9月19日~20日にわたって島根県のMIZUHO MTB PARKで開催されたDOWNHILL SERIES 第5戦。清水一輝が2位に3秒もの差をつける好走で2年連続優勝を果たした。



DOWNIHLL SERIES#5 MIZUHO MTB PARKDOWNIHLL SERIES#5 MIZUHO MTB PARK (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA


ゴンドラ山頂付近からコースを見下ろすゴンドラ山頂付近からコースを見下ろす (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWAホームコースでエリート優勝を狙った田丸裕(SRAM LITEC rising)、惜しくも2位となったホームコースでエリート優勝を狙った田丸裕(SRAM LITEC rising)、惜しくも2位となった (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA木製のラダー、バームが多いのも瑞穂の特徴。ライダーは田中将之(FOGBIKES/チキンヒーロー)木製のラダー、バームが多いのも瑞穂の特徴。ライダーは田中将之(FOGBIKES/チキンヒーロー) (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA多くの参加者で盛り上がったMIZUHO NIGHTはこの大会の名物となっている多くの参加者で盛り上がったMIZUHO NIGHTはこの大会の名物となっている (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA第5戦となったMIZUHO MTB PARK大会は2年連続の快晴。初秋の青空と眩しいほどに芝生の緑が輝くシルバーウィーク初日に行われた。今会場はMTBコースとしては夏期の週末だけの営業ではありながらも、オープン4年にして年々ファンを増やし、今回は九州・中国・四国地方を中心に100名を越えるライダーが集まった。

レースコースは常設コースの中盤よりスタート。全長約1.9㎞、標高差328m。距離・標高差は昨年とほとんど変わりないものの、メイン会場から見える範囲にはクルマ越えジャンプやドロップオフなど、新セクションが用意された。

コース担当者が大事にするのは「ギャラリーの目線を意識した、ライダーも観客もテンションの上がるセクション作り」。造り手の思いの籠もった、乗っても観ても楽しいコースであるというのも、多くのライダーから支持を集める理由のひとつである。

54人が参加した土曜日のタイムドセッションの最速タイムは清水一輝選手(Patrol mountain FJC)の3分17秒063。0.837秒差で井本はじめ選手(SRAM/LITEC)が、そして2.775秒差で井手川直樹選手(AKI FACTORY/STRIDER)が続いた。

また、昨年に引き続き、フィニッシュゲート直前のジャンプでは「フィニッシュジャンプコンテスト」が行われ、瑞穂ハイランドのスタッフがジャンプのスタイルと飛距離を採点し、女子の部では末政実緒選手(SRAM/LITEC)が、男子の部では清水一輝選手(Patrol mountain FJC)が優勝。特別賞として、ローカルライダーの田丸裕選手(SRAM/LITEC rising)が表彰された。

そして、瑞穂といえば、前夜祭「MIZUHO NIGHT」。昨年も大好評だった前夜祭には80人以上が参加し、他県ライダーやプロライダーとの交流を楽しんだ。なかでも、今年から始めたPROライダーによる参加者交流企画の特別版として、「PROライダー全員に聞く 1本のゴープロ映像から読み解くコース攻略講座in MIZUHO NIGHT」を開講。

講師となるPROライダーは、井手川直樹選手、安達靖選手(SRAM/LITEC)、清水一輝選手、井本はじめ選手、阿藤寛選手(Topknot racing)、末政実緒選手という、国内トップライダーたち。小学生ライダーから、混戦のエリートクラスでの勝利を狙うライダーまで、内容の濃い講義に熱心に耳を傾けた。このコース・ライディング解説は1時間以上に及び、ライダーによってまったく違う、走り方やラインの選び方を一度に聞ける、参加者にとってはとても贅沢な時間となった。



混戦のエリートクラスを連勝で制した下垣大樹(Lapierre/重力技研)混戦のエリートクラスを連勝で制した下垣大樹(Lapierre/重力技研) (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA
アンドラでの世界選手権XCOジュニア日本代表の山田将輝(limited846/LITEC)はダウンヒルにもトライし、下りのスキルを磨いているアンドラでの世界選手権XCOジュニア日本代表の山田将輝(limited846/LITEC)はダウンヒルにもトライし、下りのスキルを磨いている (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA終始安定した走りの末政実緒(SRAM/LITEC)はジャンプも華麗にこなす終始安定した走りの末政実緒(SRAM/LITEC)はジャンプも華麗にこなす (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA




