ベロドロームで開催されているアジア選手権。2日目は4㎞団体追抜き、ケイリン、500mタイムトライアル、スクラッチの4種目と、パラサイクリングの個人追抜き、タンデム1㎞タイムトライアルが行われた。



スクラッチ 落車のトラブルを乗り越えて倉林巧和が金メダル

規定周回数を走ってゴールの着順で争うスクラッチ。250mバンク60周15㎞で争われた男子エリートには、14人が出走。日本からは倉林巧和(日本体育大学大学院)が出場した。倉林は序盤からレースの流れを自らつくる積極的な走りをするが、中盤にカザフスタンの選手と接触して落車。幸いにも体にダメージはなく、ニュートラリゼーションを使って復帰。残り2周、集団の前に出て勝負に出るも、最終周回にマレーシアの選手に先行され、2着でゴールする。しかし、マレーシアの選手が追い抜きをする際にブルーライン(走路の内側にある水色の帯の部分)を走ったとして降格となり、倉林が繰り上げで優勝となった。

スクラッチ男子エリート 集団先頭で最終周回に入る倉林巧和(日本体育大学大学院)スクラッチ男子エリート 集団先頭で最終周回に入る倉林巧和(日本体育大学大学院) photo:Hideaki.Takagi
スクラッチ 男子エリートで優勝した倉林巧和(日本体育大学大学院)スクラッチ 男子エリートで優勝した倉林巧和(日本体育大学大学院)
スクラッチ男子ジュニア 脇本勇希(科学技術高校)は落車によりリタイアスクラッチ男子ジュニア 脇本勇希(科学技術高校)は落車によりリタイア photo:Satoru.Kato昨年のアジア選手権では、ポイントレースで優勝している倉林。2年連続でアジアチャンピオンになれた事については「狙っていたので嬉しいです。」と話す。「落車して体が痛かったんですけど、声援にもおされて走る事が出来ましたし、勝てると思っていました。最後マレーシアの選手に行かれた時は、これいいの?と思っていたんですけど、飯島コーチが大丈夫だと言ってくれて。でも降格が確定するまでは不安でした。」

一方、40周10㎞で行われた男子ジュニアには、12人が出走。日本からは脇本勇希(科学技術高校)が出場したが、落車によりDNFに終わった。

スクラッチ 結果
男子エリート (15㎞)

1位 倉林巧和(日本体育大学大学院) 20分17秒
2位 ロバート・ガイネイェフ(カザフスタン)
3位 パク・コンウー(韓国)

男子ジュニア (10㎞)
1位 バ・ダイオン(韓国) 12分53秒
2位 レン・チュンパク・フィリップ(香港)
3位 アミール・ジャンシーディアン(イラン)
DNF 脇本勇希(科学技術高校)



4㎞団体追抜き 男女エリートは日本記録を出して決勝に進むも銀メダル

初日に予選が行われた4㎞団体追抜きは、午前中に1回戦、午後から決勝が行われた。

4km団体追抜き 男子エリート 窪木一茂(ニッポ・ヴィーニ・ファンティーニ)を先頭に走る日本チーム4km団体追抜き 男子エリート 窪木一茂(ニッポ・ヴィーニ・ファンティーニ)を先頭に走る日本チーム photo:Satoru.Kato
4km団体追抜き 男子エリート アジア新記録で優勝した中国4km団体追抜き 男子エリート アジア新記録で優勝した中国 photo:Satoru.Kato4km団体追抜き 女子エリート 梶原悠未(筑波大坂戸付属高校)を先頭に走る日本チーム4km団体追抜き 女子エリート 梶原悠未(筑波大坂戸付属高校)を先頭に走る日本チーム photo:Satoru.Kato男子エリートは、7つの国と地域が出場。窪木一茂(ニッポ・ヴィーニ・ファンティーニ)、一丸尚伍(ブリヂストンアンカー)、近谷涼(三和シャッター/マトリックスパワータグ)、原田裕成(鹿屋体育大学)の日本チームは、1回戦で4分3秒819の日本新記録を出して決勝に進出し、中国と対戦する。

