UCI(国際自転車競技連盟)は、11月30日、ロードレースにおけるディスクブレーキのトライアルを2016年も継続することを発表した。2017年の全面解禁に向けて多くのチームがテストを行うと見られる。



ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)がディスクブレーキをテストゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)がディスクブレーキをテスト photo:Kei TsujiUCIはディスクブレーキの本格導入に向けた第一段階として、2015年8月と9月の2ヶ月間、1チームにつき2レースでディスクブレーキ搭載バイクの使用を解禁した。トレックファクトリーレーシングやエティックス・クイックステップをはじめ、数チームが実際にディスクブレーキ実戦でテストを行っている。

ディスクブレーキをテストするマルケル・イリサール(スペイン、トレックファクトリーレーシング)ディスクブレーキをテストするマルケル・イリサール(スペイン、トレックファクトリーレーシング) photo:Tim de Waele2016年はディスクブレーキのトライアルが第二段階に。1月1日以降は使用期間や回数を限定せず、すべてのUCIレースでディスクブレーキの使用が可能となる。対象となるのは全てのUCI登録チーム(UCIワールドチーム、UCIプロコンチネンタルチーム、UCIコンチネンタルチーム、UCIウィメンズチーム)だ。

UCIはプレスリリースの中で「UCIと選手、メカニック、大会主催者、ニュートラルサービス提供者、チーム、自転車産業、利害関係者を含むWFSGI(世界スポーツ用品工業連盟)はディスクブレーキのトライアルを2016年も継続することで一致した。2017年以降の全面解禁に向けて、1年間注意深くディスクブレーキの使用に関して観察していく」とコメントしている。

これにより2016年は従来のキャリパーブレーキとディスクブレーキがプロトンの中に混在する。多くのチームが春のクラシックや雨のレースを中心にディスクブレーキを投入すると見られるが、ブレーキ方式の違いから生まれる減速のタイミングの差や、高温になったブレーキローターの接触による怪我、パンク時のホイール交換にかかる時間、ニュートラルサービスの複雑さなど、様々な問題が出ると予想される。

メジャーコンポーネントメーカーの中ではシマノとスラムがすでにロードバイク用ディスクブレーキシステムを販売しており、UCIの方針に合わせてカンパニョーロも2社に追随すると見られる。シクロクロスでは2013年にUCIがディスクブレーキを解禁。ディスクブレーキ使用者は年々増加しているものの、現在でもカンチブレーキとの混在が続いている。

text:Kei Tsuji

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