ジェイコ・ヘラルドサンツアーの第1ステージでチームスカイ勢が攻撃開始。クリス・フルーム(イギリス)とともに先行したピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)がステージ優勝と総合リーダージャージをつかんだ。



1級山岳でアタックするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)1級山岳でアタックするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Bettini Photo


ジェイコ・ヘラルドサンツアー2016第1ステージジェイコ・ヘラルドサンツアー2016第1ステージ photo:Jayco Herald Sun Tour全日本チャンピオンの窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)全日本チャンピオンの窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Bettini Photoメルボルン近郊のヒールズビルを発着する126kmコースには2つのカテゴリー山岳が組み込まれており、1級山岳サンレオナルド(登坂距離8.4km/平均勾配6%)が残り21km地点で登場する。この1級山岳を前に、チームスカイとドラパック率いるメイン集団はクリスティアン・ハウス(イギリス、ワンプロサイクリング)ら6名の逃げグループを吸収。チームスカイがハイペースを刻む集団から、ツール・ド・フランス覇者クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がアタックを仕掛けた。

ワンツーフィニッシュするクリス・フルームとピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)ワンツーフィニッシュするクリス・フルームとピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) photo:Bettini Photoフルームにはチームメイトのケノーがジョインし、その後ろではダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)とジョナサン・クラーク(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)、ベン・ディボール(オーストラリア、コーダメンサ)の3名が追走グループを形成する。しかしタイム差は縮まらず、フルームとケノーは1級山岳サンレオナルドの頂上をクリアするとともにヒールズビルへの下りに突入した。

最終的に29名の追走集団が追いかけたが、タイム差を詰め切るには至らない。フルームとケノーが追走集団を17秒振り切ってフィニッシュ。イギリスチャンピオンのケノーが前でフィニッシュラインを切った。

カデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレースで独走勝利を飾ったケノーがシーズン2勝目。リーダージャージを着るウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパック)が3分遅れでフィニッシュしたため、総合首位の座も転がり込んできた。フルームは山岳賞ジャージを手にしている。

「今日はチームの戦略が完璧にはまったと思う。フルーミーのためにハードな展開に持ち込んで、そこから彼がアタック。状況を判断するためにしばらく様子を見ていたけど、誰も反応出来ていなかったので、単独でジャンプして彼に追いついたんだ。そこから頂上まで彼がペースを作り、下りでようやくローテーションすることが出来た。フルーミーには感謝の気持ちでいっぱいだ」とケノーはチームの勝利を振り返る。

シーズン初戦から好調ぶりを見せたフルームは「チームスカイはスプリンターを連れてきていないので、やるべきことは限られている。今日はチームメイトたちが完璧なお膳立てをしてくれた。登りの前半を可能な限りハイペースで引き続け、そこからバトンタッチするようにアタックした。これまで献身的にアシストしてくれたピーターのために動いて、彼が勝利するのを見るのは素晴らしい気分。ピーターは調子が良いので、総合リードを守りたいと思う」とコメントしている(レース公式サイトより)

続く第2ステージと第3ステージはスプリンター向きで、最終第4ステージには山頂フィニッシュが登場。総合でワンツー体制を築くチームスカイが主導権を握っている。






ジェイコ・ヘラルドサンツアー2016第1ステージ結果
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)          3h01’47”
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
3位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンプロサイクリング)    +17”
4位 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ)
5位 ジョゼフ・クーパー(ニュージーランド、アヴァンティ)
6位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、アヴァンティ)
8位 ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、トレック・セガフレード)
9位 ネイサン・アール(オーストラリア、ドラパック)
10位 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、コーダメンサ)
45位 別府史之(日本、トレック・セガフレード)           +5’08”
53位 窪木一茂(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)
58位 小石祐馬(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)

個人総合成績
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)          3h04’16”
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)            +07”
3位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンプロサイクリング)    +23”
4位 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ)         +25”
5位 ジョゼフ・クーパー(ニュージーランド、アヴァンティ)       +26”
6位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)   +27”
7位 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、アヴァンティ)
8位 ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、トレック・セガフレード)  +28”
9位 ネイサン・アール(オーストラリア、ドラパック)
10位 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、コーダメンサ)

ポイント賞
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)

山岳賞
1位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

U23ライダー賞
1位 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、コーダメンサ)

チーム総合成績
1位 チームスカイ

text:Kei Tsuji
photo:Bettini Photo

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