序盤は中国をリードするも、後半に入って3人になったところで先頭交代が乱れてペースダウン。中国は4分3秒510のアジア新記録を出して、この種目3連覇を飾った。

チーム最年長の窪木は「ここまで中国に勝つ事を目標に合宿を重ねてやってきました。今日は日本記録は出したけれど、決勝では中国に2秒足りなかった。それはまだ準備が足りないという事だと思います。もっと自転車の事だけを考えてやっていかないとダメだと言う事がわかりました。」と、レース後に語った。

女子エリートには5つの国と地域が出場。日本からは上野みなみ(鹿屋体育大学大学院)、塚越さくら(鹿屋体育大学大学院)、中村妃智(日本体育大学)、梶原悠未(筑波大付属坂戸高校)のチームが出場した。男子エリート同様、1回戦で4分34秒709の日本新記録を出した日本チームは、決勝で中国と対戦。前半はリードを保つも、後半になって3人になるとペースダウン。最後まで4人を維持した中国に追いつかれ、銀メダルとなった。

ジュニアの男子と女子の日本チームは、決勝でそれぞれ韓国と対戦。男子は2秒、女子は9秒遅れの2位で銀メダルとなった。

4km団体追抜き 男子エリート 表彰4km団体追抜き 男子エリート 表彰
4km団体追抜き 男子エリート 2位銀メダルの日本チーム4km団体追抜き 男子エリート 2位銀メダルの日本チーム 4km団体追抜き 女子エリート 2位銀メダルの日本チーム4km団体追抜き 女子エリート 2位銀メダルの日本チーム

4km団体追抜き 男子ジュニア 2位銀メダルの日本チーム4km団体追抜き 男子ジュニア 2位銀メダルの日本チーム 4km団体追抜き 女子ジュニア 2位銀メダルの日本チーム4km団体追抜き 女子ジュニア 2位銀メダルの日本チーム


4㎞団体追抜き 結果
男子エリート

1位 中国 4分3秒510 アジア新記録
2位 日本 4分3秒819 ※1回戦時タイム 日本新記録
3位 韓国 4分7秒116

女子エリート
1位 中国 4分38秒055 ※1回戦時タイム
2位 日本 4分34秒709 ※1回戦時タイム 日本新記録
3位 韓国 4分38秒054

男子ジュニア
1位 韓国 4分15秒116 
2位 日本 4分16秒557
3位 カザフスタン 4分23秒777
※タイムはすべて1回戦時タイム

女子ジュニア
1位 韓国 4分46秒934
2位 日本 4分55秒317
3位 香港 5分0秒004 ※1回戦時タイム



500mタイムトライアル ジュニアで松井優佳が銀メダル

500mタイムトライアル 女子ジュニア 松井優佳(南大隅高校)は2位500mタイムトライアル 女子ジュニア 松井優佳(南大隅高校)は2位 photo:Satoru.Kato
500mタイムトライアル 女子エリート 梶田 舞(JPCA栃木)は6位500mタイムトライアル 女子エリート 梶田 舞(JPCA栃木)は6位 photo:Satoru.Kato500mタイムトライアル 女子ジュニア 表彰500mタイムトライアル 女子ジュニア 表彰


女子の500mタイムトライアルには、エリートに梶田舞(JPCA栃木)、ジュニアに松井優佳(南大隅高校)が出場。梶田は6位、松井が2位に入り、銀メダルを獲得した。

500mタイムトライアル 結果
女子エリート

1位 ゾン・チャンシ(中国) 33秒498 53.73㎞
2位 リ・ワイジ(香港) 33秒903
3位 シャオ・メイユ(台湾) 35秒090
6位 梶田 舞(JPCA栃木) 36秒751

