ベルギーの過酷なレース環境において技術と信頼を積み重ねてきたリドレー。春のクラシックなどでプロ選手たちを支えてきたオールラウンドバイク「FENIX」の軽量バージョン「FENIX SL」が登場した。優れた振動吸収性に空力性能と軽量性を加えた新型ミッドレンジモデルだ。



リドレー FENIX SL(FSL-01Bm)リドレー FENIX SL(FSL-01Bm) (c)ジェイピースポーツグループ
2012年に登場して以降、リドレーのボトムラインを支えてきた「FENIX(フェニックス)」。上位グレードのエアロロード「NOAH(ノア)」と軽量モデル「HELIUM(ヘリウム)」とあって、カーボンフレームのエントリーグレードという位置付けながら、レーシングバイクとして数多くのレースでプロライダーを支えてきた1台である。特に春のクラシックにおいては、高い耐久性とニュートラルな乗り味からロット・ソウダルの選手たちがこぞって愛用したという逸話を持つ。

リドレー FENIX SL(FSL-01Am)リドレー FENIX SL(FSL-01Am) (c)ジェイピースポーツグループリドレー FENIX SL(FSL-01Cs)リドレー FENIX SL(FSL-01Cs) (c)ジェイピースポーツグループパリ~ルーベでFENIX SLを駆ったユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)パリ~ルーベでFENIX SLを駆ったユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:CorVosそんな「FENIX」の進化版が、今年のミラノ~サンレモよりデビューし、ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ~ルーベでも多くのライダーが駆った「FENIX SL」である。SLという名の通り軽量化が図られており、シートステーとシートチューブ形状の見直しシェイプアップすることで、フレーム重量で250g減の1,000g(Mサイズ)を実現したことが最大の特徴だ。

加えて、快適性も高められているFENIX SL。大きな弧を描くトップチューブを筆頭に、シートステーをHELIUMの様に薄く扁平した断面形状とし、シートチューブ及びシートポストの径はそれぞれ31.8mmと27.2mmへとサイズダウン。加えてリアセンターを延長した新ジオメトリーの採用や、フォークの先端部分もより細身としたことにより、優れた振動吸収性を実現した。

そして空力性能にも配慮。NOAHシリーズのように、フォーククラウンとダウンチューブが一体化した「エアロダイナミックフォークインテグレーション」を採用することで、エアロ性能を高めている。

このようにFENIXより大きくアップデートされたFENIX SLだが、リドレーの代名詞ともいうべき「エッジチュービング」によるダウンチューブは今作にも採用されている。これはダウンチューブのヘッド側を縦に変形させ、ヘッドチューブとの接合部分を増やすことで剛性を上げ、一方BB側は横へ変形させ剛性を上げることでパワーの伝達性能を向上させるもの。加えて、ボトムブラケットをBB86へと変更することで、シェル幅を最大限に拡幅させている。

フレームに24トンと30トンという異なる弾性率のカーボンを組み合わせられた独自のUDカーボン素材を採用することで、高い重量比強度を実現した。リドレーのバイク全てで行われるパヴェ上での走行テストを、このバイクもクリアしたと考えると、その耐久性を証明していることになるだろう。

サイズはXXS、XS、S、Mという4種類。カラーはロット・ソウダルのチームレプリカカラーであるFSL-01Bmを始めとし、ブラックベースにオレンジの差し色があしらわれたFSL-01Am、白基調に水色と黒でアクセントを付けたFSL-01Csカラーという3種類の展開だ。価格はフレームセットで235,000円(税抜)。

パリ~ルーベで登場したFENIX SLはアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が駆ったパリ~ルーベで登場したFENIX SLはアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が駆った photo:Makoto.AYANO
FENIXに通づるヘッドチューブの造形FENIXに通づるヘッドチューブの造形 photo:Makoto.AYANO軽量モデルHELIUMの様に薄く扁平したシートステー軽量モデルHELIUMの様に薄く扁平したシートステー photo:Makoto.AYANO




リドレー FENIX SL
フレーム、フォーク素材:30、24トンカーボン
重 量:1000g(Mサイズ)
カラー:FSL-01Am、FSL-01Bm、FSL-01Cs
サイズ:XXS、XS、S、M
価 格:235,000円(税抜)