国際自転車競技連合(UCI)は、イタリアのプロコンチネンタルチームであるアンドローニジョカトリ・シデルメックに1ヶ月のレース活動停止を命じた。これは「12ヶ月の間に2人のドーピングが発覚したチームを、15~45日の活動停止とする」という新規則の処分で、適用されるのは今回が初めてのことだ。



アンドローニジョカトリ・シデルメックアンドローニジョカトリ・シデルメック photo:Makoto.AYANO長年チームを率いるマネージャーのジャンニ・サヴィオ氏(中央)長年チームを率いるマネージャーのジャンニ・サヴィオ氏(中央) (c)Sonoko.TanakaUCIは7月27日(月)付で、ファビオ・タボッレ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメック)を暫定的に出場停止状態にすると発表した。6月16日に行われたレース外ドーピングコントロールにおいて、タボッレの血液からはヘモグロビン値を増加させる効果のある「FG-4592」が検出されたという。

また、6月14日にはダヴィデ・アッポローニオ(イタリオ)の血液からEPOが検出されており、アンドローニジョカトリから立て続けに2名のドーピング陽性が発覚したことになった。

これを受け、今年1月に設けられた「12ヶ月の間に2人のドーピングが発覚したチームを、15~45日の活動停止とする」という新たな反ドーピング規則(ADR7.12.1)に基づき、UCIはアンドローニジョカトリ・シデルメックに1ヶ月の活動停止を処した。なお、このルールの適用は今回が初。期間は8月1日~8月30日までとしたが、アンドローニジョカトリはその日数についてUCIに申し立てを行うことができるとしている。

チームマネージャーのジャンニ・サヴィオ氏は加盟しているMPCC(世界的反ドーピング倫理運動)の自主的な活動自粛規則を尊重しながらも、UCIによる処分に対して異議申立てを行うとイタリアのメディアTuttobiciwebに語った。

「この処分は予想していたものであり、我々は異議申立てを行う準備ができている。もしチームがドーピングに関係していないことを証明できれば処分は解除できると考えており、我々がドーピングの防止に努めてきたことを示す書類をUCIに送るための手続きも完了した。MPCCの規則に則り、8月中はレースに出場しないとしても、UCIによる処分を無効とするために戦うつもりだ」。

既にチームはこの週末に開催され、出場予定であったライド・ロンドン・クラシックなど3レースの欠場を発表。復帰戦は9月最初の週末に行われるブリュッセル・クラシックとGPフォーミーズになる見通しだ。

text:Yuya.Yamamoto