大会初の集団スプリントに持ち込まれたツアー・オブ・ターキー第4ステージ。ロット・ソウダルが失速する中、マヌエル・ベレッティの番手から仕掛けたサーシャ・モードロが今季初勝利を挙げた。



荒涼としたトロス山脈を通過していく荒涼としたトロス山脈を通過していく photo:Tour of Turkey/Brian Hodes


ツアー・オブ・ターキー2016第4ステージ コースプロフィールツアー・オブ・ターキー2016第4ステージ コースプロフィール ニコライ・ミハイロフ(ブルガリア、CCCスプランディポルコウィチェ)を含む6名の逃げニコライ・ミハイロフ(ブルガリア、CCCスプランディポルコウィチェ)を含む6名の逃げ photo:Tour of Turkey/Brian Hodes下りを経て地中海に到達した集団下りを経て地中海に到達した集団 photo:Tour of Turkey/Brian Hodes地中海沿いの風光明媚な景観を走る地中海沿いの風光明媚な景観を走る photo:Tour of Turkey/Brian Hodes集団スプリントを制したサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) 集団スプリントを制したサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)  photo:Tour of Turkey/Brian Hodesツアー・オブ・ターキー第3ステージ表彰台ツアー・オブ・ターキー第3ステージ表彰台 photo:Tour of Turkey/Brian Hodesトルコで開催中のツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)。折り返しとなる4日目は内陸のセイディシェヒルを出発し、地中海に面した美しいアランヤの街へとゴールする187km。序盤に3000〜3700mの山々が連なるトロス山脈を通過し、その中では1級、2級(標高1800m超)山岳を通過。地中海を目指す長い下りを経て、最後の50kmは平坦というレイアウトが用意された。

序盤では山岳ポイントを目指してレミ・ディグレゴリオ(フランス、デルコ・マルセイユ・プロヴァンスKTM)や大会序盤で総合首位に立ったプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)が積極的に動く展開となり、集団はいくつにも分断される。

しかし下りで後方はまとまり、ニコライ・ミハイロフ(ブルガリア、CCCスプランディポルコウィチェ)を含む6名の逃げを、大集団が追う形でレースは落ち着きを見せる。先頭6名が得た最大タイム差は3分弱。昨日の強風は影を潜めたため、この日は定石通りのスプリントステージとして距離を消化していった。

美しい港町を横目に進む逃げグループとメイン集団のタイム差は、残り30kmで2分10秒、残り10kmで50秒。ステージ2連勝を狙うロット・ソウダルが主導する集団によって、散り散りとなっていた逃げは残り4kmまでに全て吸収される。

フルメンバーを揃えて隊列を組んだロット・ソウダルだが、サウスイーストやNIPPOヴィーニファンティーニらが代わる代わる隊列を並べたために残り1kmまでに崩壊。アシストを失ったアンドレ・グライペル(ドイツ)は後方に飲み込まれ、勝負に加わることができなかった。

真っ先にスプリントを開始したマヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)の番手から飛び出し、ダニエーレ・コッリ(イタリア、 NIPPOヴィーニファンティーニ)の追撃を振り切ったのはサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)。「ドバイでもカタールでも勝つことができなかったし、ティレーノではいつもトップ10フィニッシュ。サンレモでは成績を残せると思ったのにポッジオで落車してしまった。調子が良いまま乗り込んだ北のクラシックでも結果が出ず、このトルコでも第1ステージで落車。勝利が必要だった」と語る28歳が今季初勝利を手に入れた。

「今日のスプリントは各チームが隊列を組むことができずカオスだったし、とてもナーバスだった。ロット・ソウダルが隊列を組むかと思ったが不可能だった。ランプレ・メリダも残り700mでバラけてしまったし、ザノッティのアシストの後ろについた時に残り400mで彼が踏みやめたので「終わった」と思った。でも加速したベレッティの後ろに食らいつきスプリントができた。昨日もエシュロンについていくことができず自分にイラついていたし、ようやくホッとできたんだ。去年はシーズン中に体調が大きくバラついたけれど、今年はなるべくコンスタントに結果を出せるようにしたいと思っている」とモードロはレース後に語っている。

2位に入ったコッリは以下の通りコメントする。「この結果に満足しているが、勝てなかった悔しさがあることは事実。朝の時点で調子が良かったので、今日はスプリントで勝利を狙うと決めていた。終盤はチームメートたちが懸命にアシストしてくれ、良い位置でスプリントを仕掛けることができた。マルマリスにゴールする第7ステージでは、昨年、同じ場所で表彰台に乗っているので、また勝利を狙っていきたい」

総合上位メンバーは軒並み集団内でゴールしたため、カハルーラルが上位を占める順位には変動なし。石橋学は75位、窪木一茂は102位でステージを終えている。「いろいろなことを勉強できている。今日もあと少しのところで後方集団に取り残されてしまった。悔しいけど、そこから学ぶことは多い」と窪木は語っている。

各コメントはレース公式レポート、チームプレスリリースより。



ツアー・オブ・ターキー2016第4ステージ結果
1位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)               4h26’27”
2位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、 NIPPOヴィーニファンティーニ)
3位 マルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルク)
4位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)
5位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、サウスイースト)
6位 アンドリス・スミルノフス(ラトビア、アルファバルティック)
7位 アルベルト・チェッキン(イタリア、チームロス)
8位 グレゴリス・ステプニアック(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)
9位 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、ユニユーロ・ウィリエール)
10位 ヴァディム・ガレイェフ(カザフスタン、アスタナシティ)

個人総合成績
1位 ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)
2位 ホセ・ゴンサルべ(ポルトガル、カハルーラル)
3位 ダヴィ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)
4位 ニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナシティ)
5位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)
6位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)
7位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージランド、ロット・ソウダル)
8位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
9位 スティグ・ブロックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
10位 ヘルト・ドックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
15h46’38”
+05”
+13”
+22”
+1’14”
+2’22”
+3’46”
+5’41”
+7’34”
+8’59”


山岳賞
1位 レミ・ディグレゴリオ(フランス、デルコ・マルセイユ・プロヴァンスKTM)

スプリント賞
1位 ホセ・ゴンサルべ(ポルトガル、カハルーラル)

ビューティー・オブ・ターキー賞
1位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)

text:So.Isobe
photo:Tour of Turkey/Brian Hodes

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