クイーンステージとアルプス3連戦に挟まれた第17ステージ。今大会最短の一日を制したサーシャ・モードロや、惜しくも敗れながらもポイント賞ジャージを手に入れたジャコモ・ニッツォロらのコメントを紹介します。



ステージ優勝を果たしたサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)

今大会2本目のシャンパンを開けたサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)今大会2本目のシャンパンを開けたサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji
スプリントで2勝目を飾ったサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)スプリントで2勝目を飾ったサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Tim de Waeleゴール地点では第13ステージよりも激しいスプリントになったね。僕はもちろんこういった戦いが大好きだし、すごく鮮やかなスプリントができたと思っているよ。昨日のステージでは、他のスプリンター達と同様に苦しんでいた。でも今日は脚の感触が良かったんだ。特にラスト30kmのクローチェ・ディ・メナッジョの登りでライバルたちよりも走れていることに気付いた。このことで、僕はさらに活力を得たし、ロベルト・フェラーリとマキシミリアーノ・リケーゼのサポートを最高の形で活かすことに決めた。

ルガノへの下りでは僕らは集団の前方に位置どりすることはできなかったけど、他のチームが僕たちのようなリードアウトトレインを組み上げることができないと分かっていた。ルガーノ湖畔に辿りついたときには僕らが先頭に立ち、フェラーリとリケーゼは彼らの仕事を始めていた。僕は最高の瞬間にスプリントを開始することに集中していただけさ。この一ヶ月の間で、リードアウトトレインの完成度がどんどん高まってきて、今では完璧に機能していることを誇りに思っているよ。


ポイント賞でトップに立ったジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)

ついにマリアロッサを手にしたジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)ついにマリアロッサを手にしたジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji今日のステージは僕らのチームにとっても大切だった、かなり脚の調子が良かったからね。正直に言うと、ステージの前半は昨日の山岳の影響を感じていたけれど、終盤には自分の強さを感じられていたよ。残念なことに(エリア)ヴィヴィアーニにスプリントで少し進路を塞がれてしまったけれど、それは集団スプリントなんだし仕方がないこと。今日のスプリントで一番強かったのは僕だと思っているだけに、勝てなかったことに対してはただ謝るしかないね。

3位のルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・アルペシン)

ジャイアント・アルペシン、ランプレ・メリダ、トレックファクトリーレーシングが集団を牽引ジャイアント・アルペシン、ランプレ・メリダ、トレックファクトリーレーシングが集団を牽引 photo:Tim de Waele今日、僕たちのチームはレースをコントロールするという大きな仕事をしていた。最後のスプリントでは良い位置につけていたけど、仕掛けるのがほんの少し早かったね。ミラノでは完璧なスプリントが出来るように願っているよ。

モレーノ・ホフランドに代わりスプリントに参加したニック・ファンデルライク(オランダ、ロットNLユンボ)

今日はタフなスプリントだった。モレーノ・ホフランドをリードアウトしていたんだけど、昨日の落車の影響か、気付いたら彼が千切れていたんだ。だから自分のチャンスに向けてスプリントしようと意識を切り替えた。スプリントに参加できたことは嬉しいんだけど、スプリントが始まる前に余計なエネルギーを使いすぎたのは残念だった。

危なげなくステージを終えたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)

集団内でフィニッシュしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)集団内でフィニッシュしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Kei Tsuji
セオリー通りにいけば、今日はトランジションステージのハズだったんだけど、相変わらずハードなステージだったね。コースは登りと下りばかりだし、一日中向かい風の中を走らなきゃいけなかった。集団はすごくナーバスで、3人の逃げを追ってずっとハイスピードだったしね。毎日、クラッシュやパンクなどいろんなアクシデントが起こっているけど、今日は何事もなくルガーノまで辿りつけたことが何よりもうれしいね。

逃げに加わったイーリョ・ケイセ(ベルギー、エティックス・クイックステップ)

逃げるイーリョ・ケイセ(ベルギー、エティックス・クイックステップ)、マルコ・バンディエラ(イタリア、アンドローニジョカトリ)、ジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)逃げるイーリョ・ケイセ(ベルギー、エティックス・クイックステップ)、マルコ・バンディエラ(イタリア、アンドローニジョカトリ)、ジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Tim de Waele短いステージだったけれど、逃げていると長い一日に感じたね。僕が一番力を発揮できるのは今日みたいなショートステージなんだ。2012年のツアーオブターキーで逃げて勝った時も135kmのステージだったし、オマーンで逃げた時も短いステージだった。フレッシュな状態で走る短いステージは僕にとって最高のチャンスなんだ。

だから今日は先頭でスタートラインに並んでいたし、マルコ・バンディエラが「今日は逃げるぜ。」と話しかけてきた時に「ああ、行こう。」と答えた。それで、スタート直後から逃げ始めたんだけど、不運なことに今日は向かい風だったし、集団は僕らに大きなタイム差を許してくれなかった。残り40kmで1分10秒差じゃとても逃げ切れなかった。

でもいいのさ。僕らはチャレンジしたんだ。ピュアスプリンターでもなければ、クライマーでもない僕にとって勝てるチャンスっていうのは多くない。そんな僕にとって今日はベストなステージだったということ。もうひとつ大切なことは、最初の数日に比べると、今は調子が上がってきているということ。毎日、少しづつ自分が強くなっているという実感があるんだけど、勝てそうなステージが少ないのが残念だ。

明日に向かって闘志を燃やす別府史之(トレックファクトリーレーシング)

第17ステージを終えた別府史之(トレックファクトリーレーシング)第17ステージを終えた別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji今日のスプリントステージはジャコモ・ニッツォロが中間スプリントとステージ優勝を狙って、ポイント賞ジャージの”マリア・ロッソ”を獲得しようとチームで動いた。カルヴィン・ワトソンとファビオ・シルヴェストレが逃げ集団を追走して、自分は山まで待って最後に動く予定だったのだけれど、湖畔の道幅が思った以上に狭くてコーナーばかりで前に出れず。ただスプリントのサポートはファビオ・フェリーネが素晴らしい走りで務めてくれた。ジャコモはステージ2位。

去年からステージ2位が続きミスターナンバー2となってしまっているけれど、今年はマリア・ロッソに袖を通せた。去年とは全く違った意味合いを持つ1日になった。残すジャコモのステージ優勝のチャンスは最終日のミラノだ。明日は逃げのチャンスがあるから、全力でトライするのみ!

※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:Naoki.Yasuoka
photo:Kei.Tsuji,Tim de Waele
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