梅丹本舗がイギリスの検査機関に依頼していた自社製品の確定検査の結果を6月6日付でホームページで発表した。スクリーニングテストにおいて指摘されていた2商品のWADA禁止物質含有が確定するとともに、サイクリストが主に使用するエネルギー補給食「サイクルチャージ」シリーズには禁止物質は含まれないことが判った。



確定検査の結果によると、スクリーニング検査においてWADA禁止物質”ボルジオン”の含有が伝えられていた「古式梅肉エキス」と「トップコンディション」の2品は、いずれも微量ながらボルジオンが含有することが確認された。また、サイクリングスポーツにおいて使用されることが多いエネルギー補給食「サイクルチャージ」シリーズからはボルジオンは検出されなかった。

禁止物質ボルジオンの含有が確認された古式梅肉エキス禁止物質ボルジオンの含有が確認された古式梅肉エキス


梅丹本舗ではこの検査結果を受けて、「古式梅肉エキス」と「トップコンディション」の2品についてドーピング検査を受ける可能性があるアスリートへの供給を停止するとともに、パッケージには注意喚起の文言を記載することを決めた。

また、検査結果が確定したことにより、同社は今後、WADA禁止物質を含有しないタイプの古式梅肉エキスの開発に着手するとしている。

また、「梅丹スーパーエキストラゴールド」「梅丹エキストラゴールド」「梅丹」「サイクルチャージ(CC)」「サイクルチャージカフェインプラス(CCC)」、「サイクルチャージカフェイン200(CCC200)」の6商品は、検査結果をもとに、これまで通り販売を継続することを決めた。

さらに同社はサイクルチャージシリーズに、梅肉エキスを使用しないタイプの「クリアプロ」を新発売するとしている。サイクルチャージ・クリアプロの製品はまだ未発表だが、内容物は透明に近い色をもち、以前から要望の多かったウェアへの汚れが目立たないタイプに仕上がっているという。

梅丹本舗は発表資料の末尾で「 弊社では引き続きましてアンチドーピングの精神を尊重してまいる所存です。毎年、主力商品とスーパーアスリート商品のWADA禁止物質の検査を受けて、結果を公表してまいります」と締めくくっている。

なお、梅丹本舗が公式スポンサーとなっている日本自転車競技連盟は同日、ホームページ上で同社の発表をもとに続報を記載。そのなかで梅丹本舗が今後は自転車競技ナショナルチームに対して古式梅肉エキスを原料にした製品提供を自主的に制限し、古式梅肉エキスを原料に使用しない製品が提供されると発表している。

なお、そのなかで発表されている「古式梅肉エキス」と「トップコンディション」の禁止物質1,4-androstadiene-3,17-dione”(通称ボルジオン)の含有量は以下のとおりだ。

・「古式梅肉エキス」 推定含有量 10〜20 ng/g※
・「トップコンディション」 同 1〜3 ng/g※
※ ng=1/1,000,000,000g(10億分の1グラム)



梅丹本舗による発表

日本自転車競技連盟の発表

text:Makoto.AYANO