大会最初の山岳バトルを終えた選手たち。栄光をつかんだベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)やマイヨロホを守ったエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)のほか、この日の主役たちのコメントをお届けします。



ステージ優勝を飾ったベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)

ステージ優勝を飾ったベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)ステージ優勝を飾ったベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Tim de Waeleいつも逃げの中で最も強い選手が勝つわけじゃない。今日は作戦勝ちだった。チームのサポートを得て逃げに乗り、タイム差が広がったところで逃げ切りのチャンスを信じ始めた。

逃げグループの中には登坂力のあるチュルカがいたので警戒したけど、彼は意外にも登りで失速。そこから全開でアタックを繰り返すキュザンとコシェヴォイに食らいついたんだ。メイン集団が追いついてこないことを確信して、残り200mでスプリント。簡単に彼らを置き去りにすることが出来たよ。

逃げ切ってステージ2位に入ったイリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ)

夢の実現まであと一歩だった。ステージ優勝争いに絡めたことには満足しているけど、自分よりも強いライバルに負けて残念な思い。今日は序盤から好調で、最後の登りでも力は残っていた。自分向きの登りだったので何度かアタックを仕掛けたけど、リンデマンを引き離せなかった。

ステージ3位に入ったファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

大会最初の長い登りで、ライバルたちからリードを奪う最初のチャンスだった。誰が3週間戦い抜く準備が出来ているのか、今日明らかになったと思う。

総合首位を守ったエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)

マイヨロホを守ったエステバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)マイヨロホを守ったエステバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Tim de Waele総合首位を守ることが出来て本当にハッピーだ。最後は登坂時間が40〜50分間におよぶ長い登り。そこでもチームの動きはファンタスティックだった。総合首位という責任感は重大で、集中力を絶やさずに走ることに努めたよ。最初の本格的な山頂フィニッシュを終えた今、しっかりとリカバリーに励まないといけない。

自分を含めて誰もがステージ優勝を望んでいた。アルは重要なライバルだけど、自分には全員のアタックに反応出来るほどの余力はなかった。3週間の戦いを見据えて今は力を温存することも大切。まだまだ重要なステージが控えているし、今はとにかく集中力を保ちながらミスをしないことを心がけている。

ステージ7位&総合5位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

勝負所に備えるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)勝負所に備えるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Tim de Waeleモビスターは常に集団最前列で走っていたので、フルームがどんな表情で走っていたのか分からない。とにかく彼からタイムを奪えてよかった。大会最初の山頂フィニッシュはいつでも厳しく、この暑さが厳しさに輪をかけた。幸いナイロも自分も調子が良く、2人とも勝利を狙えるポジションにつけている。明日からのステージではダブルエースのアドバンテージを生かしたい。

ステージ8位&総合7位ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

まだ何も決まったわけじゃないけど、フルームから重要なタイム差を奪うことに成功した。この酷い暑さの中では、彼のような失速が誰にでも起こり得る。おそらくコンディションの問題ではなく、フルームは暑さにやられたんだと思う。結果的にアルには追いつかなかったものの、チームとしてタイム差を最小限に抑えることが出来た。

まだまだ混戦状態なので、作戦を変更すべきなのかも知れない。(バルベルデとの)ダブルエース体制を有効的に使ってライバルたちを引き離したい。現状、他のライバルたちはモビスターの出方を伺っている。

ステージ20位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)

誰もがフレッシュな状態だったので、集団の登坂スピードは極めて速かった。自分より前でフィニッシュした選手はいずれもビッグネーム。今年のブエルタのレベルはとても高いと感じている。

予想通り、最後の登り手前にある下りでモビスターが集団分裂を狙ってペースアップ。チームメイトに頼んで集団前方をキープし、良いポジションで登りに突入した。最終的にライバルたちから25秒遅れという結果はオーケー。2週目以降に挽回して、また集団内の争いに加わりたい。

敢闘賞を獲得したアメツ・チュルカ(スペイン、カハルーラル)

逃げ切りのチャンスがあると踏んで序盤からアタック合戦に加わった。メイン集団とのタイム差は縮まりつつあったものの、逃げ切れると思っていた。逃げグループ内でアタック合戦が始まった時、他のメンバーがアタックの処理を自分に押し付ける形になり、加減速を繰り返しているうちにタンクが空になってしまった。残念な結果になったけど、日に日に調子が上向きなのが救い。2週目と3週目に向けてさらなる動きを見せたい。

レース序盤にアタックした新城幸也(ユーロップカー)

今日も逃げに乗れなかった。10人くらいになった時は行ける!と思ったが、しっかりチェックされてなかなか逃がしてはくれない。ジェローム(キュザン)の最後の落車は本当に残念だが、あれだけ逃げ続けたのは立派だと思う。

頭がガンガンするような暑さで、脚の動きもいまいちだったので、明日は回復していることを願う。3級山岳からが勝負だと思うので粘ってゴールに備えます。

選手コメントはチーム公式サイトならびにTeamユキヤ通信より。

text:Kei Tsuji