チームカー発表会場は巨大なごま焙煎機の前。油脂製品で世界的シェアを誇る竹本油脂㈱という異色の取り合わせで発表会に臨んだのは自転車の普及に力を入れるTeam Zenkoの辻善光だ。



巨大なごま焙煎機の前でチームカーのお披露目巨大なごま焙煎機の前でチームカーのお披露目 photo:Hideaki TAKAGI
プロロード選手を引退し普及活動やトライアスロンに力を入れる辻善光プロロード選手を引退し普及活動やトライアスロンに力を入れる辻善光 photo:Hideaki TAKAGI辻善光(Team Zenko)が2016年シーズンの活動内容とチームカーの発表を2月9日、竹本油脂株式会社(愛知県蒲郡市)にて行った。2014年にプロロードレーサーを引退した辻は、自転車の普及を目指した活動や、トライアスロン、シクロクロスに出場している。

1984年奈良県生まれの辻は立命館大学在学中にツール・ド・北海道で山岳リーダージャージを学生として初めて着用。卒業後はマトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、チーム右京、湘南ベルマーレに所属。その間にツール・ド・熊野(UCI2.2)でステージ優勝、Jプロツアー白浜クリテリウムで2年連続優勝、同湾岸クリテリウム優勝などスプリンターとして活躍した。

現在は京都府内に住み、辻一人のチーム「Team Zenko」として各種の活動を行っている。プロ選手としてのロードレースからは引退したが、現在は普及活動とともにトライアスロンやシクロクロスに力を入れる。そしてそれら活動を支援するスポンサーとして竹本油脂はじめ辻が獲得してきたスポンサー各社が並ぶ。

竹本油脂とは
竹本油脂㈱の代表的ごま油製品竹本油脂㈱の代表的ごま油製品 photo:Hideaki TAKAGIメインスポンサーの竹本油脂は、ごま油等のごま関連食品をはじめ、化学工業用油脂製品等を製造する会社で、それぞれの分野で世界的なシェアを持つ。1725年に創業し菜種、綿実の搾油を行い、その後に化学工業分野へ進出し、今では後者を主としている。家庭ではマルホン胡麻油が知られており、高級料亭などでは圧倒的シェアを持つ。
辻善光所有の車にラッピングを施した辻善光所有の車にラッピングを施した photo:Hideaki TAKAGIMCは吉本興業株式会社 愛知県住みます芸人の”シンポジウムR”MCは吉本興業株式会社 愛知県住みます芸人の”シンポジウムR” photo:Hideaki TAKAGITeam Zenkoを支援する企業Team Zenkoを支援する企業 photo:Hideaki TAKAGI
ごまの焙煎機前でチームカーのお披露目
2月9日、竹本油脂の亀岩工場(蒲郡市)敷地内の巨大なごま焙煎機前で行われたTeam Zenkoチームカー発表会。辻所有のBMWにラッピングされたチームカーが除幕されると驚きの声が上がる。スポンサーの竹本油脂をはじめサプライヤーや一般参加者も加わり、チームカー作成の経緯や辻の2016年活動について耳を傾ける。MCは吉本興業株式会社から愛知県住みます芸人の”シンポジウムR”が務めた。辻自身も2015年から吉本興業のふるさとアスリートに登録している。

チームカーお披露目の後は工場見学、そして場所を移してごま油に関するミニイベントが。ごま油を使ったから揚げやシフォンケーキなどを”わづか茶”とともにいただく。さくっとした口当たりで油っこくないから揚げには驚く。そして”油は体に良い”という辻の話にも驚く。毎日ごま油を摂取し、プロロード選手を引退してもなお体脂肪率数%を誇る辻の肉体美がそれを実証している。油=肥満という単純な図式は間違いなのだ。

竹本油脂株式会社第一事業部営業推進グループ村越光博さん
「弊社の製品をアスリートに使って欲しいとずっと考えていましたが、なかなかそのチャンスに恵まれませんでした。そういうなかで昨年6月に辻さんと出会った。油は体にいいという話に共感できましたので辻さんを支援させていただくこととなりました。辻さんと出会ってすぐにサポートさせていただいて半年。辻さんの行動力に驚くとともに、ここまでどんどん話がまとまったのが感慨深いですね」
ツール・ド・熊野2010第1ステージで優勝する辻善光ツール・ド・熊野2010第1ステージで優勝する辻善光 photo:Hideaki TAKAGI
「油を摂らないと油は燃えない」辻善光
辻は言う。「”油を摂らないと油は燃えない”と、ユキヤ(新城幸也)に言われたことがずっと頭の中に残っていたんです。U23日本ナショナルチームのイタリア遠征のときでした。向こうではパスタにオリーブオイルをかけます。体脂肪を気にする選手がオイルをたくさん摂るんです。それで油のこと、ごま油を調べるうちに竹本油脂の”お問い合わせ”窓口へメールしたのがきっかけです」
ごまの効能などを知るミニイベント。とにかくおいしいごまの効能などを知るミニイベント。とにかくおいしい photo:Hideaki TAKAGI
チームカーを作りたかった
プロロード選手は引退したが燃え尽きていないものがあるという辻。だからこそレースがかっこいい存在であって欲しいと願う。「チームカーを作ることは夢のひとつでした。ドラパックポルシェのチームカーがポルシェのパナメーラなのを見てとてもかっこよかった。それがきっかけですね。子供たちや大人でも、ああかっこいいなと思ってもらえるような、そういうチームカーをいつか自分も持ちたいと。それが実現しました」

イベントを重視したい
「特に宇都宮ブリッツェンとチーム右京での地域貢献活動イベントの経験が大きかったですね。スポンサー獲得の行動も起こせたし。今年は昨年からのキッズスクールをもっと継続させます。小学校へも行きたいですね。そしてレースのかっこよさはプロ選手が伝えるので、自分はレース以外の部分の自転車のかっこよさを伝えたいです。そしてトライアスロンに出てシクロクロスもやります」

若い選手に輝いて欲しい
「今回多くの人の支援でここまできましたが、すべて最初は自分ひとりでスタートしたものです。現役選手、若手選手は迷うことも多いし経験も少ないでしょう。ならば私ができる範囲でそういった選手たちの支援もしたい、私の経験を伝えたい、そう考えています。私が教わった宇都宮ブリッツェンの柿沼さんと廣瀬さんはすばらしい存在です。自分は2人に続く位置に立ちたい、そう願っています」

会場は竹本油脂㈱のごま焙煎機の前会場は竹本油脂㈱のごま焙煎機の前 photo:Hideaki TAKAGI
辻は2016年の活動をこのチームカーで移動しながら行う。まずは2月13日のシクロクロス東京からだ。

プロモーションビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=TZIiaC90rTk
撮影・編集 ポジティヴワン 大阪メディアセンター

カーデザイン
ウームデザイン株式会社
http://www.um-labo.com

カーラッピング
レストオートサービス
http://wellplus.jp/restauto.html

photo&text:高木秀彰