8月14日にマレーシア・マラッカで開幕したMTBアジア選手権。初日のチームリレーで、日本チームが2位フィニッシュを果たした。たすきを繋いだ門田基志、末政実緒、平林安理、佐藤寿美の4名が表彰台に登った。



ローラー台でアップを行う門田基志、佐藤寿美、平林安理ローラー台でアップを行う門田基志、佐藤寿美、平林安理 photo:Alisa.Okazakiトラブルの発生を無くすべくメカニックが細かく調整を行うトラブルの発生を無くすべくメカニックが細かく調整を行う photo:Alisa.Okazaki

アップには余念がない末政実緒アップには余念がない末政実緒 photo:Alisa.Okazakiチームミーティングを行う日本ナショナルチームチームミーティングを行う日本ナショナルチーム photo:Alisa.Okazaki


8月14日、MTBアジア選手権2015が、マレーシア初の世界文化遺産に登録された街マラッカで開幕した。16日(日)のクロスカントリー競技までの3日間に渡り、各種目のアジア・ナンバーワンを決定する大会だ。その大会初日の14日に行われたのは、エリート男女とジュニア男女の合計4名がそれぞれクロスカントリーコースを1周づつ走るチームリレー。

日本チームは、国内のシリーズ戦Coupe du Japonの初戦を制した門田基志と、全日本選手権のクロスカントリーとダウンヒルの2冠を達成した末政実緒というエリートの2名に加えて、全日本選手権ジュニアチャンピオンの平林安理、佐藤寿美という4名の布陣で挑む。

ダッシュが得意な平林安理がスタートダッシュが得意な平林安理がスタート photo:Alisa.Okazaki
初参加ながらも好走した佐藤寿美初参加ながらも好走した佐藤寿美 photo:Alisa.Okazakiシングルトラックを攻める門田基志シングルトラックを攻める門田基志 photo:Alisa.Okazaki末政実緒のハンドル投げも届かず、2位となった日本ナショナルチーム末政実緒のハンドル投げも届かず、2位となった日本ナショナルチーム photo:Alisa.Okazakiチームリレーは出走順が勝負を左右する重要な要素となるため、コースなどの適性を見極めて選手を順番を決めることとなる。今回のコースはスタート直後にシングルトラックとなり、位置取りが重要となるため、日本は第一出走者をスタートダッシュが得意な平林に任せる。その後は佐藤、門田、末政というオーダーで、レースに臨んだ。

スタート直後、平林は実力通り集団から飛び出す形で走りだすも、前日に降ったスコールの影響で滑りやすくなっていた路面に足を取られてしまい第2コーナーで転倒を喫する。5位まで順位を落とした所でレースに復帰。落車の影響でタイヤがパンクしていたが、気迫の走りを見せて順位を1つ上げて佐藤へバトンを渡す。

初めてのアジア選手権出場となった第2走者の佐藤、ベテランライダーで実力者である第3走者の門田、それぞれが実力通りの走りで、それぞれ1人づつパスし、最終走者の末政に2位でバトンタッチ。末政はスタートから飛ばし1km地点で先頭を走るタイの選手に追いつき、ランデブーを開始する。熾烈な先頭争いを繰り広げるものの、勝負は決まらずレースはスプリント勝負へと持ち込まれる。末政はハンドルを投げるが一歩及ばず、日本チームは2位フィニッシュとなった。

最終走者で1位との差を0.003秒まで詰めた末政は「タイチームとの勝負が最後までもつれ込んでしまいました。最終盤、前に行かれていたので、直線で差そうと思っていましたが、一歩及ばず2位になってしまいました。今まで全力を出しきるスタイルでやってきていて、今回もそのスタイルで走れました。」と語る。

「この結果は受け入れて、これが実力だったと認めないといけないです。ただ、チームとしては皆がフォローしあい高めあえたのかと思います。本当は皆で喜びを分かち合いたかったですが、良いレース経験ができました」とは末政。

ごく僅かの差でタイチームに敗れ2位となった日本チームごく僅かの差でタイチームに敗れ2位となった日本チーム photo:Alisa.Okazaki
日本ナショナルチームの監督を務める鈴木雷太さんは「去年2位だったので、今年こそは優勝を狙いたかったですね。しかし、出場した選手は全員ベストを尽くしたので、この結果は受け入れて、来年こそ優勝を果たしたいです」と語る。選手たちが得た情報は、山本幸平らXCOに出場する選手にフィードバックされているとのことで、経験が日曜日に活かすことができると鈴木監督は言う。

16日(日)に行われるXCOのエリート男子には、全日本チャンピオン山本幸平に加えて、武井亨介、斉藤 亮、平野星矢、門田基志という5人が出走する。エリート女子は全日本チャンピオンの末政実緒、與那嶺恵理という2名、ジュニア男子は山田将輝、平林安里、竹内遼という3名、ジュニア女子は佐藤寿美がエントリーしている。

MTBアジア選手権2015 チームリレー
1位 タイ 50'47"
2位 日本 50'47"
3位 台湾 54'18"



photo&report:Alisa.Okazaki