2週目の終わりにして、ついにアルプスに到着したプロトン。マンス峠でアタックし、逃げ切り勝利を決めたルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)や、総合勢に対してタイムを稼いだヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)らのコメントを紹介します。



自身初のツール勝利を決めた ルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)

35歳にして初のツールでの勝利を掴んだルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)35歳にして初のツールでの勝利を掴んだルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ) (c)CorVos
独走でフィニッシュしたルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)独走でフィニッシュしたルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ) (c)CorVos僕はルイ・コスタのリクエストで今のチームに移った。彼ももともと、モビスターにいた選手だね。この勝利は、僕の家族に、そしてルイに捧げるよ。35歳でツールに勝てたことは、僕が最後にブエルタのタイムトライアルステージで優勝した25歳の時よりも深く感謝している。

このステージで勝てたということもうれしいね。後ろでサガンが懸命に追走していることは把握していた。下りで必ず挽回されると思っていたから、頂上通過時点で1分近いリードを広げ、パニックになることなく下りに挑んだ。とは言っても下りのコーナーで後輪が滑ったときは焦ったよ。全開で踏み続けたものの、限界まで攻めることはなかった。とにかく、今は最高にハッピーだよ。

マンス峠の下りとレース展開について語るペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)

マンス峠で2位集団をけん引するペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)マンス峠で2位集団をけん引するペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) photo:Makoto.AYANOマンス峠は2年前に走ったことがあるし、ベロキの落車もテレビで見たことがある。また惜しいところで勝利を逃してしまったけど、もともと2位狙いだったので満足だ。というのは冗談で、これ以上自分に出来ることはなかった。出来ることを全て試した。死と隣合わせだって、可能な限り下りでは攻めなくてはならないことは分かっている。

誰も僕と真っ向勝負したくないと思っているから、登りではずっと前を引かされた。アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)が飛び出した瞬間、誰も彼についていこうとしなかったけど、僕が動いたと同時に、みな追走の動きを始めたんだ。

アタックを成功させ、タイムを稼いだヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)

マンス峠でマイヨジョーヌ集団から抜け出すヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)マンス峠でマイヨジョーヌ集団から抜け出すヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Makoto.AYANO報道陣に囲まれるワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)報道陣に囲まれるワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン) photo:Kei Tsuji落車について語るゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)落車について語るゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji今日もかなり苦しいステージだったね。ただ、少しついているとすれば、多少涼しかったことくらいかな。でも、なにかトライできることは無いかと日々考えていて、今日の下りでアタックすることにした。そんなに多くのタイムを稼ぐことはできなかったけど、攻撃自体は成功したね。ちょっと誇らしい気分だよ。

今の目標はステージを勝つことかもしれない。それは、このツールで僕が多くの問題を抱えているのにも関わらず応援し、支え続けてくれた人たちに対して、感謝の気持ちを形で表すために必要なものさ。明日の休息日の後、まだまだタフなステージが残っている。僕はトライし続けるつもりだから、調子が上がっていくことを願うばかりさ。

落車の原因について語るワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)

ゲラント・トーマスにはフィニッシュした後に、直接謝りにいったよ。彼が僕の謝意を受け取ってくれたことにほっとしている。

状況としてはヴァンガーデレンの肩に押されてしまい、ハンドルバーから手が滑ってしまったんだ。そのせいで、数秒ブレーキをかけるのが遅れてしまって、僕はトーマスに向かって突っ込む羽目になったんだ。

コースアウトしてしまったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

身体の方はなんともないよ。少し動揺してしまったけど、大きな問題は無い。皆が登りで追い込み過ぎていることにフラストレーションを感じるね。そしてなぜ、みんなシッティングで下りたがらないのか、その理由を教えてほしいくらいだよ。

僕は前にいた選手について走っていたら、突然バーギルが一直線にこっちに向かってきた。で、僕は彼に押し出されて、街灯に一直線。そして下に転落してしまった。

マイヨジョーヌを堅守したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

少し硬い表情でマイヨジョーヌに袖を通すクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)少し硬い表情でマイヨジョーヌに袖を通すクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
この日もチームスカイがメイン集団をコントロールこの日もチームスカイがメイン集団をコントロール photo:Tim de Waele集団内でフィニッシュラインを切るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)集団内でフィニッシュラインを切るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsujiチームメイトのクラッシュはいつだって良くないことだけど、今回はゲラント・トーマスだから特に残念だ。彼は開幕からここまで僕のために全力でアシストしてくれているし、それでいて彼自身の力で総合上位につけている。でも、彼は特に大きな怪我をしていなし、尋常でないほどタフだから、休息日明けにはいつも通りに戻っているだろう。

ピーター・ケノーのリタイアは残念だった。この2日間は体調不良で苦戦していたし、なんとかステージを完走しようと多くのエネルギーを消費していた。

今日は総合系のチームがアタックしてきて、ティンコフ・サクソのペースアップのあとに、バルベルデとニーバリが集団を飛び出した。パリまでの残りの4日間も同様のことが起こり、登り、横風、平地と至る所でアタックが起きると予想している。でもチームが完璧にレースをコントロールし、2年ぶりにパリでマイヨジョーヌを奪還できる自信が僕にはある。

プロトンの誰しもが肉体的にも精神的にも消耗しきっていて、休息日を待ちわびている。妻がこちらに向かっている所で、少しの時間だけど、彼女と一緒に休息日を過ごす予定だ。

デヘントのためにアタックしたアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)

2級山岳マンス峠に差し掛かるアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)とマルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ)2級山岳マンス峠に差し掛かるアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)とマルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ) photo:Tim de Waeleチームとしての目標はステージ優勝を重ねることだから、今日もトライした。僕やヴォクレール、エドヴァルド・ボアッソンハーゲンは追走という形で集団を飛び出したけれども、先頭集団と合流するのに多くの時間を費やすことになった。とにかくペースが速かったから、100kmも追走に要してしまったが、幸運なことに、数名が効果的な働きをしてくれたんだ。

今日の役目はデヘントが逃げ切れる様にアシストすることで、アタックに封じるように動くはずだった。ただ、先頭集団の人数が多すぎたため、逆にアタックして人数を減らそうと動いた。デヘントにとって良い展開になればと思ったけど、残念なことに追走してきたのは1人だけ。そこからの40km強を逃げるのは賢明でなく、仮に誰かと一緒に逃げ切れたとしても、スプリントすると肩が痛むから、結局勝てなかっただろう。

各選手のコメントはチーム公式サイト、レース公式サイトより。

text:Naoki YASUOKA,Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.Ayano,Kei.Tsuji,CorVos,Tim de Waele

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