毎年12月から翌年2月にかけて、埼玉県行田市で開催される「浮城のまち行田クリテリウム」。その第1戦が12月13日に開催された。オフトレーニングに活用したいクリテリウムのシリーズ戦を紹介する。



一般公道を封鎖して行われる「浮城のまち行田(ぎょうだ)クリテリウム」一般公道を封鎖して行われる「浮城のまち行田(ぎょうだ)クリテリウム」 photo:Satoru KATO
行田市内にある忍城(おしじょう)クリテリウム会場から車で10分ほど行田市内にある忍城(おしじょう)クリテリウム会場から車で10分ほど photo:Satoru KATOU古代蓮の里にある高さ50mの展望台古代蓮の里にある高さ50mの展望台 photo:Satoru KATOU


「浮城のまち行田(ぎょうだ)クリテリウム」は、埼玉県自転車競技連盟が主催するクリテリウムのシリーズ戦だ。毎年12月に第1戦が開催され、年明け2月までの間に全4戦が開催される。埼玉県近隣のベテラン選手には元祖「埼玉クリテリウム」と言った方が馴染みがあるかもしれない。

余談だが、漢字で「埼玉」と書くと「埼玉県」の事で、ひらがなで「さいたま」と書くと「さいたま市」を指す。「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」は、「さいたま市」のイベントなのでひらがな表記である事をお間違いなく。

会場は埼玉県北部に位置する行田市。1000年以上前の種から咲いたと言われる蓮の花の池がある「古代蓮の里」近くの一般公道がコースだ。1周2.7kmのおよそ3分の1を占める長いストレートと、100m前後の間隔で6つの直角コーナーが連続するパートが組み合わされる。

第1戦最多エントリーとなった中級クラスのスタート第1戦最多エントリーとなった中級クラスのスタート photo:Satoru KATO行田クリテリウム名物コースの約1/3を占める長いホームストレート行田クリテリウム名物コースの約1/3を占める長いホームストレート photo:Satoru KATO

収穫期が終わった田畑の中を行く集団収穫期が終わった田畑の中を行く集団 photo:Satoru KATOコーナーで繰り返される減速と加速に、徐々に顔がゆがむコーナーで繰り返される減速と加速に、徐々に顔がゆがむ photo:Satoru KATO


カテゴリーは、マスターズ世代から中学生、高校生、女子、エリートなど9つ。全4戦にエントリーすると、4戦総合成績の表彰対象となる。総合成績はステージレースを模した形式で争われる。4戦のタイムの合計だけでなくボーナスタイムの設定もあり、各レースの1位から3位までに入ると10秒、6秒、4秒が差し引かれる。また、毎周回コントロールラインをトップ通過するとポイントが与えられ、各戦でポイント合計トップの選手にスプリント賞が与えられる。総合成績の表彰対象からは外れるが、1戦ごとのエントリーも可能だ。

冬の埼玉県北部は天気が安定すると晴れる日が多いのだが、第1戦は朝から曇り空で雨がぱらつく1日。それでもレース中は奇跡的に曇りのまま持ちこたえた。レースはいくつかのカテゴリーで逃げ切りがあったものの、多くのカテゴリーでは集団スプリントでの勝負となった。

第1戦のエリートは北野普識(イナーメ信濃山形)が優勝第1戦のエリートは北野普識(イナーメ信濃山形)が優勝 photo:Satoru KATO
多くのカテゴリーで繰り広げられる集団スプリント多くのカテゴリーで繰り広げられる集団スプリント photo:Satoru KATO昨年度の表彰式。エリートで総合優勝した北野普識(イナーメ信濃山形)昨年度の表彰式。エリートで総合優勝した北野普識(イナーメ信濃山形) photo:Satoru KATO


昨年度大会のエリートで総合優勝し、この第1戦でも優勝したイナーメ信濃山形の北野普識選手に、この大会について聞いてみた。

「行田クリテリウムは同じコース・似たメンバーで4戦あり、冬のモチベーションを保ってオフトレの効果を確かめるには最適のレースです。昨年度の総合優勝が、JPT開幕戦の宇都宮クリテリウムでスプリント賞獲得につながりました。コースは、クリテリウムらしいコーナーと、集団スプリントを思い切り出来る広いホームストレートが組み合わさって良いコースだと思います。

このコースのポイントは、個人タイムトライアルが出来る走りを心がけること。集団ではできるだけ前から5人目あたりを維持するようにして無駄脚を使わないようにします。集団中程の時はコーナーで前に詰まってブレーキを使わないように車間を開けて進入します。また、最後のスプリントでは自分のスプリントの距離をしっかり認識しておくこと。その上で、追い風の時はロングスプリント、向かい風の時は『早がけ』した人を利用するなど、判断しながらレースします。

レースを走る際は、まずは勝つこと、次に毎周回のスプリントポイントを全て取ること、そして逃げること、集団を壊すことを課題としています。第1戦で勝てたので、第2戦以降は逃げの持続力を高めていきたいと思っています。」



残り3戦は現在参加申し込み受付中

女子は併催されるロードレースカップシリーズの大学生との混走女子は併催されるロードレースカップシリーズの大学生との混走 photo:Satoru KATO大学生のロードレース・カップシリーズも、行田クリテリウムと同日に併催される大学生のロードレース・カップシリーズも、行田クリテリウムと同日に併催される photo:Satoru KATO「浮城のまち行田クリテリウム」は、現在参加者募集中だ。申込は各レースの12日前までとなっている。申込受付はWebサイトのエントリーフォームからのみ。詳しくは(一社)埼玉県自転車競技連盟の公式サイト http://www.saitama-cf.com/ をご参照頂きたい。

なお、日本学生自転車競技連盟主催の「全日本学生ロードレース・カップシリーズ」が同日に開催されるが、申込先と締切は別になるので、JICF公式サイト http://jicf.info/ をご参照頂きたい。

行田クリテリウム大会スケジュール
第2戦 1月10日(日)
第3戦 1月24日(日)
第4戦 2月21日(日)

参加・観戦される方々にお願い
行田クリテリウムは地元行田市の多大なご協力のもと、正式に道路使用許可を得て行われている。しかし、規制されているコース外での道交法に反した走行が警察や行田市などに通報されている。会場周辺は自動車の通行量が多いところであり、古代蓮の里に来られる一般の方も多い。コース外で自転車に乗る場合は左側一列走行と信号遵守、信号右折時は2段階右折を徹底して欲しい。貴重な公道レースを開催し続けるためにもご協力頂きたい。

photo&text:Satoru.Kato

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