第50回高石杯・関東地域自転車道路競争大会が、2月14日(日)埼玉県さいたま市で開催された。高石杯が懸かった高校生男子が篠田幸希(群馬県立前橋工業高校)、強豪ホビーレーサーが揃った一般男子は小畑郁(なるしまフレンド)が制している。



午後から暑いくらいの晴れになった大宮けんぽグラウンド午後から暑いくらいの晴れになった大宮けんぽグラウンド photo:Satoru.Kato
高校生男子 スタート直後から集団が縦長に伸びる高校生男子 スタート直後から集団が縦長に伸びる photo:Satoru.Kato高校生男子 決勝を走るアジア選手権ロード3位の花田聖誠(昭和第一学園)高校生男子 決勝を走るアジア選手権ロード3位の花田聖誠(昭和第一学園) photo:Satoru.Kato高校生男子 最終周回を前に、昭和第一学園の3人が集団の前に出てくる高校生男子 最終周回を前に、昭和第一学園の3人が集団の前に出てくる photo:Satoru.Kato高校生男子 篠田幸希(群馬県立前橋工業高校)が優勝高校生男子 篠田幸希(群馬県立前橋工業高校)が優勝 photo:Satoru.Kato高校生男子 表彰高校生男子 表彰 photo:Satoru.Kato今年50回目の開催となった「高石杯」は、IOC(国際オリンピック委員会)委員を務め、日本のスポーツ振興に尽力された故・高石真五郎氏の名を冠した大会。埼玉県での開催は2013年から4回目。今年もさいたま市の荒川河川敷にある「大宮けんぽグラウンド」が会場だ。この場所での開催は今年が最後となる。

コースは、けんぽグラウンドの野球場やテニスコートなどを仕切る碁盤の目のように通された敷地内道路を使用。凹の字を形取ったような8つのコーナーを含む1周2.5kmのクリテリウムだ。カテゴリーは、男子エリート+U23に相当する一般男子、高校生男子、女子オープン、中学生の4つ。一般男子と高校生は予選がある。

当日は東京都内で春一番が吹き荒れたが、さいたま市はほぼ無風。前夜から降り続けた雨が朝方まで残ったものの、午前9時の予選開始までにはやんだ。午後の決勝がスタートする頃には青空になり、Tシャツ1枚でも過ごせる「暑さ」になった。一方で、早朝に強風の予報が出ていた為、同じ会場での開催が予定されていたイベント「西来るフェスタ」は、残念ながら中止となってしまった。

高校生男子 篠田幸希が優勝

高石杯が懸かった高校生男子は、3組に分けて行われた予選を勝ち上がった48名が決勝に出走。35分+2周で行われた。

スタート直後から集団が縦長に伸び、あちこちで中切れが発生。20分が経過する頃には、先頭集団は20名程度に絞られる。残り3周が掲示された時点で残ったのは15人。アジア選手権ロード3位の花田聖誠ら昭和第一学園の3人が集団の先頭に出て最終周回に入っていく。

最終コーナーを抜けて残り200m、篠田幸希(群馬県立前橋工業高校)が先頭に出る。後続が離れている事を確認すると、ガッツポーズを決めてゴールした。

「昨日から調子が良いと感じていました。今日は先頭を長く引いても足が残っていたので、勝てると思っていました。」と言う篠田。「4月から3年になります。高校最後の年なので、インターハイと国体を獲れるように、この調子を維持していきたい。」と、今年の抱負を語ってくれた。

高校生男子(10周/25km)
1位 篠田幸希(群馬県立前橋工業高校) 37分42秒39.77km/h
2位 真杉匠(作新学院高校) +1秒
3位 渡辺慶太(埼玉県立浦和工業高校) +2秒
4位 東亮介(都立八王子桑志自転車競技部)
5位 花田聖誠(昭和第一学園)
6位 越智崇裕(日本大学藤沢高校)
7位 床井亮太(作新学院高校)
8位 石井司(川口市自転車競技連盟) +3秒



一般男子 小畑郁が優勝

一般男子 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)を先頭にスプリント一般男子 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)を先頭にスプリント photo:Satoru.Kato
一般男子 決勝スタート一般男子 決勝スタート photo:Satoru.Kato一般男子 レース序盤に先頭を引く高木三千成(立教大学)後方では中切れが起きている一般男子 レース序盤に先頭を引く高木三千成(立教大学)後方では中切れが起きている photo:Satoru.Kato一般男子 レース終盤に残った13人一般男子 レース終盤に残った13人 photo:Satoru.Kato一般男子 表彰 1位から3位までにはJAさいたまからお米の賞品一般男子 表彰 1位から3位までにはJAさいたまからお米の賞品 photo:Satoru.Kato一般男子は2組に分けて行われた予選を勝ち上がった50人が決勝に進み、45分+2周で行われた。

高校生同様にスタート直後からハイスピードな時間が続き、集団は常に1列棒状。10分と経たないうちに集団はばらけ始め、20分過ぎまでに先頭集団は14人ほどまで絞られる。この中には、小畑郁(なるしまフレンド)、北野普識(イナーメ信濃山形)、高岡亮寛(イナーメ信濃山形)、小室雅成(ウォークライド)、高木三千成(立教大学)らに混じって、高校生の石原悠希(真岡工業高校)の姿も。

残り2周、先頭集団で中切れが起きかけるが、ゴールが見えて牽制が入り始めた事から1つにまとまって最終周回へ。最後のホームストレートに入ってきた集団の先頭は小畑。後続の2位争いを確認する事なくゴールラインを駆け抜けた。

「チームから出場した3人とも決勝に残れたんですけれど、序盤にトラブルなどで遅れて気がついたら自分1人になってしまいました。強い人ばかりが残っていたので、それでもチャンスはあるだろうと最後の局面に向けてレースを進めました。」と、決勝のレースを振り返る小畑。「来月からJプロツアーも始まるので、もっと調子を上げて備えたいですね。」と、気持ちはすでに本シーズン開幕へ向いているようだ。

一方、高校生ながら一般の部に出場し、終始先頭集団で奮闘した石原。「集団の人数を絞ろうと思って先頭でペースを上げたりしてみましたけど、強い人ばかりなのでうまくいきませんでした。最後はしかけ方を間違えてしまいました。悔しい結果です。」と話す。昨年11月のJBCF幕張クリテリウムでも果敢な逃げを見せたが「実は平地コースはあまり得意ではないんです」とも。4月からは大学進学が決まっている石原。「学連レースで頑張ります」と宣言してくれた。

一般男子(13周/32.5km)
1位 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム) 45分41秒 42.68km/h
2位 小室雅成(ウォークライド) 
3位 山本雅道(神奈川県・シエルヴォ奈良)
4位 川田優作(Honda栃木) +1秒
5位 阿部航大(Honda栃木)
6位 高岡亮寛(イナーメ信濃山形) +2秒
7位 高木三千成(立教大学)
8位 石原悠希(真岡工業高校)



オープン女子 細谷夢菜が2連覇

オープン女子 単独逃げ切りでゴールする細谷夢菜(浦和工業高校)オープン女子 単独逃げ切りでゴールする細谷夢菜(浦和工業高校) photo:Satoru.Kato女子は予選なしの決勝のみ。25分+2周で行われた。

スタート直後から細谷夢菜(浦和工業高校)と石井菜摘(作新学院高校)の2人が抜け出して先行。しかし3周目に細谷が石井を置き去りにして独走を開始する。細谷は後続との差を1分まで広げてゴール。2位に藤田まりあが入って浦和工業高校の1・2フィニッシュとなった。

「アジア選手権が不本意なところがあったので、日本代表として恥じないレースをしようと思っていました」と言う細谷。今日は勝ち方にもこだわった。珍しくガッツポーズでゴールした事を聞くと、「初めて独走逃げ切りで勝ったので、ガッツポーズしてしまいました」と話す。「今年は高校最後なので、後輩に抜かれないような記録を作っていけるようにしたい」と、高校3年生の決意を語ってくれた。

オープン女子(8周/20km)
1位 細谷夢菜(埼玉県立浦和工業高校) 32分59秒 36.37km/h
2位 藤田まりあ(埼玉県立浦和工業高校) +59秒
3位 石井菜摘(作新学院高校) +1分
4位 高橋吹歌(Ready Go JPAAN) +1分1秒
5位 小口加奈絵(作新学院高校) +1分4秒
6位 戸井田敬子
7位 塩浦穂香(東京都立多摩高校) +2分39秒
8位 石井美絵(AQULS内房レーシング) 1Lap



中学生 小野寺慶が3周を逃げ切って優勝

中学生男子 3周を逃げ切って優勝した小野寺慶(ブラウブリッツェン)中学生男子 3周を逃げ切って優勝した小野寺慶(ブラウブリッツェン) photo:Satoru.Kato3周で行われた中学生の部には13人が出場。スタート直後から飛び出した小野寺慶(ブラウブリッツェン)が、3周を独走で逃げ切って優勝した。

中学生男子(3周/7.5km) 
1位 小野寺慶(ブラウブリッツェン) 10分59秒 40.95km/h
2位 福田圭晃(Team BFY Racing) +25秒
3位 海野晋作(バイクルプラザRT)
4位 篠原輝利
5位 五十嵐洸太(Team BFY Racing) +26秒
6位 相原士穏(湘南ベルマーレサイクル) +42秒
7位 江見俊輔(中央区立銀座中学校/チームオーベスト) +58秒
8位 外園晋之介(川口市自転車競技連盟) +1分



text&photo:Satoru.Kato

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