にかけて多くの丘が詰め込まれたため、コースプロフィールはさながらノコギリの歯のよう。落ち着かない天候の中スタートが切られ、前日に逃げ切り勝利を挙げたウェズリー・クレダー(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)ら3名が飛び出した。

3名を見送ったメイン集団では前日同様ロットNLユンボがコントロールを開始し、最大タイム差は4分ほどで推移していく。しかし新たなる逃げを狙う動きによって活性化した集団は、残り70km地点で逃げグループに追いつき、今度はカウンターアタックでシクロクロス世界王者のワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフードサービス)を含む3名が抜け出した。

メイン集団からアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)らが遅れる一方、3名はハイスピードを保って逃げ続ける。しかし前日に逃げ切りを許したメイン集団は、追撃の手を緩めずにキッチリとゴール前で3名を吸収。エティックス・クイックステップとロットNLユンボが主導したままスプリント勝負にもつれ込んでいく。

そしてゴール前、セプ・ファンマルク(ベルギー)から送り出されたディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が加速すると、他の追随を許さぬままフィニッシュ。オランダ期待の22歳が今季6勝目を掴んだ。

今年からワールドチームに加入し、シーズン序盤からコンスタントに勝ち星を挙げているフルーネヴェーヘン。クールネ〜ブリュッセル〜クールネ4位、シュヘルデプライス9位とビッグレースでも上位入賞を続けており、「今日はチームメイトのおかげで脚をたっぷり貯めることができた。最後は良いタイミングからスプリントするだけだった」と余裕を見せた。

そして総合では5位に付けていたショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)がステージ3位に入り、ボーナスタイムを得て首位に浮上。2位にヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)が、3位にはテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)というオーダーで、20秒差以内に16名が付けた状態のまま翌日の登りゴールステージを迎えることとなった。



ステルZLMツアー2016第3ステージ結果
1位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
2位 ティモシー・デュポン(ベルギー、ヴェランダス・ヴィレムス)
3位 ショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)
4位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン)
5位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング)
6位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
7位 ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、ヴェランダス・ヴィレムス)
8位 イェッセ・ボル(オランダ、サイクリングチーム・ジョインズ)
9位 ピーター・ヴァンスピィブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
10位 ヨナス・アルストラント(スウェーデン、コフィディス)
5h01’15”











個人総合成績
1位 ショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)
2位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)
3位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
4位 ステファン・キュング(スイス、BMCレーシング)
5位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング)
6位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)
7位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
8位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
9位 ティモ・ルーセン(オランダ、ロットNLユンボ)
10位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン)
9h23’49”
+01”
+02”
+04”
+06”
+08”
+10”


+11”


ポイント賞
1位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)

山岳賞
1位 トゥワン・ファンデンブラン(オランダ、サイクリングチーム・ピエルズ)

チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ

text:So.Isobe
photo:CorVos