今年も赤いホットシートが用意され暫定首位から3位までの選手が後続を待つ今年も赤いホットシートが用意され暫定首位から3位までの選手が後続を待つ (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA4カメ体勢でレースの状況をライブ配信する試みも行われた4カメ体勢でレースの状況をライブ配信する試みも行われた (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA本戦当日。路面状況はスーパードライ。スポーツ男子クラスでは、DHバイクで出場したXCジュニアの世界選手権代表である山田将輝選手(Limited846/LITEC)が優勝。DHのトップライダーたちと2日間みっちり試走に取り組み、本番での本気の走りを間近で観る、という経験は同じMTBライダーといってもそうそうある機会ではない。山田選手のように、XCライダーの「下り強化」としてもDOWNHILL SERIESを積極的に使って貰いたいと思う。

激戦のエリートクラスは、常に優勝争いを繰り広げる下垣大樹選手(Lapierre/重力技研)、藤村飛丸選手(MUDDY CHOCOLATE/BlankyDog)に加え、広島県出身のローカルライダー田丸裕選手が参戦。「ここで勝たねばどこで勝つ!」と人一倍大きな声援が飛ぶ田丸選手は、結果2位。#4福井和泉でエリートクラス初優勝を飾った下垣選手が2連勝する結果となった。

PROクラスでは、隣県広島出身という事から、たくさんの応援も駆けつけた井手川選手の気合いは十分。「オレが勝つしかないね!」との宣言通り、タイムドセッションより約6秒も縮める3分12秒というタイムでフィニッシュ。レース後、「ビビりが入っちゃいました」と話した井本選手はそれを越えることができず、3分14秒に終わった。



コース攻略講座では司会進行をつとめた井手川直樹、たくさんの解釈とライン取りがある、と説明したセクションを飛ぶコース攻略講座では司会進行をつとめた井手川直樹、たくさんの解釈とライン取りがある、と説明したセクションを飛ぶ (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA「攻めきれなかった」と語った井本はじめ(SRAM/LITEC)は3位にとどまった「攻めきれなかった」と語った井本はじめ(SRAM/LITEC)は3位にとどまった (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA


昨年に続き、瑞穂で連勝を決めた清水一輝(PATROL mountain FJC)昨年に続き、瑞穂で連勝を決めた清水一輝(PATROL mountain FJC) (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA


PROクラス表彰式PROクラス表彰式 (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWAMCアリーの勝者インタビューに応える清水MCアリーの勝者インタビューに応える清水 (c)DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWAそして最終走者。清水選手が井手川選手を0.5秒上回るタイムで中間計測地点をパスすると、そこからは清水選手らしい勢いのある圧倒的な走りで3分9秒台を叩き出し、昨年のMIZUHO大会でも優勝した清水選手の2年連続優勝が決まった。

優勝した清水選手は、「スタート地点まで歓声が聞こえるくらいで興奮しました!」と話す。コースサイドにギャラリーが多いのも、MIZUHO大会の雰囲気を作り上げている大きな要素。
そして、勝因を「前夜祭でのムービー解説のおかげでコースをしっかり覚えられたこと」と話した清水選手。前夜祭でのコース解説は、参加者だけでなく、PROライダー自身にとっても良い時間になったようだ。

今年はフィニッシュ地点にモニターを並べ、スタート地点・中間地点をUstreamで配信するという新たな試みも行われた。なかなか観ることのない仲間や家族のスタート映像に観客・ライダーともに大反響だった。年々進化するMIZUHO MTB PARK。来年はどんな新しい試みを企んでくれるのか、今から楽しみでならない。

XC BIKEクラスでは秋山忍選手(チームWAVE)、ファーストタイマー男子クラスでは上野仁選手、エキスパート男子クラスでは地元広島の松木貴司選手(KLUB KATZ)がそれぞれ優勝。女子エリートクラスでは末政実緒選手が2位に30秒近い差を付けて優勝を決めた。

次戦は#6、9/27-28に富士見パノラマにて行われる。


report:DOWNHILL SERIES
photo:DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA