マスドレース初日は落車多発の混沌としたステージ。念願の勝利を挙げて喜ぶエリア・ヴィヴィアーニをはじめ、各選手のコメントを紹介します。



ジロ初勝利の喜びを語るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)

エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)がマリアロッサを獲得エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)がマリアロッサを獲得 photo:Kei Tsuji
泣きながらチームメイトに迎えられるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)泣きながらチームメイトに迎えられるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) photo:Kei Tsuji舌を出して表彰台に登場したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)舌を出して表彰台に登場したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) photo:Kei Tsujiシャンパンを開けるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)シャンパンを開けるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) photo:Kei Tsujiインクレディブル(信じられない)!今年は新しいチームになって、新しいモチベーションと共にシーズンをスタートした。チームスカイはリッチー(ポート)の総合優勝のためにジロに参加しているから、僕のゴール勝負のために人数はあまり割くことができないんだ。でも、今日はリッチーのためだけじゃなく、僕のためにチームが動いてくれたのを見ただろう?ラスト3kmからはサルヴァトーレ・プッチオとバーニー(アイゼル)が僕の側にいてくれた。彼らは信じられない働きをしてくれたよ。

先週のツール・ド・ヨークシャーで僕は(2位になった)ホフランドのスプリントを見ていたから、今日は彼の後ろに付くべきだと考えていたよ。グライペルが早めに掛けたけれど、若干登り勾配がついているのを知っていたから僕はタイミングを待った。とにかく勝てて嬉しいんだ。

ここ数年は惜しい所でビッグレースの勝利を逃してしまっていた。この勝利はプロになって以来最大の勝利だ。ここまで時間が掛かったけれど、自分を信じて決して諦めず、今日は自分のベストな走りができると思ってスタートを切った。ジロはいつも勝つために参加していたけれど、さい先の良いシーズンインができた今年、ようやく成し遂げたよ。

今日のスプリントでは脚はもちろん、冷静さも必要になってくる。最近は勝つことへの執着と同時に冷静でいることの必要性も学んできた。今日はグライペルが一番強かったけれど、登りスプリントではタイミングを待った僕とホフランドが先着した。今日はタイミングが全てだったんだ。11Tか12Tか13Tか、どのギアを使ったか覚えていないけれど、多分12T。頭で考えたのではなく、自然と脚がギアを選んだ。マシューズはタイミングが早すぎて、グライペルの時は少し戸惑った。ホフランドを抜くのは手こずったけれど、今日の僕には脚があった。

スプリントで競り合うモレーノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)やエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)スプリントで競り合うモレーノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)やエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) photo:CorVos5位に食い込んだアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、サウスイースト)5位に食い込んだアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、サウスイースト) photo:CorVos冬にはトラック競技に参加していたけれど、ドバイでカヴェンディッシュに勝ち、世界トラック選手権でメダルを獲り、そしてティレーノで骨折した。調子を上げなければならなかったから、ロマンディではかなり追い込んで、そしてご褒美がついてきた。チームは僕の目標に向けて準備をしてくれたし、登りの練習もメニューに加えてくれた。クラシックでは登りで遅れてしまい、勝利を逃してしまっていたから。

あと一歩届かなかったモレーノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)

グライペルを追い抜いた時には完璧に勝利を確信したんだ。でも右からヴィヴィアーニが更に差してきたのが見えたから、もう一度加速しようと試みた。でも、フィニッシュラインはすぐ目の前にあったんだけど、彼を振り払うだけの力が残っていなかった。本当に惜しかった。

5位に食い込んだアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、サウスイースト)

最後のスプリントの前にメカトラブルが起きていたんだ。サドルが下がってしまって、ポジションが狂ってしまった。もうひとつ、ボーネンの後ろじゃなくてグライペルにつけていたらまた違った結果になったと思う。とにかく、最後までアシストしてくれたチームのみんなに感謝している。まだまだやれるし、次のステージも狙っていく。

マリアローザを手にしたマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

マリアローザを獲得したマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)マリアローザを獲得したマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsujiジェノヴァの周回コースはかなり危険だった。集団先頭にいればそれなりに安全だったけど、中ほどから後ろはかなり混沌としていた。僕自身は大柄なチームメートに連れられて前方で走ることができたのでトラブルにはあわなかった。最終コーナーで少し遅れをとってしまったけど、チームとしてはマリアローザをキープできたから、今日の目標は達成できた。

大きな目標だったチームTTでの勝利を手に入れたから、今の僕たちの目標はこのピンクのジャージをできるだけ長くキープすること。特に明日のステージにはかなり重点を置いている。今日よりも僕たちに向いているし、なんといってもマリアローザーを着てステージを勝つチャンス。もちろん、その後もステージ優勝を狙っていくつもりだ。最初の2週間は僕らにぴったりのコースだからね。

ニッツォロのアシストを務めた別府史之(トレックファクトリーレーシング)

ニッツォロとファンポッペルを引き上げる役目を果たした別府史之(トレックファクトリーレーシング)ニッツォロとファンポッペルを引き上げる役目を果たした別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji今日はジャコモ(・ニッツォロ)のスプリントでステージを取るため、チーム全員で彼をサポートした。ボトル運びや中間スプリントポイント、山岳で遅れるジャコモを待ってサポートなど仕事を分担した。

ラスト12kmのところ、自分の目の前でピストバイクの自転車が急に道に飛び出してきて、自分は運良く避けれたけど、チームの隊列にヒットして大落車が発生した。最後はラスト3kmのところでボイ(・ファンポッペル)とジャコモを前に連れていって、そこからは最後のアシストをするボイにバトンタッチ。いいポジションでスプリントに入ったのを見送った。

リタイアしたセリーについて語るリゴベルト・ウラン(コロンビア)と、トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)

最終周回に入らずバイクを降りたピーター・セリー(ベルギー、エティックス・クイックステップ)最終周回に入らずバイクを降りたピーター・セリー(ベルギー、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsujiウラン:今日は登りで重要な選手の一人である(ピーター)セリーを落車の骨折で失うという悪いニュースがあった。彼の落車は回避しようが無かったし、とても残念に思う。僕もチームも彼の早いリカバリーを望んでいるよ。今日の終盤はとにかくナーバスだったけれど、僕はチームのアシストを受けて上手く事を運べたよ。明日は今日以上にナーバスになるようなコースだから、注意して臨まないといけない。

ボーネン:スプリントに向けて良い位置撮りができていた。残り数百メートルでコースの右側に押し込まれてしまい次に集団は左側に移動した。僕は右側に留まったけれど、ランプレ・メリダの選手が落車しそうになったりとカオスな状況で、勝機を逃してしまった。そんな状況で登りスプリントになればチャンスは無い。ヴィヴィアーニのスプリントは凄かった。

明日に向けて語るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)

今日は落車を避けて安全に走り切るという目標をチーム全員で達成できた。今日のようなステージでは前に位置することが大事。後ろに飲み込まれてしまえば一気に落車のリスクは高まるんだ。明日はとても短いけれど山がちで重要なステージ。最初の90kmをコントロールしていくつもり。今のところ全て上手くいっているし、これからも集中してレースに望んでいく。

※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
photo:Kei.Tsuji,CorVos