学生のチームをドイツの高級車メルセデス・ベンツがサポートする。18日、東京・六本木で開催されたメルセデス・ベンツの新車発表会で、鹿屋体育大学自転車競技部へのチームカーとしての車両提供を発表。同校の活動を支援していくことになった。



鹿屋体育大学自転車競技部に提供されたメルセデス・ベンツの新型シューティングブレークを囲んで鹿屋体育大学自転車競技部に提供されたメルセデス・ベンツの新型シューティングブレークを囲んで photo:Makoto.AYANO
メルセデス・ベンツの新型シューティングブレーク発表会でお披露目された鹿屋体育大学のチームカーメルセデス・ベンツの新型シューティングブレーク発表会でお披露目された鹿屋体育大学のチームカー photo:Makoto.AYANO六本木ミッドタウンに近いショースペース「メルセデス・ベンツコネクション」にて開催された新車「CLAシューティングブレーク」の発表会。この日が発表となったこのクルマはメルセデスがリリースする、積載能力が高く、かつスタイリッシュなラインをもつスポーツワゴンだ。

鹿屋体育大学へのサポートを発表するメルセデス日本社長の上野金太郎氏鹿屋体育大学へのサポートを発表するメルセデス日本社長の上野金太郎氏 photo:Makoto.AYANO自動開閉するテールゲートにより現れるラゲッジルーム部は495Lもの積載能力を誇り、複数個のゴルフバッグなど大量の荷物の積載にも対応する。(メルセデス・ベンツ公式サイト内の車種紹介はこちら)。

この日はメルセデス・ベンツがコラボするアパレルブランドのHUGO BOSSのファッションショー、そして新車プレゼンテーションのすぐあとに鹿屋体育大学へのチームカー提供のサポートが発表された。壇上には同校の監督である黒川剛監督と、世界選手権ポイントレースで銀メダルを獲得した上野みなみ、塚越さくら選手の3人が登壇。自らサイクリングやトライアスロンを趣味とする上野金太郎メルセデス・ベンツ日本社長から、多くのメディア関係者に同校の活動内容などのビデオとともにサポート概要が紹介された。

メルセデス・ベンツの新車発表で鹿屋体育大学へのチームカー提供が発表されたメルセデス・ベンツの新車発表で鹿屋体育大学へのチームカー提供が発表された photo:Makoto.AYANO会場に飾られたCLAシューティングブレークには同校の選手たちが駆るキャノンデールのバイクがルーフキャリアに積載され、NIFS in KANOYA、そして協賛・支援企業のロゴの数々があしらわれた新車の前でフォトセッションが行われた。

鹿屋のジャージに身を包んで登場した上野みなみと塚越さくら。「メルセデス・ベンツは憧れの車で、かっこ良すぎて興奮してしまいます」「早く乗りたい。チームの皆がワクワクしていると思います。レースへのモチベーションに繋がります。」などと語った。

上野金太郎社長は趣味のサイクリストとして、ツール・ド・東北やサイクリング屋久島などのイベントにも参加経験がある。20代後半の頃から会社に自転車部をつくり、職場の仲間でサイクリングイベントに出たりして楽しんできたという。少し離れた時期もあるが近年はトライアスロンにも出場するホビーアスリート。レースよりファンライド好き。今回サポートに至ったきっかけは、屋久島でボランティアスタッフとして参加した鹿屋の選手と一緒に走った時、部の活動について話を聞いたことがきっかけだったという。そして鹿児島に鹿屋体大の自転車競技部を訪れ、交流をもったことでサポートを決めたという。

メルセデスのシートに座る上野みなみ、塚越さくら。「興奮します!」メルセデスのシートに座る上野みなみ、塚越さくら。「興奮します!」 photo:Makoto.AYANOメルセデスの側面には鹿屋体大自転車競技部とスポンサーロゴが散りばめられるメルセデスの側面には鹿屋体大自転車競技部とスポンサーロゴが散りばめられる photo:Makoto.AYANO


ラグジュアリーな大人のクルマというイメージをもつメルセデス・ベンツ。しかし今回の対象は国立体育大学の学生スポーツ。イメージのギャップが感じられるが?

メディアに向けて鹿屋体大自転車部の紹介をするメルセデス日本社長の上野金太郎氏メディアに向けて鹿屋体大自転車部の紹介をするメルセデス日本社長の上野金太郎氏 photo:Makoto.AYANO上野社長は言う。「メルセデス・ベンツは例えば女子プロゴルフ協会ともパートナーシップを結んでいて、ジュニアの育成なども支援しているんです。ベンツは確かに大人のクルマですが、大人には誰しも子供の時代があって、若い頃に誰に応援してもらったかは記憶に残っているもの。

鹿屋体育大学の黒川剛監督鹿屋体育大学の黒川剛監督 photo:Makoto.AYANOまた、サイクルスポーツのカッコ良さという面もあります。そしてヨーロッパの自転車レースでは必ずクルマが活躍する。かつ、今回の新車のようなステーションワゴンタイプが使用されています。ところが日本ではまだそれほど活用されているとはいえない。メルセデスとしてサイクルスポーツのような趣味を持っている人を応援したいという気持ちがあります。

そして、世界で2位という上野選手の活躍など、素晴らしい結果を収めていながらも、まだその凄さが十分伝わってはいない。自転車にはメジャーになりきれない面があると思うんです。そこを弊社がサポートすることで、お互いにアガる『いい効果』が出せればいいと思っています」。

国立大学の自転車競技部でありながら、地元の企業などからスポンサードとして支援を受けたり、バイクブランドのキャノンデールから機材提供を受けるなど大学スポーツとしては異例の活動を展開する鹿屋体育大学。活動を率いる黒川剛監督は次のように話す。

「我々の活動はみなさんに支援されてのもの。学生たちにとっても、今回のサポートは本当にいい流れだと思います。我々は14年前から世界を目指す活動をしてきました。今まではワンボックスタイプを含む4台で日本全国の遠征に行くなどして活動してきましたが、現在30人の部員がいて、かつ学生だけで自身らで運転して遠征に行くなどの機会も多くあるので、それに心強い味方が加わるのは非常にありがたい。充実した活動ができるでしょう。メルセデス・ベンツのような世界的なネームバリューある企業から支援をいただくことは、学生のうちから社会性の有る人間に育つ、育てていただく絶好の機会にもなります。嬉しいですね」。

メルセデス・ベンツの鹿屋体育大学のチームカーを囲んでメルセデス・ベンツの鹿屋体育大学のチームカーを囲んで photo:Makoto.AYANO
お披露目されたメルセデスがレースに登場するのは月末の全日本選手権ロードレースから。残念ながらレース自体に随行することは規定によりできないが、会場に華を添えてくれそうだ。

photo&text:Makoto.AYANO

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