スイスにて設計を、そしてイタリアにて製造を行う、気鋭のバイクブランド「KEMO(ケモ)」の国内展開が開始。F1マシンや航空宇宙産業に用いられる帯状の最先端カーボン「Textream superlight」を採用したフラッグシップ「KE-R8 5KS」と、素材違いの兄弟モデル「KE-R8 4KS」を紹介しよう。



ブルターニュ・セシェと共に昨年ツール初出場を果たしたケモブルターニュ・セシェと共に昨年ツール初出場を果たしたケモ photo:Tim de Waeleその歴史は浅いながらも、2014年にはフランスのプロコンチームであるブルターニュ・セシェと共にツール・ド・フランス初出場を果たしている「KEMO(ケモ)」。ブランドを指揮するコマリ兄弟は、多くのブランドが金属素材のバイクをフラッグシップに据えていた1990年代から20年以上に渡って、イタリアでカーボンバイクの開発と製造に携わってきたカーボンのエキスパートである。

そんな彼らがより理想のバイクを開発すべく立ち上げたのがKEMO(ケモ)だ。設計開発をスイスで行う一方、製造は優れた生産技術を有するイタリアの工房にて行っている。ラインアップはロードバイクが中心で、国内展開されるのは2モデルのTTバイクを合わせた計7モデル。取り扱いはSHIONO BICYCLEが行う。



ケモ KE-R8 5KS(カーボンホワイト)ケモ KE-R8 5KS(カーボンホワイト) photo:Yuya.Yamamoto
ハイエンドモデルに位置づけられる「KE-R8」は、シンプルなフレームデザインを採用しつつ、ケモが持つテクノロジーの粋を結集し開発されたプロユースモデル。エアロ形状をとるもう一つのハイエンド「KE-R5」に対するオールラウンドモデルであり、重量はもとより走りの軽さにこだわって開発されたという1台だ。

その技術的なコアとなるのが素材であり、「60T」という高張力カーボンと、耐力に優れる「5T」をミックス。素材本来の性能を発揮するために、1枚のプレプリグが可能な限り長くなるようレイアップを設計している。そして実際の製造行程では、カッティング時に素材の変質を起こしにくいデジタルCNCを使用し、各プレプリグを裁断。「EPS」プロセスにより成型中に各部の厚みをコントロールすることで強度低下の原因となる内部のシワを防止している。

ブランド名の頭文字をモチーフとしたケモのロゴブランド名の頭文字をモチーフとしたケモのロゴ 多面的な構造をとるシートチューブの接合部多面的な構造をとるシートチューブの接合部

振動吸収性に貢献するベンド形状のトップチューブ振動吸収性に貢献するベンド形状のトップチューブ 大きな弧を描くシートステー大きな弧を描くシートステー

ねじれ剛性に長ける正方形断面のダウンチューブねじれ剛性に長ける正方形断面のダウンチューブ BB386規格を採用するボトムブラケットシェルBB386規格を採用するボトムブラケットシェル


「KE-R8」は表層のカーボン別に「KE-R8 5KS」と「KE-R8 4KS」の2種類がラインアップされる。ブルターニュ・セシェが2014年のツールでメインバイクとして使用した「KE-R8 5KS」は大きな網目が特徴の「Textream superlight」を採用。一般的なカーボンが繊維を編みこむのに対して、TeXtreamは炭素シートを編み込んだ革新的な構造によりカーボン同士の隙間を埋めるレジンの量を軽減。これにより相反する強度向上と軽量化に同時に達成した。

一方の「KE-R8 4KS」は網目の細かな1Kカーボンを表層に採用。5KSと比較してわずかに重量増となるものの、ショック吸収性は高く、ホビーレーサーにも最適な剛性感に仕上がっているという。

フレーム形状は近年のトレンドに倣い、ヘッド~ダウンチューブ~BBのボトムラインが剛性を担っている。中でもBB周りはボリューム感あふれる設計となっており、シェル幅を目一杯拡幅することができるBB386規格を採用することで各チューブとの接続部の面積を拡大。そしてシートステーのBB側の端部は長方形断面とし、可能な限り横方向に拡幅。結果「KE-R8」は優れたペダリング剛性を実現した。

