混戦のスプリントはジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)とニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、トレック・セガフレード)の写真判定に持ち込まれ、マーフィーに軍配。窪木一茂が13位、別府史之が14位でフィニッシュした。



チームスカイとオリカ・グリーンエッジがメイン集団をコントロールチームスカイとオリカ・グリーンエッジがメイン集団をコントロール photo:Jayco Herald Sun Tour


ヴィクトリア州南部の海岸線を走るヴィクトリア州南部の海岸線を走る photo:Jayco Herald Sun Tourヴィクトリア州南部を走る146kmのジェイコ・ヘラルドサンツアー第3ステージは今大会最後のスプリントステージ。翌日に控えたアーサーズシート山頂フィニッシュを前に、スプリンターチームがレースの主導権を握った。

この日も地元オーストラリア勢が積極的にエスケープこの日も地元オーストラリア勢が積極的にエスケープ photo:Jayco Herald Sun TourオーストラリアのUCIコンチネンタルライダー5名で形成された逃げグループはメイン集団から大きなアドバンテージを稼ぎ出せず。チームスカイとオリカ・グリーンエッジの連合軍率いる大集団が着実にタイム差を詰め、残り10kmを切って逃げを飲み込んだ。

ポイント賞ジャージを着るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)ポイント賞ジャージを着るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Jayco Herald Sun Tourスプリンターチームによるハイスピードバトルが続き、左90度の狭い最終コーナーにさしかかる。残り500mに位置するこの90度コーナーに向かってスプリント状態で突っ込んだユナイテッドヘルスケアが先頭でマーフィーを解き放った。

ハンドルを投げるジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)とニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、トレック・セガフレード)ハンドルを投げるジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)とニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:Jayco Herald Sun Tour2015年に2年連続ツアー・オブ・ジャパン東京ステージ制覇を果たしたボニファツィオが追い上げ、マーフィーと並んでハンドルを投げ込む。僅差のフィニッシュは写真判定に持ち込まれ、マーフィーの先着が決まった。

ステージ優勝を飾ったジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)ステージ優勝を飾ったジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) photo:Jayco Herald Sun Tour圧倒的なスピードでスプリントを支配していたカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)は最終コーナーでのポジション取りに失敗し、追い上げたものの6位に。マーフィーは「仮にユアンが前で先に仕掛けていたら、成す術がなかったと思う。だから何としても今日は前でスプリントを開始する必要があったんだ」と、この日の戦略について語る。

「無敵のスプリンターなんていない。強いチームを味方につけていればどんなスプリンターにも立ち向かえる。ユナイテッドヘルスケアのチームメイトたちのおかげで、パーフェクトなポジションで最終コーナーをクリアした。そこから自分のスプリントをするだけだった」とマーフィー。2006年のヘラルドサンツアーでプロデビューした31歳のスプリンターが、2015年USAプロチャレンジ最終ステージ以来となる勝利を飾った。

集団の中程では全日本チャンピオンの窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)と別府史之(トレック・セガフレード)が並んでフィニッシュ。それぞれステージ13位と14位という成績を残している。

危なげなく集団内でフィニッシュしたピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)はリーダージャージを着て最終ステージに挑むことに。ケノーはチームメイトのクリス・フルーム(イギリス)から13秒、ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、トレック・セガフレード)から31秒リードし、最終日のアーサーズシート山頂フィニッシュに挑む。

ケノーは「もしフルーミーが絶好調なら、彼がアタックしてレースを支配することが出来るだろう。でもレースはそんな簡単なものじゃない。しっかりと戦略を組んでチームとして闘うよ。長くない登りではジャック・ボブリッジのような選手が危険な存在だ。アヴァンティチームのような、シーズン真っ盛りのオーストラリア勢も仕掛けてくるだろう」と語っている。

選手コメントはレース公式サイトより。






ジェイコ・ヘラルドサンツアー2016第3ステージ結果
1位 ジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
2位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、トレック・セガフレード)
3位 スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ワンプロサイクリング)
4位 ジェシー・ケリソン(オーストラリア、ステートオブマター・マープ)
5位 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、アヴァンティ)
6位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 ニール・ヴァンデルプローグ(オーストラリア、アヴァンティ)
8位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
9位 アリステア・ドノホー(オーストラリア、コーダメンサ)
10位 ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)
13位 窪木一茂(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)
14位 別府史之(日本、トレック・セガフレード)
39位 小石祐馬(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)

個人総合成績
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)          6h33’21”
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)            +13”
3位 ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、トレック・セガフレード)  +31”
4位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)    +48”
5位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンプロサイクリング)    +52”
6位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)   +53”
7位 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、アヴァンティ)      +54”
8位 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ)
9位 パトリック・ショー(オーストラリア、アヴァンティ)        +55”
10位 ジョゼフ・クーパー(ニュージーランド、アヴァンティ)

ポイント賞
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)

山岳賞
1位 クリス・ハーパー(オーストラリア、ステートオブマター・マープ)

U23ライダー賞
1位 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、コーダメンサ)

チーム総合成績
1位 チームスカイ

text:Kei Tsuji
photo:Bettini Photo

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