鈴木真理らが逃げる先頭は、宮澤の集団に20秒差で最終周回に突入。これ以上離れると鈴木が総合で逆転する。しかしステージ優勝の鈴木から15秒後に集団がゴール。宮澤は5秒差で総合2連覇を達成した。

グリーンジャージの宮澤崇史(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)。20秒差と言えど安心できないグリーンジャージの宮澤崇史(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)。20秒差と言えど安心できない photo:Hideaki.TAKAGI9月13日(日)、最終第6ステージが札幌市モエレ沼公園で行われた。1周2.75kmを22周する61kmのクリテリウム。朝までの小雨は止みかけている。
第5ステージで宮澤崇史(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)は総合2位の盛一大(愛三工業)に20秒の差をつけて首位に立った。よほどのことがない限り、総合優勝は決まったも同然だ。ただしこの最終ステージはボーナスタイムの合計が22秒と大きく、あまり油断はできない。

65人の選手がスタートラインに立つ。89人で始まったツール・ド・北海道。天候に概ね恵まれてスタートできる人数はやや多い。宮澤は厳しい表情。そして鈴木真理(シマノレーシング)も普段なら笑顔が出る場面だが厳しい表情。
1周目から北海道出身の阿部嵩之(シマノレーシング)がアタック。単独の逃げに成功する。阿部は昨年まで北海道地域選抜チームで出場していた。大声援をバックに後続との差を広げていく。
1周目からアタックした阿部嵩之(シマノレーシング)。大声援をバックに逃げ続ける1周目からアタックした阿部嵩之(シマノレーシング)。大声援をバックに逃げ続ける photo:Hideaki.TAKAGI

2回目のHSを取りに愛三、梅丹ら有力どころが前方にまとまる。その後に鈴木が単独アタックして先頭の阿部に合流、シマノ2人が逃げる。さらに次の周回でリース・ポロック(ドラパック・ポルシェ)も追いつき、先頭は3人で逃げる。そして後続集団も割れて、約20人がリード。各賞ジャージメンバーが揃っている。

鈴木は2回のHSを先頭通過で6秒稼ぐ。このままゴールを取ればボーナスタイムは16秒、ここまでの宮澤との総合タイム差は36秒。なので21秒以上リードしてゴールすれば鈴木が逆転総合優勝になる計算だ。
序盤は梅丹勢がコントロール序盤は梅丹勢がコントロール photo:Hideaki.TAKAGI

先頭は大逆転の逃げ切りを図ってハイペースで走る。追走19人は鈴木の浮上を阻止したい梅丹と愛三の2人ずつ計4人で引くがなかなか縮まらない。愛三は西谷と綾部が、梅丹は清水と福島が懸命に引く。

そしていよいよラスト周回へ。この時点でタイム差はなんと20秒。まさかの大逆転が見えてくる。ラストは鈴木真理がスプリントを制しステージ優勝。注目は宮澤含む集団とのタイム差だ。その集団が4位争いのスプリントをしてゴール。その差15秒。集団の中の宮澤は手を挙げる。宮澤の総合優勝が決まった。
鈴木真理と阿部嵩之(シマノレーシング)にリース・ポロック(ドラパック・ポルシェ)が追いつき先頭は3人に鈴木真理と阿部嵩之(シマノレーシング)にリース・ポロック(ドラパック・ポルシェ)が追いつき先頭は3人に photo:Hideaki.TAKAGI


結果
第5ステージ
1位 鈴木真理(シマノレーシング)1時間19分40秒
2位 リース・ポロック(ドラパック・ポルシェ)
3位 阿部嵩之(シマノレーシング)+03秒
4位 ジョン・チュンギョ(大韓民国チーム)+15秒
5位 マリウス・ヴィズィアック(TEAM NIPPO-COLNAGO)
6位 ピーター・マクドナルド(ドラパック・ポルシェ)
第2集団は梅丹と愛三がコントロール第2集団は梅丹と愛三がコントロール photo:Hideaki.TAKAGI

個人総合順位
1位 宮澤崇史(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)17時間30分37秒
2位 鈴木真理(シマノレーシング)+05秒
3位 盛一大(愛三工業)+19秒
4位 マリウス・ヴィズィアック(NIPPO)+20秒
5位 ザッカリ・デンプスター(ドラパック・ポルシェ)+23秒
6位 西谷泰治(愛三工業)+30秒


U23個人総合順位
1位 内間康平(鹿屋体育大学)17時間31分14秒
2位 西薗良太(東京大学)+07秒
3位 早川朋宏(法政大学)+10秒
ゴール、鈴木真理(シマノレーシング)がステージ優勝ゴール、鈴木真理(シマノレーシング)がステージ優勝 photo:Hideaki.TAKAGI

個人総合ポイント賞
1位 宮澤崇史(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)96点
2位 マリウス・ヴィズィアック(NIPPO)78点
3位 ヤン・キルシプー(ルトゥーア)74点


個人総合山岳賞
1位 清水都貴(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)27点
2位 青柳憲輝(法政大学)18点
3位 ディーン・ウィンザー(ドラパック・ポルシェ)15点
団体総合表彰、シマノレーシングが逆転優勝団体総合表彰、シマノレーシングが逆転優勝 photo:Hideaki.TAKAGI

団体総合時間賞
1位 シマノレーシング 52時間33分17秒
2位 愛三工業レーシングチーム +07秒
3位 ドラパック・ポルシェ +39秒

個人総合表彰個人総合表彰 photo:Hideaki.TAKAGI
photo&text:高木秀彰