ケモ KE-R8 5KS(ブラック/イエロー)ケモ KE-R8 5KS(ブラック/イエロー) (c)SHIONO BICYCLE
ケモ KE-R8 5KS(ブラック/グリーン)ケモ KE-R8 5KS(ブラック/グリーン) (c)SHIONO BICYCLEケモ KE-R8 5KS(ブラック/オレンジ)ケモ KE-R8 5KS(ブラック/オレンジ) (c)SHIONO BICYCLE

ケモ KE-R8 5KS(ブラック/グレー)ケモ KE-R8 5KS(ブラック/グレー) (c)SHIONO BICYCLEケモ KE-R8 5KS(ブラック/ホワイト)ケモ KE-R8 5KS(ブラック/ホワイト) (c)SHIONO BICYCLE


一方、トップチューブからシートステーにかけては大きな弧を描くベンド形状とすることで、衝撃吸収性を高めている。サイズはXXS、XS、S、M、L、XLの6種類をラインアップ。フレーム(Sサイズ)とフォークの重量は「KE-R8 5KS」が908gと323g、「KE-R8 4KS」が969gと328gとなっている。

販売パッケージはコンポーネントの4種類の完成車とフレームセットの計5種類。完成車の場合はコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2、DURA-ACE、ULTEGRA Di2、ULTEGRAから選択可能だ。またホイールについてもシマノWH-9000 C-24 CL(DURA-ACEコンポ選択の場合)、WH-RS81-C24-CL(ULTEGRAコンポ選択の場合)、WH-RS11から予算や用途などに合わせて選択できる。

ケモ KE-R8 4KS(カーボンイエロー)ケモ KE-R8 4KS(カーボンイエロー) (c)SHIONO BICYCLEケモ KE-R8 4KS(カーボンホワイト)ケモ KE-R8 4KS(カーボンホワイト) (c)SHIONO BICYCLE

ケモ KE-R8 4KS(カーボンオレンジ)ケモ KE-R8 4KS(カーボンオレンジ) (c)SHIONO BICYCLE
KE-R8 4KSは表層に網目の細かな1Kカーボンを配しているKE-R8 4KSは表層に網目の細かな1Kカーボンを配している 開発設計はスイスにて行われている開発設計はスイスにて行われている


カラーバリエーションが豊富なことも「KE-R8」シリーズの特徴だ。 「KE-R8 5KS」はブラック/ホワイト、ブラック/グレー、ブラック/イエロー、ブラック/グリーン、ブラック/オレンジ、カーボンホワイトの6種類をラインアップ。「KE-R8 KS」は上記の6種類にカーボンオレンジとカーボンイエローを加えた計8種類展開だ。



ケモ KE-R8 5KS
フレーム素材:Textream superlight、60T
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
重 量:908g(フレーム単体Sサイズ)、323g(フォーク)
カラー:ブラック/ホワイト、ブラック/グレー、ブラック/イエロー、ブラック/グリーン、ブラック/オレンジ、カーボンホワイト
税抜価格(カッコ内はホイール):
シマノ DURA-ACE Di2 874,000円(WH-9000 C-24 CL)、767,000円(WH-RS11)
シマノ DURA-ACE 746,000円(WH-9000 C-24 CL)、639,000円(WH-RS11)
シマノ ULTEGRA Di2 670,000円(WH-RS81-C24-CL)、611,000円(WH-RS11)
シマノ ULTEGRA 598,000円(WH-RS81-C24-CL)、539,000円(WH-RS11)
フレームセット 410,000円(シートピラー付属)

ケモ KE-R8 4KS
フレーム素材:60T、1K
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
重 量:969g(フレーム単体Sサイズ)、328g(フォーク)
カラー:ブラック/ホワイト、ブラック/グレー、ブラック/イエロー、ブラック/グリーン、ブラック/オレンジ、カーボンホワイト、カーボンオレンジ、カーボンイエロー
税抜価格(カッコ内はホイール):
シマノ DURA-ACE Di2 820,000円(WH-9000 C-24 CL)、713,000円(WH-RS11)
シマノ DURA-ACE 693,000円(WH-9000 C-24 CL)、586,000円(WH-RS11)
シマノ ULTEGRA Di2 616,200円(WH-RS81-C24-CL)、557,000円(WH-RS11)
シマノ ULTEGRA 545,000円(WH-RS81-C24-CL)、486,000円(WH-RS11)
フレームセット 356,000円(シートピラー付属)

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