女子ジュニア
1位 キム・ソヒュン(韓国) 36秒180
2位 松井優佳(南大隅高校) 37秒970
3位 キウ・ジンウェン(台湾) 38秒455



ケイリン 男子エリート 決勝に進出した渡邉一成(JPCA福島)と脇本雄太(JPCA福井)ケイリン 男子エリート 決勝に進出した渡邉一成(JPCA福島)と脇本雄太(JPCA福井) photo:Satoru.Katoケイリン 男子ジュニア 決勝に進出した東矢圭吾(千原台高校)と治田知也(吉田高校)ケイリン 男子ジュニア 決勝に進出した東矢圭吾(千原台高校)と治田知也(吉田高校) photo:Satoru.Katoケイリン 全員決勝進出もメダル獲得ならず

男子のケイリンは、エリートに渡邉一成(JPCA福島)と脇本雄太(JPCA福井)、ジュニアに東矢圭吾(千原台高校)と治田知也(吉田高校)が出場。全員が決勝に進むものの下位に沈み、メダル獲得はならなかった。

ケイリン 結果
男子エリート
1位 イム・チャビン(韓国)
2位 ズ・シャオ(中国)
3位 モハド・アジズハスニ・アワン
5位 渡邉一成(JPCA福島)
6位 脇本雄太(JPCA福井)

男子ジュニア
1位 キム・チェング(韓国)
2位 ジョン・ユンヒョク(韓国)
3位 マキシム・ナリョトフ(カザフスタン)
4位 東矢圭吾(千原台高校)
5位 治田知也(吉田高校)



パラサイクリング女子1kmタイムトライアルと3km追抜きで優勝した鹿沼由理恵・田中まい パラサイクリング女子1kmタイムトライアルと3km追抜きで優勝した鹿沼由理恵・田中まい  photo:Satoru.Katoパラサイクリング 個人追抜き 表彰 大城竜之(東京都立文京盲学校)/照井拓成(日本大学)が優勝パラサイクリング 個人追抜き 表彰 大城竜之(東京都立文京盲学校)/照井拓成(日本大学)が優勝 パラサイクリング 3km個人追抜き 表彰パラサイクリング 3km個人追抜き 表彰 その他結果
パラサイクリング

男子C1-3 3km個人追抜き
1位 藤田征樹(日立建機)
2位 リ・ザンユ(中国)
3位 リャン・ズイハ(中国)

男子B 4㎞個人追抜き
1位 大城竜之(東京都立文京盲学校)/照井拓成(日本大学)
2位 ムハマッド・アミン・ナジミ・ロムズィ/ムハマッド・カイルル・アドハ・ラソル(マレーシア)
3位 ムハマッド・アフィク・アフィフィー・リザン/モハマッド・ハフィズ・モハメッド・スフィアン(マレーシア)

男子B 1㎞タイムトライアル
1位 ムハマッド・アフィク・アフィフィー・リザン/モハマッド・ハフィズ・モハメッド・スフィアン(マレーシア) 1分5秒440
2位 大城竜之(東京都立文京盲学校)/照井拓成(日本大学) 1分6秒080
3位 ムハマッド・アミン・ナジミ・ロムズィ/ムハマッド・カイルル・アドハ・ラソル(マレーシア)
1分10秒660

男子C4-5 4㎞個人追抜き
1位 リウ・ジンヤン(中国)
2位 石井雅史(藤沢市みらい創造財団)
3位 ワン・ジアン(中国)

女子C1-5 500mタイムトライアル
1位 リ・ジェリ(中国) 37秒165
2位 ゾウ・ユファン(中国) 37秒312
3位 ルアン・ジャンピ(中国) 37秒676

女子B 1㎞タイムトライアル
1位 鹿沼由理恵/田中まい 1分10秒756 50.88㎞

女子B 3km個人追抜き
1位 鹿沼由理恵/田中まい 3分36秒755 49.83㎞

text&photo:Satoru.Kato