UCI(国際自転車競技連盟)とカチューシャは、8月18日、プレスリリース内でジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)の3年前のサンプルからEPO(エリスロポエチン)が検出されたと発表した。パオリーニに続く2015年2件目のドーピング違反だが、チームはブエルタ・ア・エスパーニャに出場する見通しだ。



ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ) photo:Cor.Vosホアキン・ロドリゲス(スペイン)のアシストとしてブエルタに出場予定だったカルーゾのEPO陽性が発覚した。問題となったサンプルは2012年3月の競技外ドーピング検査で採取されたもの。科学的な新手法を用いて過去のサンプルを再検査するCADF(自転車競技アンチドーピング基金)の取り組みの一環として検査が行われた。

ミラノ〜トリノを制したジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)ミラノ〜トリノを制したジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ) photo:Cor.VosUCIのプレスリリースによると、過去のグランツールや世界選手権、様々な競技のランキング上位者のサンプルは再検査に備えて保管されており、その他の選手のサンプルに関してもバイオロジカルパスポートのデータ変動や将来の新手法に合わせて再検査するために最大10年間保管されている。今回カルーゾのサンプルが再検査された経緯に関しては明らかにされていない。

「今日(8月18日)の午後、イタリア人選手のジャンパオロ・カルーゾのサンプルからドーピング違反が疑われる分析結果が出たとUCIから報告を受けた。2012年3月27日に採取されたサンプルからエリスロポエチンが検出されたというもの。UCIルールに沿って該当選手を暫定的に出場停止状態とする。Bサンプルの結果が出るまでこれ以上のコメントは差し控えるが、チームにとって大きなショックであることを強調したい」。カチューシャはプレスリリースの中でそう記している。

カルーゾは1980年生まれの35歳。2002年にオンセでプロデビュー後、ランプレやLPRブレークス、チェラミカフラミニアを経て2010年からカチューシャに所属している。グランツールには過去15回出場。2014年にはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ4位、ミラノ〜トリノで優勝を飾るなど、クライマーとしてステージレースやクラシックで成績を残している。近年は山岳アシストとして光る走りを見せていた。なお、カルーゾは2003年1月25日のドーピング検査で筋肉増強剤ナンドロロンの陽性となり、6ヶ月の出場停止処分を受けている。

7月にはツール・ド・フランスの競技内ドーピング検査でルーカ・パオリーニ(イタリア)のコカイン陽性が発覚しており、カチューシャにとってこれが2015年シーズン2件目のドーピング違反となる。

UCIルールでは、12ヶ月の間にドーピング違反が2件続いたチームには一定期間のレース参加資格停止処分が与えられるが、今回のカルーゾの陽性は2012年のドーピング検査によるものであり、処分の対象からは外れる。カチューシャは問題なくブエルタに出場する予定だ。

text:Kei Tsuji

最新ニュース(全ジャンル)