エネコツアーは4日目の個人タイムトライアルを迎え、ロットNLユンボのヨス・ファンエムデンがステージ優勝獲得と総合成績首位に浮上。ツールの第1ステージでも5位に入った30歳が金星を飾った。



トップタイムを叩き出したヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)トップタイムを叩き出したヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVos


スタート台から駆け下りるヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)スタート台から駆け下りるヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVosステージ2位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)ステージ2位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVosオランダで開催中のエネコ・ツアー(UCIワールドツアー)も今日で4日目。大会中日を迎えるこの日のステージは個人タイムトライアルによって競われた。

グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)はステージ6位グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)はステージ6位 photo:CorVosジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ)は1分以上の遅れにジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ)は1分以上の遅れに photo:CorVosブリュッセルに続くベルギー第2の都市、アントワープからほど近いホーヘルハイデ。シクロクロスではUCIワールドカップや2014年の世界選手権開催でも名の知れたこの街に引かれたコースが敷設された。1周14.0kmのコースはほぼフラットなレイアウトで、コーナー数も少なめ。翌日から最終ステージまで続くアルデンヌクラシックさながらの3ステージを前に、総合成績を狙う選手にとっては重要な一日だ。

総合下位から順にスタートを切っていく中、目覚ましいスピードを見せつけたのは総合100位(総合15秒遅れ)につけていたヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)。アベレージ50.342km/hでコースを走り切ると、それまで首位に立っていたアドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)を7秒上回って一躍ホットシートにつく。

ファンエムデンのチームメイトであり、オランダTTナショナルチャンピオンのウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)も好走を見せたものの、ゴールラインでは5秒届かない。ニキ・テルプストラ(オランダ、エティックス・クイックステップ)は機材トラブルによってバイク交換を強いられてしまった。

その後もラース・ボーム(オランダ、アスタナ)やマティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)、グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)ら有力選手がゴールしてくるが、ファンエムデンのタイムには届かない。総合首位のジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ)は1分以上遅れ、ファンエムデンのステージ優勝と総合リーダー獲得が確定した。

優勝したファンエムデンは2006年からラボバンクに加入し、以来一貫して現チームで走り続ける30歳。今シーズンはツール・ド・フランスを走り、第1ステージの個人TTでは5位に。以前の優勝は2013年10月の1.1クラスレースまで遡る。UCIワールドツアーは初勝利、自身にとってはキャリア最大の勝利を掴むこととなった。

「ツールでのステージ5位はナイスだったけれど、ステージ優勝、特にワールドツアーレースでの勝利はやっぱり特別さ」と語るファンエムデン。「でも総合優勝できると考えていない。明日もジャージはキープできると思うが、アルデンヌの丘は僕にとって厳しすぎる。ウィルコ(ケルデルマン)のサポートを一番に走ろうと思う」と語った。

ワン・ツーフィニッシュを成し遂げたロットNLユンボは当然チーム総合成績でも首位に。しかし総合タイム差はトップ8まで20秒以内。この先の3日間登りフィニッシュこそ無いものの、抜け出しを図るアタッカーによる戦いが激化するはずだ。



ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)がリーダージャージに袖を通すヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)がリーダージャージに袖を通す photo:CorVos


エネコ・ツアー2015第4ステージ結果
1位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)
2位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
3位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
4位 ラース・ボーム(オランダ、アスタナ)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
7位 マヌエル・クインツァート(イタリア、BMCレーシング)
8位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
9位 マイケル・ヘップバーン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
16'34"
+05"
+07"

+11"
+14"
+16"
+20"
+21"



個人総合成績
1位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)
2位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
3位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
4位 ラース・ボーム(オランダ、アスタナ)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
7位 マヌエル・クインツァート(イタリア、BMCレーシング)
8位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
9位 マイケル・ヘップバーン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
12h30'09"
+05"
+07"

+11"
+14"
+16"
+20"
+21"



ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)

チーム総合成績
ロットNLユンボ

text:So.Isobe
photo:CorVos