6月3日〜7日までの5日間、ツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.HC)が開催され、逃げ切り優勝を挙げたリーナス・ゲルデマンがタイム差を堅持して総合優勝。スプリントではアンドレ・グライペルが2勝をマークしました。



丘陵地を駆け巡る5日間のツール・ド・ルクセンブルグ丘陵地を駆け巡る5日間のツール・ド・ルクセンブルグ photo:www.aotdl.com


プロローグ トップタイムで優勝したアドリアン・プティ(フランス、コフィディス)プロローグ トップタイムで優勝したアドリアン・プティ(フランス、コフィディス) photo:www.aotdl.comチェコの自動車ブランド、シュコダが冠スポンサーを務めるツール・ド・ルクセンブルク。75回目を迎える2015年大会は、例年と同じくプロローグで開幕する5日間のスケジュールで開催された。

第1ステージ 圧倒的なスプリントでアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が勝利第1ステージ 圧倒的なスプリントでアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が勝利 photo:www.aotdl.comこのレースは丘陵地帯を駆け巡るため、コースはプロローグを含めてほぼ全てが多数のアップダウンを含むもの。難関山岳こそ設定されていないが、アルデンヌクラシックのような急坂や石畳の登りが所々に登場する。

第2ステージ リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング)が逃げ切りを目指す第2ステージ リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング)が逃げ切りを目指す photo:www.aotdl.com今年は2つのワールドチーム(ロット・ソウダルとジャイアント・アルペシン)を筆頭に、ユーロップカーやコフィディス、MTNキュベカ、トップスポートフラーンデレンなど15チームが参加し、ロット・ソウダルからはアンドレ・グライペル(ドイツ)とグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)が出場。ジャイアント・アルペシンからはシクロクロスでも活躍するラルス・ファンデルハール(オランダ)もスタートラインに並んだ。

第3ステージ ポイント賞ジャージを着るアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が2勝目第3ステージ ポイント賞ジャージを着るアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が2勝目 photo:www.aotdl.com石畳の急坂を含む2.67kmのプロローグではスプリンターやパンチャーが上位に食い込み、2位のブライアン・コカール(フランス、ユーロップカー)を3秒抑えたアドリアン・プティ(フランス、コフィディス)が優勝。黄色のリーダージャージに袖を通して首位発進した。

リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング)と、2度の総合優勝経験を持つアンディ・シュレク(ルクセンブルグ)リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング)と、2度の総合優勝経験を持つアンディ・シュレク(ルクセンブルグ) photo:www.aotdl.com続く第1、第3ステージでは両日共に集団スプリントが繰り広げられ、出場選手の中で頭抜けたスプリント力を誇るグライペルが後続を大きく引き離して圧勝。ジロ・デ・イタリア第6ステージに続き、シーズン勝利数を5に伸ばしたグライペルは最終的に総合スプリント賞に輝くこととなった。また、第3ステージではファンデルハールが2位に食い込むなど大器の片鱗を見せている。

総合が大きく動いたのは、エルからヴァルフェルダンジュにかけての186.3kmで争われた第2ステージ。早々に逃げを吸収した集団ではクルトエナジープロサイクリングが組織的な波状攻撃を続け、ゴールまで20kmを残した登りでリーナス・ゲルデマン(ドイツ)がアタック。同調したマルク・デマール(オランダ、ルームポット)と逃げ切りに成功し、ゴール勝負で先着したゲルデマンが総合首位に浮上した。

メルシュを出発し、ルクセンブルグ市内に敷設された6.7kmの周回コースを5周する最終ステージ。総合逆転を賭けて11名が序盤からアタックし、最大で6分差をキープして終盤戦へともつれ込む。アタックをきっかけに先頭は5名となったものの、必死に追い上げるメイン集団を振り切ってショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)が先着。ゲルデマンは40秒遅れの集団内で危なげなくゴールし、ロット・ソウダルが3勝した今大会で総合優勝を飾った。

「気温も高く、路面も悪いとても難しいレースだった。自分の脚はかなり疲労困憊だったが、最終日はチームメイトがタイム差をコントロールしてくれたので、大きな危険を感じなかった」とは、2011年に続く2度目の総合優勝を勝ち取ったゲルデマン。

Tモバイル時代、2007年のツール・ド・フランス山岳ステージで独走勝利し、マイヨジョーヌを纏ったゲルデマンも現在32歳。ミルラム解体後はレオパード、レディオシャック、MTNキュベカとチームを渡り歩き、今年からドイツのクルトエナジーに所属していたものの、近年勝利からは遠ざかっていた。「この勝利をどれだけ誇りに感じているか説明するのが難しいくらいだ」と、表彰台で喜びを語った。

コメントはチーム公式サイトより。



第4ステージ リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング)が集団内で走る第4ステージ リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング)が集団内で走る photo:www.aotdl.com第4ステージ 逃げ切ったショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)が5名のスプリントで勝利第4ステージ 逃げ切ったショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)が5名のスプリントで勝利 photo:www.aotdl.com

総合優勝を飾ったリーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング)総合優勝を飾ったリーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング) photo:www.aotdl.com


6月3日(水)プロローグ ルクセンブルク〜ルクセンブルク 2.67km
1位 アドリアン・プティ(フランス、コフィディス)
2位 ブライアン・コカール(フランス、ユーロップカー)
3位 アルノー・ジェラール(フランス、ブルターニュ・セシェ)
4位 ジミー・アングルヴァン(フランス、ユーロップカー)
5位 シリル・ルモワンヌ(フランス、コフィディス)
3'58"
+03"
+04"

+06"


6月4日(木)第1ステージ ルクセンブルク〜クレマンシー 212.6km
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)                  5h25'07"
2位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ワンティ)
3位 ダニエーレ・ラット(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
4位 アドリアン・プティ(フランス、コフィディス)
5位 クリスティアン・スバラグリ(イタリア、MTNキュベカ)

6月5日(金)第2ステージ エル〜ヴァルフェルダンジュ 186.3km
1位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング)
2位 マルク・デマール(オランダ、ルームポット)
3位 イェーレ・ワレイス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
4位 フーブ・ドゥイン(オランダ、ルームポット)
5位 ミゲルアンヘル・ルビアーノチャベス(コロンビア、コロンビア)
4h50'43"

+37"

+44"


6月6日(土)第3ステージ エシュヴェイレー〜ディーキルヒ 161.3km
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)                  4h01'08"
2位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
3位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ワンティ)
4位 クリスティアン・スバラグリ(イタリア、MTNキュベカ)
5位 クリスティアン・メイジャー(ドイツ、クルトエナジー)

6月7日(日)第4ステージ メルシュ〜ルクセンブルク 156km
1位 ショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)
2位 レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コロンビア)
3位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ワンティ)
4位 ケネス・ヴァンビルセン(ベルギー、コフィディス)
5位 ジャコ・ヴェンター(南アフリカ、MTNキュベカ)
3h51'06"



+02"


個人総合成績
1位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジープロサイクリング)
2位 マルク・デマール(オランダ、ルームポット)
3位 フーブ・ドゥイン(オランダ、ルームポット)
4位 イェーレ・ワレイス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
5位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
18h12'51"
+08"
+41"
+42"
+50"


text:So.Isobe_
pbhoto:www.aotdl.com


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