「後方からチームメイトが追いついたので、集団の主導権を握ってからアタックした」と語るのはアルデンヌクラシックのようなゴール勝負を決めたフィリップ・ジルベール。雨の第12ステージで活躍した選手のコメントを紹介します。



優勝したフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)

豪快にシャンパンを開けるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)豪快にシャンパンを開けるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji
開放的な笑顔でステージに上がるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)開放的な笑顔でステージに上がるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji素晴しい気分だ。スタート前にミーティングを行ったが、今日は僕にチャンスがあるステージだったので、チーム全体がとても集中できていた。カンゲルトがアタックしてペッリゾッティに合流した時、僕はイサギーレと風の中で飛び出している状態だった。後方からは(チームメイトの)ディリエルとモワナールが戻ってきてくれたので、タイミングを待ってアタックし直すことにした。そして主導権を取り、ラスト5-6km区間で良い動きができていた。この勝利は何度かのチャレンジの末に勝ち得たものだから、とても貴重なものなんだ。

1週間ぶりにシャンパンを開けたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)1週間ぶりにシャンパンを開けたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Kei Tsuji(コンタドールを打ち負かせる選手がいるかと聞かれて)
コンタドールは偉大なグランツアースペシャリストだし、一度手にしたマリアローザを手放したりはしない。あれが彼の走り方だし、ジャージを守るために100%の力を尽くしている。最強のように見えるし、何に対しても注意を払っている。

ステージ2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)

4級山岳モンテベリコでフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が集団先頭へ4級山岳モンテベリコでフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が集団先頭へ photo:Kei Tsuji今再び非常にキツい一日だった。最初の2時間をアベレージ50km/hで走ったし、雨も降り始めてしまった。あまりの高速ペースに集団はいくつかに分断されていたけれど、自分としては脚の調子も良いと感じていた。リスクを最小限に留めるために前方で走っていたし、アスタナもとても強力だった。最後の坂でジルベールはとても強く、自分は総合のことだけを考えていた。全体的にとても満足しているよ。

3位に入ったディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)  

ラスト50kmでパンク、そして落車を避けてスローダウンして、前を追うのに余計な力を使わされたことは残念だった。最後のスプリントでミスをしてしまったけど、ジルベールは勝つに値する選手だと思うよ。僕がジロで勝てるチャンスのありそうなステージは今日で最後だった。だから、良い成績を残せるように出来るだけ逃げに乗って頑張ってみるさ。

4位のサイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)

4位に入ることが出来て、非常に満足してる。最後のスプリントで最も強い選手のうちの一人となったということだからね。これから、こういったクラシックの様なレースでの大きな自信になること間違いなしだよ。何度か、下りでのクラッシュの影響で集団が分断されてしまうことがあった。でも、最終的にはチームメイトが僕を終日フォローしてくれたおかげで、何事もなく過ごせた。

5位のエンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニCSF)

今日は僕のホームステージだったから、良いリザルトを残したかったんだ。残り27kmのクロサーラの登りから、ずっと集団前方をキープしていた。最後のモンテベリコでは、ベストなポジションで登り始めることが出来たんだ。あの山のことは良く知っているから、最後の100mで仕掛けようと狙っていたのさ。ジルベールには及ばなかったけど、僕のスプリントもかなり良い線行ってたと思うよ。今日はハードな一日だったけど、僕よりも強い選手たちと渡り合えたことは嬉しいね。

90km近くを果敢に逃げたニック・ファンデルライク(オランダ、ロットNLユンボ)

90km近くを逃げたニック・ファンデルライク(オランダ、ロットNLユンボ)90km近くを逃げたニック・ファンデルライク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVos
アタックにつぐアタックの応酬の後に、75km地点でようやく逃げが決まった。僕も何度もアタックしたんだけど、逃げに選手を送り込めなかったチームがすぐに追走してきて吸収されることの繰り返し。みんなげんなりしていたよ。だから逃げが決まった時は出来るだけ5人で協調してタイム差をつけるように努力した。

でも、逃げが決まったとが遅すぎたね。タイムギャップを得るには少し距離が短かった。それに横風が強かったから、集団も警戒してあまり差を広げさせてくれなかった。こういった、どうにもコントロールしようがない要素が逃げ集団にとっては不利に働いていたと思う。今日は逃げの日じゃなかったってことさ。でも、明日以降またトライしていく準備は整っているよ。次はもっと長く逃げたい。

80位でフィニッシュした別府史之(トレックファクトリーレーシング)

10分遅れでフィニッシュした別府史之(トレックファクトリーレーシング)10分遅れでフィニッシュした別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji
当たって砕けろ!今日はスタートから片道切符のつもりでスタートした。アーリーブレークに乗るために何度も何度もトライしては吸収され、それでも動いたが結果は実らなかった。 向かい風だと言うのに最初の1時間は52km/hというハイペースになった。

その後は気持ちを切り替えて、ジャコモのスプリントポイントに備えてチームで固まって動き、山岳に入る前の横風区間では、チームで前の位置をキープした。そのとき雨も降ってきて状況はさらに悪くなったが。フェリーネを良い位置で送り出すことができた。登りで良い位置で登れていたけれど、スリッピーな下りで落車が多発し、危険な状況だったので安全に下ることに専念してゴールを目指した。

※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
photo:Kei.Tsuji,CorVos

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