長い長い1週目がようやく終了。休息日を前にブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージを終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ初勝利を飾ったクリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)

小集団スプリントで勝利したクリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)小集団スプリントで勝利したクリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ) photo:Tim de Waele登りでの感触がとても良かったので今日はチャンスを逃したくなかった。このブエルタではすでに数回惜しいところでチャンスを逃していたので、落ち着いて残り200mまでスプリント開始を待ったんだ。

今まで味わったことのないセンセーショナルな気分。チームにとっても重要な勝利であり、キュベカ基金や(アフリカに寄贈する)5000台のバイクキャンペーンにもつながるんだ。

MTNキュベカのイェンス・ゼムケ監督

クリスティアン(ズバラーリ)にとって大きなマイルストーンになるアンビリーバブルな勝利。序盤のステージから勝負に絡んでいたもののニアミスが続いていた。今日彼は全てを完璧にこなし、チームにグランツールのステージ2勝目をもたらしてくれた。チームにとって素晴らしい瞬間だった。

ステージ3位のホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)

スプリントを繰り広げるクリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)らスプリントを繰り広げるクリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)ら photo:Tim de Waele惜しかった。あと少しで勝利に手が届いたのに。動かない脚を気持ちで動かしてスプリントした。このカステリョンで開催されたスペイン選手権で勝ったこともあり、開幕前から今日のステージには注目していた。でも(2日前の)落車で打ち付けた鎖骨が炎症で痛み、うまく力が入らなかった。チームに勝利をもたらそうと痛み止めを服用してガッツで挑んだものの、先頭でフィニッシュラインを切ることは出来なかった。

チームリーダー(バルベルデとキンタナ)が安全に走りきったことが最も重要。ブエルタはまだ2週間ある。引き続きチームでステージ優勝と総合での成績を追い求めていきたい。

前日に落車したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

バイクに跨って走っている状態では問題無いけど右腕を挙げると痛みが走る。ロードレースではミュゼットを取ったりボトルを掴んだり、右腕を使って色々なことをしなければならないんだ。それに加えて身体がリカバリーを要求しているので、簡単なステージではなかった。明日の休息日を有効活用して、水曜日(第11ステージ)で良い走りをしたい。

安全に平坦ステージを終えたエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)

今日は一日中ハイスピードな展開で、常に45〜50km/hは出ていた。昨日までと違って湿度も高く、まるでコロンビアのような暑さ。自分には問題なかったけど、この蒸し蒸しした暑さに苦しんだ選手は多かったと思う。

今日はレースよりもレース後の移動の方が厳しいと思う。(アンドラまで)チームバスで5時間移動。夕飯もバスの中で済ませるんだ。とにかく最初の休息日を迎えることをとてもとても嬉しく思う。水曜日の戦いが待っている。

レース序盤の逃げに乗り、敢闘賞を獲得したカルロス・ベローナ(スペイン、エティックス・クイックステップ)

40名の逃げ集団から飛び出すカルロス・ベローナ(スペイン、エティックス・クイックステップ)ら40名の逃げ集団から飛び出すカルロス・ベローナ(スペイン、エティックス・クイックステップ)ら photo:Tim de Waele40名弱という大きな逃げグループに入ったものの、協調体制が築けていなかったのでペースが上がらなかった。だから何回かアタックして飛び出したんだ。(トレックファクトリーレーシングの)リカルド・ゾイドルと一緒に抜け出すことに成功したけど、向かい風も吹いていたし、他のメンバーを振り切れなかった。何も失うことがないので全力で挑んだけど、逃げには厳しいステージだった。

明日は重要な休息日。その翌日は140kmに6つの山岳が詰め込まれ、獲得標高差が5000mに達するクイーンステージ。アンドラの登りと下りしかないようなコースレイアウトだけど、その地域でトレーニングを積んだ経験があるので、アグレッシブなスタイルを貫いて逃げに乗りたい。

チームスカイのダリオ・チオーニ監督

残り52km地点で落車したニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームスカイ)残り52km地点で落車したニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームスカイ) photo:Tim de Waele(ロッシュとエナオモントーヤの)落車は酷いものだったが、2人とも擦過傷や傷を負った程度で、大怪我を免れたので良かった。ニコ(ロッシュ)は勇敢な走りで問題なく集団に復帰。落車発生後のチームの動きは素晴らしかった。メンバー全員がそれぞれの役目を果たし、フルーミーのポジションをキープしながら、同時にニコとセルジオ(エナオモントーヤ)をフィニッシュまで連れて行った。

セルジオは集団に復帰出来なかったが、無事にフィニッシュしている。おそらく明日の朝起きたときに痛みを感じるだろうけど、休息日なのでしっかりと療養させたい。

ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームスカイ)

ようやくアンドラのホテルに到着した。なんと時間は0時25分!長い一日だった。長い一日が終わってホッとしている。おやすみなさい。

ティンコフ・サクソのトリスタン・ホフマン監督

序盤の逃げに選手を送り損ねたものの、ラファル(マイカ)の力を温存しながら上手くレースをこなせたと思う。ラファルを安全にフィニッシュまで送り届けたので、最後はダニエーレ(ベンナーティ)でスプリントに挑むことにした。残り500mの時点では良いポジションをキープしていたものの、前方を塞がれる形となって失速してしまった。

明日の休息日は脚を回すための軽いトレーニングライドに出かける予定。暑くて厳しいステージが続いた1週目を終え、いよいよ勝負が動く2週目が始まるので、この休息日は重要な役割を担う。第11ステージは今大会最も厳しいステージ。ラファルの総合争いにおいて重要な一日になるので、チーム一丸となって目標を達成したい。

ブエルタ1週目を走り終えた新城幸也(ユーロップカー)

今日もずっとハイペースなレースだった。でも最後の山岳に入るまでローマン(シカール)を守れて良かったし、ローマンの逃げも本当に惜しかった。体調が万全ではないので、決しい無理して追い込むことはしていない。細かな落車はあったものの、序盤の10ステージまで無事に走ってこれて良かった。明日の休養日はしっかり休んでリセットして後半に備えたい。

コメントはチーム公式サイトならびにTwitter、Teamユキヤ通信より。

text:Kei Tsuji