平坦ステージを締めくくるベヘール・デ・ラ・フロンテーラの登りスプリントで勝利したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)の他、勝負に絡んだ選手、絡めなかった選手のコメントを紹介します。



ステージ優勝を掴んだアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

笑顔でシャンパンを開けるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)笑顔でシャンパンを開けるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Tim de Waele厳しいフィニッシュだと分かっていたものの、ツール閉幕からブエルタ開幕までの間に試走する時間がなく、今朝になってようやくインターネットでコースをチェックした。テクノロジーの進化によって全てチェック出来てしまうあたりがなんとも現代らしいと思ったよ。

残り400mから始まる登りの厳しさは自分向きだった。(早めにアタックした)ビルバオやサンチェス、ロッシュはリードを築けていなかったし、サガンを抑え込むことも出来た。ボーナスタイムによる総合ジャンプアップではなく、今日はステージ優勝を味わいたかったんだ。

しばらく強度の高い走りをしていなかったので、日曜日(第2ステージ)の3級山岳カミニート・デル・レイではリズムを掴めなかった。今日ここで勝ったからと言って自分が単独エースになるわけじゃない。ただ単に今日は自分向きのステージだっただけで、ナイロ(キンタナ)も調子は良いし、彼と自分がダブルエースであることに変わりはない。繰り返すけど、チームとして毎日様子を見ながら戦っていくよ。

ステージ2位のペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)

サガンを振り切ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)サガンを振り切ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Tim de Waeleとてもハードな1日だった。ティンコフ・サクソはほとんどの場面で集団先頭に立ってコントロール。バルベルデに「モビスターは協力する意思はある?」と尋ねたものの、明確な答えは返ってこなかった。

最後の登りは厳しく、まず高低差300mを登ってから下り、そこから登り返してフィニッシュ。登りの難易度を考えると、ステージ2位という成績には満足すべきなのかも知れない。特に残り400mは悪夢のような苦しさだったよ。諦めかけた時にクライマーたちが追い抜いていったので、最後の力を振り絞って対抗した。バルベルデに食らいついたものの、追い抜く力は残っていなかった。

ステージ優勝争いに絡めなかったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

今大会最もイージーなステージだった。大部分がフラットでフィニッシュは登り基調。残念ながら自分向きの登りではなかった。アタックを成功させるには勾配が足らなかったし、中間の下り区間にリズムを崩された。優勝には絡めなかったけど身体の感触も良いし、全てがスケジュール通りだ。

マイヨロホを守ったエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)

タイムを失うことなく集団内でフィニッシュするエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)タイムを失うことなく集団内でフィニッシュするエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Tim de Waele難易度の高いフィニッシュだった。幹線道路を60〜70km/hで駆け抜け、ブレーキングしてコーナーを曲がって登りに突入。しかも登り始めから10%オーバーという厳しいもの。サイモン・ゲランス、ダリル・インピー、キャメロン・マイヤー、ミッチェル・ドッカーのおかげでポジションをキープ出来た。彼らの働きは素晴らしかった。登りに入ってから単独になったものの、プリート(ロドリゲス)やバルベルデ、サガンから目を離さないようにして走った。

チームスカイのダリオダヴィデ・チオーニ監督

選手たちは常に良いポジションで走っていたし、終盤に3名がパンクしたけどタイムを失うことなく集団に復帰出来た。結果は良好だ。ハードなフィニッシュで、暑さとコースの長さによって予想以上に厳しいステージになった。

ステージ3位に入ったニコ(ロッシュ)だけでなく、フルーミーもトップ10フィニッシュし、セルジオ(エナオモントーヤ)やミケル(ニエベ)もしっかり集団内でフィニッシュ。グランツールの1週目で重要なのは余計なタイムを失わないこと。特に今日のようなパンチ力が必要な登りは危険なんだ。今週末の山岳ステージや2週目に向けてチームの状態は良くなっている。

ステージ61位でフィニッシュした新城幸也(ユーロップカー)

今日は予想以上にゴール手前の勾配がきつく、簡単なフラットステージではなかった。途中も横風が強く、140km地点からの海沿いは注意していた。ペースもすごく上がり、位置取りに脚を使ってしまい、最後にゴール勝負する力が残っていなかった。しかし疲れもたまっていないし、日に日にコンディションが良くなっているので、明後日ぐらいには逃げに乗るのは良いかもしれない。

選手コメントはチーム公式サイトならびにTeamユキヤ通信より。

text:Kei Tsuji