ジロ・デ・イタリア第9ステージの75km地点でリタイアした石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)。回収車でフィニッシュ地点に戻ってきた22歳の石橋に、9日間を振り返ってもらった。



序盤の登りで一人遅れた石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)序盤の登りで一人遅れた石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji


75km地点でリタイアし、フィニッシュ地点に戻ってきた石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)75km地点でリタイアし、フィニッシュ地点に戻ってきた石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsujiリタイアに至った今日のレースを振り返って

序盤の登りで一人遅れた石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)序盤の登りで一人遅れた石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji毎日ギリギリだったんですけど、今日も序盤からペースが速く、疲れが溜まっていたこともあり走りきることが出来ませんでした。チームカーを利用してなんとか戻ろうと試みたんですが、グルペットが前に見えているのに踏み切れずに再び離れるシーンを繰り返していました。距離もまだあったので、前のグルペットにもチームメイトがいるし、流石にこれ以上は無理だと監督と話をして(レースを降りることを)決めました。

22歳でグランツールに出場した貴重な経験について

目指していた戦いの舞台に参戦出来たことをこれからの自分に繋げたいです。ただ経験するために出場したわけではありませんが、結果的にはこの経験が必ず自分の将来に繋がると思います。

終わってしまった感はありますし、もちろん悔しさもあります。でも自分の将来的な目標を実際に見ることが出来た。これは日本にいるだけでは決して経験出来ないこと。この世界のトップのレースで戦うことが自分の最終的な目標であり、これをプラスにしていきます。

自分に欠けていたと感じることは何ですか?

もちろん力自体も足らないんですけど、技術面、レースの走り方を経験しなければならないと感じました。タイミングを見計らって前に上がることや、レースの展開を読む力。世界のトップ選手がシビアになって挑んでいるので当然なんですが、今まで日本やアジアで経験してきたレースとはレベルもスピードも、レースのピリピリ度合いも全然違う。その中でどれだけリラックスして休めるかなど、レース以外の面を含めて経験しなければならないと感じました。クネゴ選手を見ても、経験豊かな選手はストレスを溜めないようにオンとオフの切り替えが上手くできている。

回収車の助手席から見たレースは?

レース中は道とか沿道の様子を見れてなかったんですが、車から見ると「凄い人の数だな、やっぱり凄いレースなんだな」と実感しました。走っている時は夢中でそういうことを見る余裕なんてなかった。レースの凄さを感じ、この舞台で戦えるようになってまた戻ってくることが自分の目標なんだと改めて感じました。

text&photo:Kei Tsuji in Civitanova Marche, Italy