最後の登りで絞り込まれた50名が一丸となってフィニッシュへと到達。ロベルト・フェラーリから解き放たれたサーシャ・モードロが今大会2勝目となる勝利を飾った。



ダイナミックな景観の中を進むツアー・オブ・ターキー2016第7ステージダイナミックな景観の中を進むツアー・オブ・ターキー2016第7ステージ photo:Tour of Turkey/Brian Hod


山岳地域のヘアピンコーナーをクリアしていくメイン集団山岳地域のヘアピンコーナーをクリアしていくメイン集団 photo:Tour of Turkey/Brian Hod高速道路の緩斜面で集団のスピードが上がる高速道路の緩斜面で集団のスピードが上がる photo:Tour of Turkey/Brian Hod最後の登りでペースが上がる集団最後の登りでペースが上がる集団 photo:Tour of Turkey/Brian Hodスプリントで先着したサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)スプリントで先着したサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Tour of Turkey/Brian Hodステージ表彰台。サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)が中央に立つステージ表彰台。サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)が中央に立つ photo:Tour of Turkey/Brian Hod大会終盤を迎えているツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)は7日目。フェトヒイェとマルマリスというエーゲ海に面した紀元前から栄える歴史ある街を繋ぐ、128.6kmのクラシカルコースがその舞台に選ばれた。

開幕から少し人数を減らした99名がフェトヒイェを出発。スタートから20kmを要して昨ステージで3位に入ったパウェル・ツィスリク(ポーランド、ヴェルバ・アクティブジェット)ら5名が集団から抜け出し、最大で4分半差をつけて先を急いだ。

第2ステージで優勝したペッロ・ビルバオ(スペイン)を体調不良のために欠いたものの、リーダージャージを始め総合上位を独占するカハルーラルがメイン集団をコントロール。終盤になるとゴールスプリントを狙うサウスイーストなどが追走に手を貸したため、ゴールまで残り20kmを着るとタイム差は1分を割り込んだ。

協力して逃げ続けた先頭5名だったが、追走の手を邪魔しないコースレイアウトも手伝って残り16kmで吸収される。しかし定石通りのスプリントステージを崩すべく、残り10kmから始まるノンカテゴリーの緩斜面でユニユーロ・ウィリエールがペースアップ。一列に伸びた集団は50名程度まで絞り込まれたが、スプリンターたちを引き剥がすには至らなかった。

続いて頂上を通過するとビューティー・オブ・ターキー賞のルイス・マス(スペイン、カハルーラル)ら3名が逃げ始めたが、CCCスプランディポルコウィチェらの追走で吸収。するとカウンターでグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ソウダル)が飛び出した。

一際低いクラウチングで、ヘンダーソンは集団有利なハイスピードの緩斜面で少しづつリードを重ねていく。下りを終えて市街地に突入してもなおスピードの緩まないヘンダーソンは逃げ切りも匂わせたが、サウスイーストの追走によって残り700mで吸収されてしまう。

マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)が絶好のポジションをキープしたものの、残り300mでサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)を従えたロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)が加速。そのまま先頭にジャンプアップすると、残り150mでモードロが発進した。

「今日は全てが上手く運んだ。登りと下りの直後にスプリントという流れも自分向きだったし、フェラーリのリードアウトもパーフェクトだった」と振り返るモードロはベレッティやマルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルク)の追撃を振り切って先着。ジロ・デ・イタリアを狙う28歳が今大会2勝目をもぎ取った。

「これまでは運に見放されていたけれど、ようやく戻って来たという感触を得ている。マキシミリアーノ・リケーゼが移籍してしまいスプリントの戦力的には落ちてしまったが、フェラーリと共にゴールラインを狙っていきたい」とモードロはコメントしている。

この日は総合上位陣全員が50名ほどの集団でゴールしたため、順位変動は無し。窪木一茂は2分38秒差の57位、石橋学は5分1秒差の82位でゴールしている。

いよいよ明日はマルマリスからセルチュクへと至る最終ステージ。1265.7kmにも及ぶ8日間の戦いがフィナーレを迎える。



ツアー・オブ・ターキー2016第7ステージ結果
1位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
2位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)
3位 マルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルク)
4位 グレゴリス・ステプニアック(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)
5位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
6位 アルベルト・チェッキン(イタリア、チームロス)
7位 アメット・オルケン(トルコ、トルクケセルスポーツ)
8位 クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 ドミンゴ・ゴンサルべ(ポルトガル、カハルーラル)
57位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)
82位 石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)
3h15’14”










+2’38”
+5’01”


個人総合成績
1位 ホセ・ゴンサルべ(ポルトガル、カハルーラル)
2位 ダヴィ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)
3位 ニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナシティ)
4位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)
5位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)
6位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージランド、ロット・ソウダル)
7位 スティグ・ブロックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ヘルト・ドックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ハイメ・ロソン(スペイン、カハルーラル)
10位 マウロ・フィネット(イタリア、ユニユーロ・ウィリエール)
23h29’57”
+18”
+46”
+2’13””
+4’21”
+6’46”
+9’22”
+12’46”
+12’58”
+13’04”


山岳賞
1位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)

スプリント賞
1位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)

ビューティー・オブ・ターキー賞
1位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)

チーム総合成績
1位 カハルーラル

text:So.Isobe
photo:Tour of Turkey/Brian Hod