8月2日、トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)が自身のTwitterアカウントでテストステロンの陽性反応が出たことを明らかにした。チームもAサンプル陽性を認め、直ちにダニエルソンを出場停止状態にしている。



トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン) photo:Tim de Waeleダニエルソンによると、7月9日に行われたレース外ドーピング検査で採取されたサンプルから合成テストステロンの陽性反応が検出された。「今夜は人生で最も悪い夜だ。ツアー・オブ・ユタ前夜にチームと夕飯のテーブルを囲んでいる最中に電話が鳴った。自分の理解する限りでは、レース外ドーピング検査で合成テストステロンの陽性反応が出たというUSADAからの通達だった」。ダニエルソンはTwitterにそう書き込んでいる。

トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン) photo:Tim de Waele検査を行ったのはUSADA(アメリカアンチドーピング機関)。炭素同位体比の分析によってテストステロンの陽性が発覚した。

ダニエルソンは「それ(テストステロン)や禁止薬物を摂取した事実はない。難しい数年間を乗り切ったばかりの自分が、そんなものに手を出すわけがない。全くのナンセンスだ。打ち拉がれ、失望し、怒りさえ覚えている。どうしてどのようにしてこんなことが起こったのか理解できず、これが現実だと受け入れられない。サイクリングは自分にとって唯一無比の存在であり、レースやライド、人々、それに関わるビジネスを愛している。サイクリングの全てを愛しているのに」と付け加え、無実を訴えた。

ダニエルソンの告白を受け、キャノンデール・ガーミンはBサンプルの結果が出るまでダニエルソンを暫定的に出場停止状態に置いている。ダニエルソンはBサンプルの検査については言及していない。

前述のダニエルソンのコメントにある「難しい数年間」とは、2012年に過去のドーピング告白を指す。ランス・アームストロングとUSポスタルの組織ぐるみのドーピングを調査していたUSADAの捜査で名前が挙がったダニエルソンは、ヴァンデヴェルデやザブリスキー、ライプハイマー、ヒンカピーらとともにUSADAで証言を行い、ディスカバリーチャンネル所属時にドーピングを行ったことを認めた。

ダニエルソンには6ヶ月の出場停止処分(2012年9月1日から2013年3月1日まで)と、成績剥奪処分(2005年3月1日から2006年9月23日まで)が下されている。出場停止処分終了後、ダニエルソンはガーミン・シャープ(現キャノンデール・ガーミン)でレースに復帰して現在に至る。ダニエルソンは現在37歳。今はただBサンプルの結果が待たれる。

text:Kei Tsuji